「とりあえず帰ってきてください」| 弘中綾香の「純度100%」～第117回～

先輩たちから来る来るとは聞いていたけれど、やっぱり来た。いわゆる「保育園の洗礼」ってやつ。想像以上のダメージを受けました。ちょうど前回の原稿を書き終えて、ふぅと一息ついたときに保育園から娘が発熱したとの電話。あー、神様見ているんだなと思いました。やっぱり何か欲張っちゃダメなんだと。別に逆上がりが出来なくたって、跳び箱が飛べなくたっていいじゃないか。健康ならば。元気ならば。生きているだけで。このあとやってくる予想以上の大変な看病生活の中で、何度も心の中で反省する私。今はもうとにかく元気に毎日過ごしてくれれば、その他のものは何も求めません。
保育園からの呼び出しコールを受けてそのまま小児科へ行くと、ＲＳウイルスとの診断を受ける。このＲＳウイルス、症状は風邪そのものなんだけれども、気管支に悪さをするウイルスで呼吸がしづらくなり、酸素の値が低くなると入院してしまう場合も。今まで聞いたことも無かった名前だけれど、どのお母さんに言っても「あ～、うちの子もやった～。」と言われるママパパ界では知名度１００パーセントのコイツ。ワクチンでもあればいいんだけれども、対処療法しかなく、おまけに感染力も強い。もちろん保育園はお休み。薬を飲んでゆっくり過ごして、回復を待つしかない。先生曰く一週間で良くなればいい方とのこと。えっと、、、保育園行けないってことは、私がつきっきりで、、、えっと、、予定、、、頭が真っ白になる。仕事もあるし、約束もあるし、、、いや、そんなこと言っている場合ではない。とにかく看病しなければ。いや、でも、仕事どうしよう。頭の中は色んなことがグルグルグル。

そんなことにはお構いなしに、どんどん我が子はグズグズと不機嫌になっていく。いつもなら腹ばいの姿勢でキャッキャおもちゃで遊んでいるのに、遊ぶ気力もなくぐったりと抱っこから離れようとしない。いつものニコニコ笑顔もどこへやら。大好きな「しなぷしゅ」をぼんやり見るのがやっとという感じ。今まで特に風邪らしい風邪もかかったことがなかったので、しんどそうな娘を見るだけでもう胸が苦しくていっぱいいっぱい。看病生活を振り返ると、とにかくそれが辛かった。かわいそうで。代わってあげられるものなら代わってあげたい。まさしくその言葉に尽きる。（とにかく自分ファーストで生きてきた私にこんなことを思う日が来るのか、と思った。）

実務的なことで大変だったのは、①熱が上がったり症状が悪化するのが、何故か深夜でで心労でパニックになりそうになる点②休めない仕事のときに娘をどうするか問題③結局のところ自分も体調を崩し、共倒れ状態になるの三点。①は一人だと「どうしよう」と心が潰されそうになるので、誰かに隣にいてもらうことが一番。（とりあえず奥さんから「子どもが熱」と連絡が来たら、何も出来ないと思うけど家に帰ってください。　何も出来ないと思うけどね。帰ってこないよりはマシ。帰ってこないはあり得ないです。）もしくは、これは本当に自分たちじゃ判断つかないという時は「＃８０００」救急電話相談にかけて、判断を仰ぐのが一番。夜間救急の病院も教えてくれる。②感染症だとシッターさんに来てもらえないというのが盲点だった。身内でどうにかシフトを組めるように早め早めの連絡体制を作っておくことが大事。③娘が峠を越したくらいからドッと自分の体調が悪くなり、病院に行きたいけど娘を連れては行けないし…という状況になった。かねてより登録していた病児保育室を運よく利用出来て、どうにかなった（とはいえ全然良くならず、体調不良で仕事を休んでしまった）けれども、何事もちゃんと調べて、先手を打っておくのが大事だなと痛感。幸いにも娘はちょうど一週間で無事に回復し大事には至らなかったけれど、とってもとっても疲れた。同じように洗礼を浴びている全国の皆さま。頑張りましょうね。

【弘中のひとりごと】
鼻水吸い取り機に加えて、我が家に吸入器が導入されました！ モノが増えますねぇ。

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