「演じる役にいかに寄り添えるか。一番の理解者でありたい」俳優・趣里
photo_Rikiya Nakamura styling_Ayako Nakai(crêpe) hair & make_Minako Suzuki text_Marie Takada
「演じる役にいかに寄り添えるか。一番の理解者でありたい」
ブギの女王や看護師、編集者……。様々な役柄に全力で向き合ってきた趣里さんが次に演じるのは、得体のしれない弁護士。物事の本質を見極めながら、現代の問題に切り込む。
趣里
しゅり/1990年生まれ、東京都出身。2011年『3年B組金八先生ファイナル』で俳優デビュー。2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』で、ヒロイン・福来スズ子を演じ話題に。10月14日(月・祝)スタートのカンテレ系ドラマ『モンスター』で主演を務める。
幼い時に母を亡くし、「常識」を押し付けない父親に育てられた影響で、世間で当たり前とされていることには全く興味を持たず、徹底的に感情を排除して生きてきた主人公・神波亮子。裁判に勝つためなら手段を選ばないモンスター級の凄腕弁護士ながら、札束をビニール袋に入れて持ち歩き、寝食を忘れてゲームに熱中する。朝ドラで「ブギの女王」を演じた趣里さんが新たに挑戦する役はとにかく強烈だ。
「脚本を最初に読んだ際は、亮子の一筋縄ではいかないキャラクターを理解するのに苦労しました。共感するのは難しいかもしれないって(笑)。でも今は、知りたいことは自分の足でとことん調べ、独自の答えを導き出していくという彼女の力強い姿勢に憧れていますし、演じるたびに力をもらっています。ドラマではルッキズムやハラスメント、生殖医療など、現代的な問題を扱います。とてもデリケートな題材ですが、きっと亮子なら逃げることなく向き合って、私たちに考えるきっかけを与えてくれるはずです」
ドラマのタイトルでもある「モンスター」は、怪物や化け物という意味だけではなく、圧倒的な存在感や影響力を持つ人や物、という意味も持つ。趣里さんにとってモンスターのような存在は、劇作家・俳優の岩松了さんだそうだ。
「高校生の時に岩松了さんの舞台を初めて鑑賞し、自分でもびっくりするくらい夢中になりました。同じ舞台を6回続けて観に行ったこともありますし、今でも魅了され続けています。岩松了さんの作り出す世界に合うような人間でありたくて、今も努力している最中です」
記憶のなかの旅・食
京都は、休みになると一人でふらっと遊びに行くくらい好きな街。滞在中に必ず食べに行くのが水炊きの老舗〈鳥彌三〉です。鶏ガラを強火で炊き込んだ濃厚なスープが大好き。錦市場で食べ歩きするのも大切な時間です。
勝ちにこだわる型破りな新人弁護士・神波亮子が、自分の信念を信じて「本質」に迫る一話完結のリーガル・エンターテインメント。同僚の若手弁護士をSix TONESのジェシー、突然姿を消した亮子の父親の弁護士を古田新太が演じる。
毎週月曜22時放送(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
出演:趣里、ジェシー(SixTONES)、古田新太ほか 脚本:橋部敦子