俳優・吉田羊さん「人は誰もが孤独だからこそ、隠された本心を探りながら演じたい。」
吉田羊
よしだ・よう/福岡県出身。1997年より舞台を中心に活動をスタート。ドラマ『HERO』で検事役に抜擢されて注目を集める。以後話題作への出演が続く。舞台『エノケソ一代記』で第24回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。著書に『ヒツジメシ』(講談社)など。
「人は誰もが孤独だからこそ、隠された本心を探りながら演じたい。」

権力闘争と政治的野心が交錯する悲劇『リチャード三世』。兄や貴族を次々と葬り、王位へと突き進む稀代の悪役リチャードを演じるのは、吉田羊さん。世界中で上演され続けているシェイクスピア作品だが、吉田さんにとって、当初は決して身近な存在ではなかったという。
「どこか避けていた部分があったと思います。若い頃は、尻込みしていたのかもしれません。でも2021年に『ジュリアス・シーザー』のお話をいただいたとき、『いよいよ来たか』と思ったんです。経験を重ねてきたタイミングでシェイクスピア作品に挑めるなんて、これはもうラブレターだと思って取り組もう、と。今回の作品も読んでみると、とても面白い。普遍的なテーマを扱いながらも、解釈は無限に広がっていくように感じました。何度読んでも答えにたどり着かないところも魅力だと思います。リチャードは悪役といわれていますが、私は彼のことを単なる性悪だとは感じていないんです。自分の人生を恨みながらも、愛されたいともがいている。卑屈さや嫉妬心って、誰の心にもあるものですよね。だからこそ、共感できる物語でもあると思います」
シェイクスピアは「演劇は時代を映す鏡」と語っている。約400年前に生まれた物語を、今の時代に上演する意味とは。「政治闘争って、時代を超えて繰り返されるテーマですよね。くしくも、日本に初めての女性首相が誕生したこのタイミングで上演することにも、とても意味があると感じています。ましてや、性別を超えてリチャード役を演じるのが私ということも含めて。自分たちの国について考えるきっかけになったら面白いと思いますし、人間という存在の奥深さを感じ取っていただくのでもいい。観てくださった皆さんが、それぞれに何か持ち帰っていただけたら本望です」
記憶のなかの旅・食
「年明けに友人とタイ旅行へ。普段は一人旅が多いので、新鮮で楽しかったです。おいしいものもシェアできるのもうれしい! 友人に誘われて、音楽が大音量で鳴って、ライトがピカピカしているクラブのようなマッサージ店に行けたのもいい思い出です(笑)」
平和な世を憎み、王位への野心を抱いた悪の権化、リチャード三世を吉田羊が演じる。次々と現れる登場人物を9人の俳優陣が演じ分け、これまでにないスケールでシェイクスピアを描き出す。出演:吉田羊、愛希れいか、中越典子、篠井英介、渡辺いっけいほか。
東京公演:5月10日(日)~31日(日) PARCO劇場ほか、大阪・愛知・福岡・岩手公演あり

















