「ネコード」って知ってる? ヌマったら抜け出せない猫ジャケの世界

「ネコード」って知ってる? ヌマったら抜け出せない猫ジャケの世界
「ネコード」って知ってる? ヌマったら抜け出せない猫ジャケの世界
CULTURE 2025.11.28
ネコードとは、猫がジャケットを飾るレコードのこと。名盤に出会えることが多く、コレクターも。掘れば掘るほど奥深い世界を、収集家の五十嵐祐輔さんが解説!
photo_MEGUMI text & edit_Kana Umehara
教えていただきました
五十嵐祐輔
ミュージシャン・張子職人

いがらし・ゆうすけ/音楽ユニット「fishing with john」を主宰。張子職人として〈カマクラ張子〉も営む。@yusukeigarashi

猫+レコード=ネコードの世界を深掘りする。

五十嵐さん宅のネコード棚
五十嵐さん宅のネコード棚。愛猫のミルクさん(10歳)のほか2匹の猫と暮らす。
アルバム『14.8℃カマクラ』
ネコード好きが高じて、自身も猫ジャケを制作。アルバム『14.8℃カマクラ』。

鎌倉に暮らす五十嵐祐輔さんの自宅の本棚には200枚を超すネコードが並んでいた。

「きっかけは10年前に最初の保護猫を譲り受けてから。猫と暮らし始めたら、趣味で集めていたレコード収集も〝猫もの〞が気になるようになって。ネコードは専門書が出ていたり、中古レコード店に猫コーナーがあったりと、すでに確立されている分野でした。集め始めて気づいたのは、ネコードは音楽の種類や年代、国籍などあらゆるボーダーがなくジャンルレス。ジャズ、クラシックからシューゲイザーまで、どんな音楽も包容してしまうのがすごいところです」

その中でも、名盤が多いネコードの傾向といえば?

「愛猫家であることが滲む『アーティストと猫』やかわいさで相性抜群の美女や子どもとのジャケットは、ハズレが少ないです。中には、猫をジャケットにしたい気持ち先行でできただろうと想像させるネコードも。アイデアのある猫ジャケは、中身もユニークなものが多いんです」

猫ジャケを、4つの定番ジャンルに分類!

1. アーティストと猫。/『ZAPPA LONDON SYMPHONY ORCHESTRA/VOL II』/FRANK ZAPPA

『ZAPPA LONDON SYMPHONY ORCHESTRA/VOL II』/FRANK ZAPPA

ロック界の鬼才、フランク・ザッパに黒猫が寄り添う。「猫がいることで素の表情を引き出せる。イヴ・モンタンや日本では沢田研二や五木ひろしもネコードを作っています」

2. 美女と猫。/『smooth as silk』/Wayne King and His Orchestra

『smooth as silk』/Wayne King and His Orchestra

「猫と美女の共演は、クラシックやジャズのレコードに多いパターンです。女性といることで、猫の美しさや妖艶さなどを引き立て、演出できる。好相性の組み合わせです」

3. 子どもと猫。/『乙女の祈り/エリーゼのために』/ミヒャエル・ポンティ

『乙女の祈り/エリーゼのために』/ミヒャエル・ポンティ

「コンピレーション盤やアニメの音源、朗読盤などでよく見かける子どもと猫。全世界で人気が高く、海外の中古レコード店では、まずキッズコーナーでネコードを探します」

4. とにかく猫。/『猫とアレルギー』/きのこ帝国

『猫とアレルギー』/きのこ帝国

ロックバンド、きのこ帝国のメジャー1stアルバム。「猫をどう扱うかの力量が問われる猫ジャケ。写真がよかったり、デザインが優れているものは音もいい場合が多いです」

※記事で紹介しているネコードは、全て五十嵐さんの私物です。

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