軽井沢に行ったら、訪ねてみたい一軒。 【軽井沢】小さなタルト屋さん〈tarte K〉がオープン。季節の地元フルーツを、タルトに詰め込んで。
話題の新店が次々オープンする軽井沢にお目見えした小さなタルト屋さん。地元のフルーツをふんだんに使った季節感あふれるタルトが人気です。9月17日(金)発売Hanako特別編集『ケーキ、焼き菓子、おやつを買いに。』よりお届け。
小さなタルトの中に軽井沢のおいしい秘密が。
軽井沢本通りに、2020年9月に誕生した〈tarte K〉。小さなガラスの器(グラスを逆さまにした形)の中に、タルトが1個ずつ、かわいらしく収まっている。季節によってラインナップは変わるが、あんず、梅、花豆、ルバーブ、クルミや小布施(おぶせ)の栗、山ブドウや山のキウイ・サルナシなど、フルーツ王国・長野ならではのフレッシュな果実を用いているのが特徴だ。
マダムの浜田晃子(はまだあきこ)さんのイチ推しは「タルト・オ・ヴァン・キュイ」。ちょっと覚えにくい名前だが、この店のスペシャリテだ。「スイス南西部の伝統菓子なのですが、その奥深い、やさしい味わいに感動し、パリにお住まいのスイス人の方に作り方を教わったものです」。ヴァン・キュイとは、煮詰めたワインの意。スイスではワインを使わず、りんごや洋梨のすりおろしを丁寧に裏漉ししてジュースを作り、数日かけてゆっくり煮詰めた「レジネ」と呼ばれるものを用いるそう。
ここ〈tarte K〉では、地元・小諸の農園の40〜50年の古木の紅玉をすりおろしてジュースにし、それを十分の一まで煮詰めたレジネを用いてフィリングを作り、タルトに仕上げている。手のかかる作業だが、「もっといい味を」と日々努力を欠かさない。小麦粉の風味が生きたタルト生地の香ばしい味わいと、香りがよく口どけのよい、とろりとしたクリームの名コンビは、小さくても食べごたえあり。お店を作る際に、マダムが一番に考えたのは、「お子さんからご年配の方まで、安心して食べられるお菓子を提供したい」ということだった。
りんごは開園以来、除草剤、化学肥料不使用の農園のもの、小麦は長野県産のユメセイキ、バターは厳選の発酵バター、砂糖は白砂糖ではなく粗製糖を用いるなど、体によい素材のみを用いている。小さな、ほんとうに小さな店ゆえ、一度に入れるのは一組のみだが、待つ価値あり。奥にある厨房で、次々とタルトができていく様子もちらりと見ることができる。軽井沢に行ったら、訪ねてみたい一軒である。
〈tarte K(タルト ケイ)〉
タルトは8種ほど。チーズケーキなどの焼菓子やジャムも。予約不可。
■長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢480-7
■0267-31-5484
■11:30~売り切れ次第終了 水日休、ほか不定休あり
※詳細はインスタグラム(@karuizawa_tarte_k)で。