朝7時から至福の1杯! フレンチ出身のシェフが作る“朝ラー”、〈ラーメン ル・デッサン〉

朝7時から至福の1杯! フレンチ出身のシェフが作る“朝ラー”、〈ラーメン ル・デッサン〉
朝7時から至福の1杯! フレンチ出身のシェフが作る“朝ラー”、〈ラーメン ル・デッサン〉
FOOD 2024.08.27
朝ラーで有名な静岡県の中西部、志太榛原地域(藤枝市、焼津市、島田市)にあるラーメン屋さん〈ル・デッサン〉。フードライター渡辺“P”紀子さんがもう一度食べに行きたいという理由とは。
photo_MEGUMI text_Michiko Watanabe, Hanako
渡辺“P”紀子(フードライター)

わたなべ・ぴい・みちこ/〈文化出版局〉を経てフリーの料理記者に。弊誌ほか雑誌や広告冊子、食関連の単行本等の企画・編集に携わる。著書に『人間国宝という生き方』(淡交社)。

静岡〈ラーメン ル・デッサン〉の朝ラーは体の隅々まで行き渡るクリアで潔い一杯

静岡〈ラーメン ル・デッサン〉の朝ラー
「岩手ほろほろ鳥のしょうゆラーメン」1,500円。東日本大震災の折、支援先で出会った生産者から、特別に卸してもらっているほろほろ鳥からだしをとる。2016年の開店当時からの看板メニューのひとつ。煮卵、しっとりとした鶏むね肉、かいわれをトッピング。

静岡県の中西部、志太榛原地域(藤枝市、焼津市、島田市)は朝ラーの聖地だ。〈ル・デッサン〉という、およそラーメン屋らしからぬ店名のこちらも、朝7時から店を開ける。店主・増田稔明さんはフランス料理人として30年を貫き、うち10年ほど東京で営んだ自店を閉めて故郷の島田に戻ってきた。これからの人生も考えての決断だった。

静岡〈ラーメン ル・デッサン〉の券売機
温かいラーメンはだしが5種類、さらに「しお」「しょうゆ」などの味付けがあり、全27種類。冷たいラーメン、まぜそばも。2023年からは夏季限定の冷やし中華も始め、定番にしていく予定。

券売機の前で、誰もがしばし呆然とする。函館ホタテ、鴨ガラ&鶏ガラ、岩手県ほろほろ鳥、ローストした鶏ガラ、鶏ガラとかつお・にぼしと、だしが5種類もあり、それぞれのだしに合わせて、かけ、塩、カレーなどのバリエーションが連なる。さらに朝ラー用の昆布とかつおだしの冷たいラーメンもある。とんでもないバラエティだ。だしのとり方を聞くと、その手間と時間たるや気が遠くなる。でもシェフは、「フランス料理人なら苦ではない」と涼しい顔だ。

朝ラーは冷たいのと温かいのを食べるのが一般的。この店のラーメンには、いまだ消えぬフランス料理人としての矜持と誇りと強さが込められている。

ラーメン ル・デッサン

住所:静岡県島田市御仮屋町8802-1
TEL:0547-54-5536
営業時間:7:00~13:30(売り切れ次第終了) 
定休日:月金、第3日休 
席数:14席

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