俳優・伊藤沙莉さん「頑張ってみようと心が奮い立ってくる。」

俳優・伊藤沙莉さん「頑張ってみようと心が奮い立ってくる。」
Interview「もっと知りたい、あの人のこと」
俳優・伊藤沙莉さん「頑張ってみようと心が奮い立ってくる。」
CULTURE 2025.09.15
映画『風のマジム』で伊藤沙莉さんが命を吹き込むのは、大きな夢に挑む主人公・伊波まじむ。沖縄の風に背中を押されるように、彼女が見せる等身大の輝きは、観客に「挑戦する勇気」を手渡す。
photo_Rikiya Nakamura styling_Akane Yoshida hair & make_Aiko Okazawa text_Marie Takad
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伊藤沙莉
伊藤沙莉
俳優

いとう・さいり/1994年5月4日生まれ、千葉県出身。2003年、ドラマ『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』でデビュー。NHK連続テレビ小説『虎に翼』で主演し話題に。松岡茉優とのPodcast番組『お互いさまっす』も人気。10月には映画『爆弾』の公開を控える。

頑張ってみようと心が奮い立ってくる。

俳優・伊藤沙莉

与えられた仕事を淡々とこなし、ただ毎日が過ぎていくことに不安を抱えていた主人公・伊波まじむが、ラム酒との運命的な出会いをきっかけに、地元・沖縄産のラム酒を作るという大きな夢に向かって踏み出す。実話をもとに描かれたこの物語で、伊藤沙莉さんは主人公の挑戦と成長を生き生きと演じている。

「実在する方をモデルにした役は、モノマネになってはいけないので緊張します。でも、まじむのような等身大で欲のないキャラクターは、純粋に演じていて楽しかったですし、力をもらえました。ピュアで裏表がなく、だからこそ周りの人が手助けしたくなる存在。そして、彼女自身もチャンスをしっかりつかむ嗅覚を持っているところが魅力ですよね。一契約社員だった女性が、起業して夢を叶えるというサクセスストーリーではありますが、それ以上に、周りの人たちの温かいサポートや、沖縄の文化や美しい風景が丁寧に描かれていて。観ていると、肩の力を抜きながらも“私ももう少し頑張ってみるか”と、自然に前向きになれる映画になっていると思います」

映画の冒頭、まじむが祖母と母と一緒に食卓を囲む朝食のシーンが印象的だ。伊藤さんが記憶に残っている家族との朝食は?

「ビビンバが朝の食卓に並ぶ日は、家族にとって特別なごちそうの日でした。手間がかかるのでたまにしか食べられなかったのですが、だからこそ、朝ごはんにビビンバが出てきたときは姉や兄たちと一緒に大喜びしたのを覚えています」

記憶のなかの旅・食

「今回の舞台となった沖縄では、たくさんおいしいものを食べましたが、一番感動したのは、映画にも登場するゆし豆腐。素朴ながら豆の味が感じられて、口にするたびに幸せな気分になりました」

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映画『風のマジム』
映画『風のマジム』

原田マハの同名小説を映画化。「沖縄のサトウキビでラム酒を作りたい」そんな夢を抱き起業した女性の実話を描く。伊波まじむが、家族や仲間に支えられながら夢に挑む姿を映し出す。出演:伊藤沙莉、染谷将太、高畑淳子ほか。
9月5日(金)沖縄県先行公開 9月12日(金)全国公開
©2025 映画「風のマジム」©原田マハ/講談社

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