2021年、名だたる神社が多い【奈良】で祈る。日本最古の神社〈石上神宮〉と〈大神神社〉へ。
2020.12.30

神が降り立つ地へ。 2021年、名だたる神社が多い【奈良】で祈る。日本最古の神社〈石上神宮〉と〈大神神社〉へ。

今回は奈良県の〈石上神宮〉と〈大神神社〉を訪れました。12月28日(月)発売 Hanako1192号「幸せをよぶ、神社とお寺。」よりお届け。
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1.ピンチをチャンスに変える御祭神の神剣に祈る古社。〈石上神宮〉

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布留山の中腹に、森へ誘うように佇む石上神宮。大鳥居をくぐってまず目を奪われるのは、樹齢400年を超える神杉の姿だ。万葉集に「石上 布留の神杉 神びにし われやさらさら 恋に逢ひける」と歌われた神杉は千数百年の時を経て、なお当時を偲ばせる光景をもたらす。屋根の葺き替えを終え、美しい松皮の楼門は文保2(1318)年の建立。歩を進めれば、白河天皇が永保元(1081)年に寄進した、現存する最古の拝殿が現れる。その奥には布留社と記した石の瑞垣が囲む禁足地。名だたる神社が多い奈良にあって少し控えめな存在ながら、そこここに歴史の面影を残すこの古社は崇神天皇7年に建立されたもの。記紀にその名が記されていることから、日本最古の神社のひとつとされている。

禁足地の地中深くにあるとされ、伝説ともいわれた神剣・韴霊をはじめ、鎮魂にかかわる天璽十種瑞宝、素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した天十握剣という3つの御神体は明治7(1874)年に発掘。創建より2000年の時を経てはじめて本殿が建てられ、そこに安置されることとなった歴史を持つ。拝殿の脇から見ることのできる禁足地がもっとも神聖な場所とされるのは、御神体が創建以来ほとんどの時をそこで過ごしてきたから。それは歴史を感じさせる聖なる場所。神剣・韴霊は神武東征の際に熊野で難に陥った神武天皇を救い、生き返らせたことから起死回生や病気平癒、健康長寿の信仰を広く集める。ウイルスと戦った2020年を断ち切るべく、静かに祈りを捧げたい。

〈石上神宮〉

武門の棟梁たる物部氏の総氏神として信仰を集める。御祭神の布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)は神剣・韴霊に宿る霊威。神宝の七支刀(しちしとう)や拝殿など3つの国宝を有する。2021年2月から約1年、拝殿屋根の葺き替え予定。
■奈良県天理市布留町384
■0743-62-0900
■6:00~17:00(授与所9:00~17:00、冬季~16:30)

2.御神体の三輪山を拝む、古代信仰を今に伝える。〈大神神社〉

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登拝口でのお祓いはコロナ禍の現在、御幣の代わりに人形を使って行う。
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狭井神社の境内に位置する薬井戸。御神水は汲んで持ち帰ることも可能だ。その場で飲むための使い捨ての紙コップが用意されており、神社にも新しい生活様式が導入されている。
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狭井神社へ向かう参道は両脇に薬木・薬草が植えられた「くすり道」となっている。
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神体山の美しい形は神々しく見とれるお姿

古来、日本では万物に神が宿り、八百万の神がいると信じられてきた。自然を敬い、共に生きるなかで培われてきたのが神道。山そのものを御神体とする大神神社には、本殿を持たない自然信仰が今に受け継がれている。創祀の由来は御祭神の大物主大神が出雲・大国主神の前に現れ、国造りの成就には「吾をば倭の青垣、東の山の上にいつきまつれ」と三輪山に鎮まることを望んだというもの。記紀にその伝承が記されていることは御祭神の神格の高さをものがたり、日本最古級の神社の証でもある。こうして三輪山に鎮座した大物主大神は、国造りの神であると同時にあらゆる人間生活の守護神でもあり、とりわけ医薬や酒造り、厄除け、方位除けにおいて広く信仰を集めている。拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して参拝するのはもちろん、明治に入って許された神体山に入っての登拝も一度は体験してみたいもの。登拝口は大物主大神の荒魂を祀る、境内摂社・狭さ井い 神社の境内。正装を身にまとう代わりにタスキ型の参拝証を掛け、人形で左肩・右肩・左肩と撫でてお祓いを済ませたらいよいよお山へと向かう。往復4kmほどの道のりで、頂上付近の奥津磐座を目指すのだ。大切なことはあくまでも参拝という気持ちを忘れないこと。険しい道でも騒がず静かに。参拝を終えて戻ってくる頃には、清々しい気持ちで満たされているに違いない。心地よい疲れを癒すのは境内に湧く薬井戸の御神水。万病に効くという薬水を飲んで、心までも潤したい。

〈大神神社〉

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拝殿は4代将軍・徳川家綱により再建された国の重要文化財。大鳥居は昭和天皇御親拝と在位60年を記念して1984年に建立されたもの。現在、登拝の受付時間が短くなっているので注意を。
■奈良県桜井市三輪1422
■0744-42-6633
■授与所9:00~17:00(12~2月は~16:30)登拝受付9:00~12:00
■登拝料300円※入山禁止日もあり

(Hanako1192号掲載/photo : Yoshiko Watanabe text : Mako Yamato)

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