【山形】おいしすぎてご飯おかわり必至。農家の極上な朝食とは

【山形】おいしすぎてご飯おかわり必至。農家の極上な朝食とは
【山形】おいしすぎてご飯おかわり必至。農家の極上な朝食とは
FOOD 2024.08.28
フードライター渡辺“P”紀子さんに20年ちかく何度も伺っているという山形県の宿でいただく贅沢な朝食を教えてもらいました。
photo_Kohei Shikama text_Michiko Watanabe, Hanako
渡辺“P”紀子(フードライター)

わたなべ・ぴい・みちこ/〈文化出版局〉を経てフリーの料理記者に。弊誌ほか雑誌や広告冊子、食関連の単行本等の企画・編集に携わる。著書に『人間国宝という生き方』(淡交社)。

野菜も保存食も自家製の〈知憩軒〉の朝食で、シンプルかつ極上の贅沢を味わう

いっとき、山形県の鶴岡にたびたび出かけていた時期があった。山形の伝統野菜をはじめ、食材に惚れ込んでいたからだ。初めて行くとき、〈アル・ケッチァーノ〉の奥田政行シェフに教わった宿が〈知憩軒〉だった。もう20年近く前になる。以来、何度も伺っている。

山形〈知憩軒〉の朝食
宿泊者のみ味わえる朝食。店主・長南さんが手塩にかけて育てた野菜が尽くされる、贅沢なお膳だ。ふっくら炊きあげられたご飯に味噌汁、そのほかなます、煮物など野菜のおかずがつく。奥にはもろみ、梅干し、蕗味噌というご飯にぴったりのお供が並ぶ。

農家民宿というだけあって、味噌や漬物といった保存食はいうに及ばず、野菜など、登場する食材のほとんどすべてが自家製。なんという贅沢な朝食か。とくに蕗味噌ともろみは、ひとなめでご飯が何杯でもいけそうなおいしさで、瓶詰めにして販売してほしいと願ったものだ。有数の米どころなだけに、ご飯もほんとうにおいしくて、おかわり必至。朝食の凜とした佇まいには、女将の長南光さんの知性を感じる。「なぁんもできないけど」という、女将の素朴な山形弁の語りにも魅了された。これぞ、本物の地方ガストロノミーだと膝を打った。

どんなご馳走を食べても、朝はのんびりザ・ニッポンの朝ごはんが一番。いいな日本、と思う瞬間だ。

知憩軒

住所:山形県鶴岡市西荒屋宮の根91
TEL:0235-57-2130
営業時間:レストラン11:30~14:00(13:30LO)
定休日:火水休
宿泊:1 泊1 名7,700 円~、1 日2組のみ チェックイン15:00、チェックアウト10:00 ※宿泊は完全予約制。予約は電話のみ。
昼は「農家レストラン」が営業され、ランチの定食が供される。

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