ミシュランシェフによるフィンランド料理も楽しめる! 【フィンランド】映画『かもめ食堂』のロケ地の食堂〈Ravintola KAMOME〉がリニューアル!
映画『かもめ食堂』をきっかけに、北欧の暮らしに憧れた人も多いのでは?ロケ地として知られるフィンランドの食堂がリノベーションされ、さらにミシュランシェフが手掛けるフィンランド料理が楽しめるように。「かもめ食堂」の今をお届けします!
自然豊かなやさしい国、フィンランドから発信。
主人公が単身、ヘルシンキへと旅立ち食堂を開く物語、『かもめ食堂』の映画をきっかけに、ロケ地となった地元の大衆食堂〈Kahvila Suomi〉へはファンが殺到した。映画の上映から9年、オーナーがリタイアするという噂を聞いたのが、在フィンランド20年以上の小川秀樹さん。
「中華料理屋さんになってしまうと聞き、譲り受けました」。最初の1年は受け継いだままの味で営業していたが、旅行者のためにフィンランドの地方の食材を使った料理をと、2016年秋にお店もリノベーションした。
ミシュランシェフに料理を担当してもらい、グッと洗練させた。
パンは自家製を数種類用意!メインのソースをつけたり、オープンサンドにも。
こちらがランチの盛り付け。日本風とフィンランド風メニューを用意。味付けは薄味で日本人の口に合う(ランチは期間限定)。
「Oishii Finland BOX」と名付けた料理は思いの結晶だ。トナカイの肉、シャケの酢漬けといったおなじみのフィンランドの食材をできるだけ入れた。映画をきっかけに大人気になったシナモンロールも入っている。
一つ断らなければならないのが、お店の名前は「レストランかもめ」で、この店が映画の舞台になったわけではない。だが今もなお一人旅の日本人女性、最近ではアジアからの客も多い。かつての〈Suomi〉のお得意様がいない今、地元にも愛されるレストランを軌道に乗せたいと意気込む小川さん。
コーヒー焙煎量が世界一のフィンランド。〈ケメックス〉を使ってハンドドリップで入れる。
映画に登場してみんなの「憧れ」となったシナモンロール。「ふわっとした」というよりも、しっかりとした食感。味は前の食堂のレシピを受け継ぎアレンジしたもの。シナモンの香りとヨーグルトのソースとともに。
隣接のカフェには、来客が思い出にとメッセージを綴るノートが置かれている。それは、新婚旅行でこの店を訪れたお客様が「何かに役立ててほしい」と置いていってくれたノートだという。1月から始まったというのに、すでに日本だけでなくアジアの人々の思いでいっぱいだった。
〈Ravintola KAMOME〉
フィンランド料理のほかに、ラーメン、オニギリなどの日本食も用意。9種類のフィンランドの料理を詰めた「Oishii Finland BOX」35ユーロ。シナモンロール6ユーロ。隣にはカフェも営業している。オリジナルグッズもある。
■Pursimiehenkatu 12
■358-9-657-422
■17:00 ~ 21:00(金土~ 22:00 ) 日休
■42席
映画『かもめ食堂』って?
2006年公開。フィンランドで食堂を営むサチエ。オニギリを看板メニューにと頑張るが来客は期待できない。ある日、フィンランドのスイーツ、シナモンロールを焼くと少しずつお客が来るように。日本から1人でやってきた女性たちと共に過ごすヘルシンキの日々を綴った映画。マリメッコ、イッタラといったデザインと自然が印象的だ。原作・群ようこ、監督は荻上直子。
(Hanako1156号掲載/photo : Norio Kidera coordination : Eri Shimatsuka cooperation : Visit Finland)