言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第107回~
ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。
photo : Yasutomo Sampei styling : Kaori Kawasaki hair&make : Miyuki Nakamura「メンタル」
早いもので、この原稿が公開される頃にはもう私は産休に入っている。丸10年勤めた会社を、育休も合わせてこんな長い期間休めるなんて! しかも「おめでとう!」と周りの人にお祝いされながら…。ありがたい&幸せ&恵まれているなあと実感する限りである。
妊娠を発表してから、これまでに何社か育児関連媒体の取材を受けた。同じように今妊娠中の方に向けたインタビュー記事の取材で、記者の方にこんな質問をされた。「働き盛りの時期に、お仕事を休むことへの不安はありませんでしたか? キャリアをいったん離れることに対して不安に思う読者も多いみたいなんです。また、周りの同僚に気を遣うなどの声も多く寄せられるのですが…」
まず、キャリアについては全く不安がないと言ったらウソになってしまうけれど、「これまで一生懸命10年も働いてきたから、別に今ここで私が休もうと、その事実は揺らがない」という強いメンタルを持っていたいと思っている。平たく言うと、「もう休んでもいいっしょ」ということだ(笑)。自信過多と言われればそうなのかもしれないけれど、これまでの社会人生活を頑張ってきたという自負があることは隠すことではない。そうそう、私これまで頑張ったもん。
そう考えるとこのタイミングでの妊娠・出産は、私にとってはベストだったのかもしれないと思ったりもする。もっと若い頃だったら、今以上に「やりきったぜ!」とは思えなかっただろうし、「今仕事を抜けたら、どうなるだろう…」と不安な気持ちがあるのが当然な気もする(とはいえ、いつのタイミングで仕事に精を出すかってことは自分たちで決めていいと思うから、一概に20代はガムシャラに仕事をして過ごせと言いたいわけではない)。幸いなことに私は仕事に集中したい時期と、プライベートのイベントのタイミングがちょうどよく一致して、自分の気持ちを切り替えることが出来そうということだ。
もしタイミングが合わなかったとしても、こう考えていたと思う。産休・育休は与えられた権利だし、こういった制度を利用したいから「会社」という組織に属することを選んでいたわけで、また復帰した時に頑張ればいいや、人生長いし、と。
周りの同僚に対しての気遣いという意味では、私も最初は「私が休んだら番組はどうなるかな…」と心配に思う気持ちもあった。けれども、正直そんなの考えたってしょうがないという結論に至った。ドライな言い方をすれば、女性を起用している時点で管理職やマネジメント側がその可能性を含めて考えておくべきだし、人材配置や調整が彼らの仕事。私はプレーヤーとしてやるべきことを全うするのが役割なので、「仕事を増やしてすみません」と思ってはいるけれど…申し訳なさは感じる必要はないのでは、と思う(チームに人が足りなくなって大変な状況になっているんだとしたら、それは人員を捌けていない組織・管理職が悪いと考えていいと思う)。
正直メンタルでは無敵の産休入りだ。体は日々重くなり、言うことを聞かないけれど…。母は強し、とよく言うが、産む前からそれは始まっているのかもしれない。
【弘中のひとりごと】
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