俳優・歌手/生田絵梨花さん「不器用で実直な役に、自分の気持ちを重ねて。」

俳優・歌手/生田絵梨花さん「不器用で実直な役に、自分の気持ちを重ねて。」
Interview「もっと知りたい、あの人のこと」
俳優・歌手/生田絵梨花さん「不器用で実直な役に、自分の気持ちを重ねて。」
CULTURE 2025.10.08
言葉よりも深い愛を抱く、誠実なコーディリアを演じる生田絵梨花さん。圧倒的な言葉の力と舞台の深遠さに触れながら、自らの感覚で物語を紡いでいく。先輩俳優たちと築き上げる挑戦の日々を語る。
photo_SAKAI DE JUN styling_Yusuke Arimoto hair & make_Tomoko Tominaga text_Marie Takada
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生田絵梨花
生田絵梨花
俳優・歌手

いくた・えりか/1997年1月22日生まれ、ドイツ・デュッセルドルフ出身。乃木坂46のメンバーとして活躍し、2021年に卒業。舞台やテレビを中心に活躍中。音楽番組『Venue101』(NHK)ではMCを務めている。舞台『リア王』では初のストレートプレイに挑戦。


「不器用で実直な役に、自分の気持ちを重ねて。」

生田絵梨花
「先日、俳優の芳根京子ちゃんと箱根旅行へ。たっぷりチャージできました」

親と子、裏切りと愛憎などシェイクスピア作品の中でも最も現代的なテーマを持った作品である『リア王』。シェイクスピアの四大悲劇の一つといわれ、多様な人間関係の交錯を描く名作において、真実を貫いた末に悲劇に散る、誠実で愛情深い末娘コーディリアを演じる生田絵梨花さん。

「シェイクスピア作品特有の詩的で重厚な表現に圧倒されたり、難解なセリフに戸惑ったりしながらも、『リア王』の世界を自分の体と心に落とし込んでいく過程を楽しんでいます」

娘たちの裏切りによりすべてを失う老いた王、リアを演じるのは大竹しのぶさん。さらに、宮沢りえさんや成田凌さんなど実力派が名を連ねる。

生田絵梨花

「前回大竹さんとご一緒した際には、演技や表現についてたくさん相談に乗っていただきました。丁寧なコミュニケーションを重ねながら、役や舞台を築いていくことができたので、初めての会話劇で緊張はしていますが、今回の役も、百戦錬磨の先輩方の力をお借りしつつ、一歩ずつ自分のものにしていきたいです。私が演じるコーディリアは、父リアから『自分への愛を言葉で示してほしい』と求められても、姉たちのように巧みに話すことができず、沈黙してしまう人物です。でもそれは決して愛がないからではなく、むしろ父を心から想っているからこそ簡単には言葉にできないのではないかと思っています。私自身も普段『もっとうまく言えたら…』と反省することがあるので、その不器用さには共感できる部分が多いですね。重厚な物語ですが、彼女の心の機微を、私自身の感覚と紐付けながら演じていきたいです」

記憶のなかの旅・食

「歌手の竹内まりやさんのご実家〈竹野屋旅館〉に念願叶って泊まってきました。まりやさんから島根の魅力をお伺いしていたのでずっと旅してみたかったんです。完全プライベートの旅だったので、心身ともにリフレッシュできました!」

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舞台『リア王』
舞台『リア王』


シェイクスピアの戯曲『リア王』を英国演出家フィリップ・ブリーンの手によって一新。老いた王が狂気の淵を彷徨いながら人間の光と闇を見出す。出演:大竹しのぶ、宮沢りえ、成田凌、生田絵梨花、鈴鹿央士ほか。

東京公演:10月9日(木)〜11月3日(月・祝)、THEATER MILANO-Zaにて※大阪公演あり

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