SUPER EIGHT 安田章大さん「人生を変える刺激的な感情や感覚を手渡ししたい」

SUPER EIGHT 安田章大さん「人生を変える刺激的な感情や感覚を手渡ししたい」
Interview「もっと知りたい、あの人のこと」
SUPER EIGHT 安田章大さん「人生を変える刺激的な感情や感覚を手渡ししたい」
CULTURE 2025.08.18
唐十郎の戯曲に恋焦がれているという安田章大さんが、昔から慣れ親しんだ関西弁を駆使しながら観客の心に「感覚を手渡しする」『アリババ』『愛の乞食』。濃密で新しい時間がはじまる。

photo_Hiroki Watanabe(TRON)styling_Yoshio Hakamada(juice)hair & make_Yoko Yamasaki
text_Marie Takada
profile
安田章大
安田章大
アイドル/俳優

やすだ・しょうた/1984年9月11日生まれ、兵庫県出身。アイドルグループ・SUPER EIGHTのメンバー。2004年『浪花いろは節』でCDデビュー。ソロ写真集に『LIFE IS』がある。唐十郎の戯曲に挑戦するのは、2023年の『少女都市からの呼び声』に続き2回目となる。

「人生を変える刺激的な感情や感覚を手渡ししたい。」

日本を代表する劇作家の一人である、唐十郎のエネルギッシュな感性が光る初期作品『アリババ』『愛の乞食』に安田章大さんが新たな息吹を吹き込む。

「以前、演出家のさんとご一緒した際に、この物語を教えてもらう機会があって。読んでみたら一気に、現実と幻想、現在と過去が溶け合う世界に引き込まれまして。『これは、僕がやらなきゃ』という気持ちに駆られました。自ら、まわりの人たちを口説いて、上演させてもらうことになったんです」

 今回は、唐が紡いだセリフを、関西弁にアレンジして演じるという高い壁に挑む。

「唐さんは以前、『演劇には賛否両論がないとダメだ』とおっしゃっていたそうなので、きっと僕らの挑戦を喜んでくれていると思います。普段から、台本を読む際はいつも、なじみのある関西弁に置き換えるんです。その方が、感情の整理がついて、気持ちがのってきます」

黒い馬を探す宿六とその妻・貧子を巡る物語『アリババ』と、主人公が老人を介抱しているところから物語が始まる『愛の乞食』。どちらも、観客に解釈が委ねられている作品だ。

「唐さんの戯曲と出合えて気づいたのは、僕はあくまでも『渡す』側の人間だということ。応援してくれるファンの方や、舞台を観にきてくれる方に、感情や感覚を手渡ししていく役割なんだと自覚できたのは大きいですね。今回の2作は、わかりやすさとは無縁かもしれません。でも、理解しようと無理しなくて大丈夫。感じたことをそのまま持ち帰ってくれたらうれしいです。時間が経ったころにじわじわと効いてくると思います」

記憶のなかの旅・食

「テント版『アリババ』『愛の乞食』の稽古場で、金さんがふるまってくれたふぐ刺しとカワハギは、おいしかったなぁ。稽古場でキャストのみなさんたちと食卓を囲めたのも最高。仲間と乾杯できるアットホームな雰囲気がいいですよね!」

information
『アリババ』『愛の乞食』
『アリババ』『愛の乞食』

唐十郎の作品『アリババ』『愛の乞食』の2作品に、関西弁という新たなアプローチで挑戦。唐ワールドを体現するにふさわしい個性豊かな俳優陣が集結し、上演する。作:唐十郎、脚色・演出:金守珍、出演
:安田章大、壮一帆、伊東蒼ほか


東京公演:8月31日(日)〜 9月21日(日)、ほか福岡、大阪、愛知公演あり。

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