言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ！ 言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ！ 弘中綾香の「純度100%」～第98回～

｢Chat GPT」

最近よく耳にする「Chat GPT」。詳しいところまでは分からないけれど、要するにAIが何でもこちらの質問に答えてくれる魔法のような検索箱と認識している。今後は、今晩のおかずを決めたい時に「キャベツ　レシピ　大量」など単語で検索して出てきたページを一つずつチェックしていく必要はなくなる。テキストで「キャベツひと玉を無駄なく使う夕飯のメニューなにかある？　ほかに卵とにんじんもある」と打ち込めば、「3つ候補があります。その①…」とAIが答えてくれる。まるで画面の向こうで誰かが打ち込んでいるかのように。

このサービスが普及することによって、今まで人が行っていた色んな作業の時間が短縮化されるとか、今存在している職業が集約されてこの先要らなくなるものが出てくるとか、読書感想文から夏休みの日記まで全部やってもらえるなんて、色んなメリット・デメリットが挙げられている。様々に耳に入ってきたことをまとめると（何だかよく分からないけど）そろそろ本当にドラえもんが登場する未来が近くまで来ているのだろうという着地になる。もちろんワクワクする気持ちもあるけれど、この先の時代の流れについていけるかが不安で、すごい世の中になったもんだと年を取った気分になる。

このChat GPT、私は一度だけ使ってみたことがある。友達同士で話題に上った時に、どんな質問がいいだろうと考えて、とりあえず「大谷翔平選手と結婚できますか？」とテキスト入力してみた。少しばかりの間（ま）の後に「不可能です」と様々な理由と共に返答が来たので、その場の女子は全員ブーイング。そんな夢のない解答は求めてないという話になった。その一方で、Chat GPTの体験談として、覚えたい単語が10個あった時に、それを打ち込んで、「この単語10個をもれなく含んだ物語を考えてくれ」ってお願いしたら、完璧な例文が返って来たよという友人もいた。いや、本当にモノは使いよう。同じサービスでも分かりきったようなことを聞く人もいれば、実用的にしっかり使いこなす人もいる。自分が前者であることが何だか少し悲しくなる。

笑い話になるかと思いきや、この話は意外と芯を食ったものらしく、結局このChat GPTを使いこなす「質問スキル」が必要だよね、という話に早くも海外ではなっているらしい。無限の可能性を秘めているサービスだけれども、結局こちらのしてほしいことが十分に伝わるように質問をするスキルがないとAIも力を発揮できない。だから、具体的に欲しい解をイメージして質問を作る。ここでハッと思ったのだが、私が普段やっている仕事も似たようなものなのである。事前のアンケートや取材で出てきたエピソードを、本番でいかに上手に聞き出すか。話してほしいことへどう誘導するか、にいつも頭を使っている。例えば『激レアさん』。このエピソードをここで話してもらわないと、この先であのパネルと結びつかないとか、リハでこのエピソード面白かったから言わせたいけど、どうやって聞こうかなど、様々ある言ってほしいことを会話の流れで自然に引き出せるように考える。分かりやすいように少し説明も織り交ぜながら、しかし、核心なところは相手に言ってもらうように。

あらかじめ解答が分かっているのと、分からずに質問するのとではもちろん難度に差があるけれども、質問力が問われるということでは同じであるような気がする。だとすれば、前述した質問はどうすれば良かったのだろうか。もちろん大谷選手との結婚が不可能にかぎりなく近いのは分かっているけれども、その辺はぼんやりとさせた上で、具体的にどのように聞けばいいのか教えてほしい。日本中の女性がハッピーになる答えを得るために。

【弘中のひとりごと】
結局ここ１０年くらい同じ髪型をしている気がします…さすが慎重派…。

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