どうしてそんなに人気なの?売り切れ仕舞いの銀座のあんこ|神田愛花の「間違いない街、銀座。」第3回
第3回のテーマは「売り切れ仕舞いの銀座のあんこ」です。
かんだ・あいか/1980年神奈川県生まれ。フジテレビ系お昼の帯番組『ぽかぽか』にMCとして出演中。情報番組やバラエティー番組など幅広く活躍する。銀座好き。歌舞伎好き。
第3回 売り切れ仕舞いの銀座のあんこ
銀座は老舗、名店揃いで「あんこ」も然り。様々なあんこ菓子がありますが、中でも今回は入手困難と噂の3品をピックアップ。「どうしてそんなに人気なの?」に応える神田さんの正直リポートとともに紹介します。
銀座は大好きなのですが、これまで食べ物には目を向けてこなくて。そもそも食べ物への興味自体、結婚してからようやく出てきたくらい。情報を全く持っていないんです。なので今日ご紹介するあんこ菓子もすべて初めていただきます。楽しみです!
時代を超えて変わらないおいしさに感動〈空也〉の最中
1つ目は、〈空也〉の「空也最中」。
〈空也〉は1884年(明治17年)に上野で創業後、1949年に銀座に移転。以来、銀座で半世紀以上にわたり愛される名店です。その名は、夏目漱石、林芙美子といった文豪の作品にも登場。
看板商品「空也最中」は創業当時から姿も味もほぼ変わらないそう。
化粧箱をあけると美しく並んだ最中がお目見え。1つ1つはぷっくりとした瓢箪型で、「うわー綺麗…宝箱から宝石を取り出すみたい」と神田さんも感激。
最中が整然と並んでいる姿、美しいですね〜。私が手にとっていいんでしょうかと思ってしまうくらい、凛とした高級感が漂っています。
「空也最中」の餡は、北海道十勝産の減農薬栽培小豆「元気豆」とざら糖を炊いた、オリジナルの“つぶし餡”。しっかり火を入れているため、添加物、保存料不使用でも、季節問わず常温で1週間日持ちします。
程よく焦がされた皮が特徴的で、これは初代と親交があった九代目市川団十郎が、最中を火鉢で少し焦がして食べていたことに由来するそう。
しっかり存在感があって香ばしい皮。全然ふにゃっとしない。喉でしっかり感じられます。中にはきめ細かいあんこがみっちりと。おいしいな〜。
明治時代から、文豪、歌舞伎役者さんなど、さまざまな方に愛されてきたんですね。
明治の方が召し上がっていたものを、時空を超えて令和の時代に今自分がこうしていただけている。当時と同じものをおいしいと感動できる。それがすごくうれしいです。
時代は変わっているけれど、おいしいものは変わらない。その「本物」があるのが銀座だなぁと思いますね。
漱石さんと会っても「〈空也〉さんおいしいですよね〜」って会話が弾みそうです(笑)。
住所:東京都中央区銀座6-7-19
TEL:03-3571-3304
営業時間:午前10時~午後5時(土曜日〜午後4時)
定休日:日曜日、祝日
1日8000個売れるという「空也最中」。購入できるのは銀座の1店舗で店頭のみ。そのほとんどが予約で売り切れてしまうため、まず予約は必須! 繁忙期など予約の受付も終了している時があるので、予約するのも早めがおすすめ。店頭もしくは電話にて。
「空也最中」10個入り1,300円(化粧箱入り)〜。
生地がぷるんぷるんな〈木挽町よしや〉のどら焼き
2つ目は、〈木挽町よしや〉の「どら焼き」。
〈木挽町よしや〉は1922年創業。歌舞伎座裏手にあり、歌舞伎、芸能関係者をはじめ多くの人に親しまれてきた老舗です。
どら焼きは、丸く焼いた生地にあんこを包んで織り込んだ、手のひらサイズの半月型。「かわいい〜! 個包装もいいですね」と神田さん。
餡は北海道十勝産小豆を使用し、甘さ控えめ。そして朝から一枚一枚焼き上げられた皮の感触も特徴的で…?
持った瞬間、わかりました! 生地がしっとりすぎる…お肌がプルンプルンですね〜!
そして唇を添えてみたら…
触れた部分が吸着するような感触。赤ちゃんのお手手を「はむっ」てしたみたいな柔らかさとしっとりさ、そして弾力があります。
あんこの舌触りはとっても滑らか。上品な甘さです。おいしいな〜。
どら焼きの概念が変わりますね。子どものときに知らなくてよかったです。他が食べられなくなりますから(笑)。
オリジナルの焼印…!? 「神田愛花」印も作れるなんて、これは要チェックですね!
個包装なのも手土産にピッタリ。このサイズ感もかわいくていいですね。差し上げたらいろんな方に喜んでいただけそうです。
素敵な差し入れができるのは、一流の大人の身だしなみだと思っています。こちらのどら焼き、最高です。
住所:東京都中央区銀座3-12-9
TEL:03-3541-9405
営業時間:午前10時~午後3時
定休日:日曜日、祝日、土曜日不定休
生菓子のため生産量に限りがあり、昼過ぎに完売していることも多々。事前の予約か、早めの来店がおすすめ。
10個入り1,836円。
焼印のオリジナルオーダーは製作期間2〜3週間で20,000円〜。
いくらでも食べられちゃう〈富士見堂〉の甘じょっぱ煎餅
続いては〈富士見堂〉の「あんこ天米(てんべい)」。
〈富士見堂〉は1950年創業。葛飾区青砥のせんべいの名店で、〈松屋銀座〉ほか都内に数店舗構えていますが、「あんこ天米」はどの店舗でも開店間も無く売り切れてしまうと言います。
お米の粒感を残した煎餅に、甘さ控えめのさらし餡を挟んだ甘じょっぱいスイーツ。神田さんも口に入れた瞬間、「これは…!」と驚きの表情。
口に入れてまずお煎餅の塩味を感じて、そこからじんわりあんこの甘みが広がってくる。パリパリ食感も楽しいです。斬新すぎる〜。
お花のような形もかわいいですね。
海外の友人への手土産を探していたんですが、ピッタリかも。「ジャパン!」っていう感じがしていいですね。
香ばしくて、甘すぎず。これは何枚でもいけちゃうな〜。
住所:東京都中央区銀座3-6-1 松屋銀座地下1階
TEL:03-3567-1211(代表)
営業時間:午前11時~午後8時
定休日:なし
※営業時間等は施設に準ずる。
「あんこ天米」は一人30枚まで(未就学児以上)の制限がありながら、開店30分で売り切れてしまうことも。松屋銀座店では、バラ(単品)、6袋、10袋、15袋の用意あり。確実とは言えないけれど、オープンと同時に入店は必須な模様。
15枚入り3,001円。
今回いただいたあんこ菓子、全て入手困難になるのも納得のおいしさでした。
ずっとあるけど、新鮮な魅力があるあんこ菓子。私も、そんな人間でありたいなと思いました。
なかなか難しいことですよね。簡単に真似できないことをしているから、こうして銀座で愛され続けているんだなと思います。そして新しいものも次々に生まれる。
他にはない、特別なものですね。予約したり、手間をかけてでも入手して、大切な人に差し上げたいです。
「間違いない街、銀座。」次はどこに行く?
第4回は2月公開予定です。お楽しみに!