「くすんだ感情を解放!その爽快さを味わった。」俳優・上白石萌音
photo_Rikiya Nakamura / styling_Risa Sato(BE NATURAL)/ hair & make_Kanae Yamada / text_Hazuki Nagamine
profile
かみしらいし・もね/1998年1月27日生まれ、鹿児島県出身。主な出演作に、映画『舞妓はレディ』『君の名は。』『夜明けのすべて』、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』、舞台『千と千尋の神隠し』など。公開待機作に、映画『35年目のラブレター』がある。
「くすんだ感情を解放!その爽快さを味わった。」
作中では、謎の駄菓子屋〈たたりめ堂〉店主・よどみを演じる。エネルギーは人間の悪意。客のコンプレックスを刺激して、とことん悪意を吸い取ろうとするが、なぜか不思議と憎めない役柄だ。
「きっとよどみは欲や悪意に対して無邪気だし、すごくピュアだからだと思います。端から見たら淀んだものでも、本人はまっさらな気持ちで楽しんでいる。それに嫉妬やズルさ、欲望は、私を含めて誰にとっても身近な感情ですし、『ついに表に出すときが来た!』と解放できるうれしさがありました。中田監督にもとにかく振り切ってほしいと言っていただき、存分に楽しんでお芝居ができたことも反映されていると思います」
くすぶる気持ちは宝になる、と彼女は言う。負のエネルギーをどう還元させるか? その選択は自分に委ねられているのだと本作はまっすぐ突きつける。
「私は向き合って解釈して、なかったことにはしたくない。しんどいのは承知の上で、血肉にするぞ! くらいの心意気です。いつかお芝居につながる日が来るかもしれないし、同じ気持ちを味わった人に寄り添うことができるかもしれない。その積み重ねが人としての厚みや味わいになっていくといいなと願いながら。まったく嫉妬心を抱かない人もいるけれど、心の奥底ではバチバチに悔しがる人の方が私はわかり合えるし、人間らしくて魅力的に映ります」
ストーリーを通して学んだ道徳や教訓は心に残り続けるもの。
「私は、『となりのトトロ』のカンタのように、困っている人がいたら迷わず自分の傘を差し出せるような人でありたい。〝カンタの心〟をいつでも胸に」
記憶のなかの旅・食
「仕事でロンドンに滞在中、日本から遊びに来た友人・藤原さくらちゃんと休演日にライという街へ。夕暮れ時、ライ城近くのベンチで手をギトギトにしながら食べたフィッシュ&チップス。情景も相まって一番のごちそうでした」
大人気児童小説を実写映画化。幸運な人だけが辿り着ける不思議な駄菓子屋〈銭天堂〉を舞台に、願いが叶うという「ふしぎ駄菓子」を買った人々の顛末を描く。監督:中田秀夫、出演:天海祐希、上白石萌音、大橋和也ほか。
東宝 12月13日(金)より全国ロードショー©2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
シャツ15,400円、ラメカーディガン9,900円(共にジャーナル スタンダード レリューム|ジャーナル スタンダード 自由が丘店 03-5731-0128)/その他スタイリスト私物