京都の魅力再発見。 【京都】おさえておきたい大定番の神社仏閣5選!モデル・本山順子が巡るおすすめスポット。 TRAVEL 2020.12.04

日本の古都・京都には、無数の神社仏閣が存在します。それぞれに歴史があり、見どころも盛りだくさん。そこで今回は、京都巡りに欠かせない、大定番の神社仏閣をご紹介します。モデル・本山順子が神社仏閣、教会や寺院を国内外問わずご紹介する連載よりお届けします。

1.時代を経て語り継がれる文化に魅了される、世界遺産〈銀閣寺〉

お土産屋さんが立ち並ぶ緩やかな坂道をしばらく進むと、〈銀閣寺〉の総門が見えてきます。〈銀閣寺〉は鎌倉編で訪れた〈報国寺〉と同じ臨済宗ですが、〈報国寺〉は建長寺派で、〈銀閣寺〉は相国寺派。臨済宗は他にもたくさんの派閥があり、禅宗の1つとして知られています。総門を抜けると立派な「銀閣寺垣」がおよそ50mに渡り続いています。幾重にも重なった椿や竹、樫の生垣から四季の風情が感じられ、とても趣ある参道。心がシンと静まっていくのが感じ取れます。

〈銀閣寺〉は当時女禁制であった”苔寺”としても有名な〈西方寺〉を模して造られているそうで、足利義政が「どうしても母に見せたい」という一心で、自ら作庭指導をしたのだとか。侘び寂びの美しさを世に広めた「東山文化」。時代が移り変わっても、その心を感じ取れるとても良い参拝となりました。茶道や華道、建築などの文化を愛し、手厚く支援したことで知られる足利義政は「観音殿」の完成を見ずに亡くなりました。その命が尽きるまで全身全霊を注いだ庭園は、これからも訪れる人たちの心を魅了し続けるでしょう。

2.世界最大の木造建築、御影堂は圧巻!浄土真宗「真宗大谷派」の本山〈東本願寺〉

京都駅から徒歩7分のところにドドン!と現れる御影堂門。これは気にならずにはいられません!手前に停まっているタクシーと比較していただければその大きさがお判りいただけると思うのですが、とにかくすんごい迫力なんです。御影堂門をくぐる前に周辺を散策してみると、〈東本願寺〉の塀の側には「法語行灯」という気になるものを発見。これがまた読みながら歩いていると全部読破したくなってしまうほど一つ一つが考えさせられるようなありがたいお言葉ばかり!

〈東本願寺〉は江戸時代に4度の火災にあっており現在の建物は明治時代のものですが、2008年に御影堂は大規模修復が行われています。その総工費はなんと98億円!瓦の総数は175,967枚という途方もない数です。そのうちの三割は再利用された瓦が用いられています。御影堂に向かって左側の阿弥陀堂には、御本尊である阿弥陀如来さまが安置されています。実はこちらが本堂なんです。建物の大きさ的には御影堂の半分ほどしかありませんが、それでもかなりの大きさ!御影堂と阿弥陀堂の堂内には絢爛豪華な彫刻や装飾が施されており、こちらも必見です。

境内をぐるりと見渡すと、鐘楼の先には〈京都タワー〉が!〈増上寺〉と〈東京タワー〉のように、時代のコントラストがとても不思議な気分へ誘ってくれます。いつか〈京都タワー〉からの〈東本願寺〉も眺めてみたいものです。

3.癒し空間でいただくお茶スポットも必見!静かに佇む〈三千院〉

京都市街地からバスを乗り継ぎ1時間、15分ほど新緑の美しい山道を登ったところに、静かに佇む〈三千院〉。ちょっとしたハイキングののち、目に飛び込んできたのはまるで城壁のような石垣。それもそのはず、こちらの石垣は築城で名高い安土桃山時代に活躍した石垣職人である”穴太衆”が築いたものなのだそう。重厚感のある御殿門をくぐり受付を済ませ大玄関へと進みます。客殿へ入り中書院を回ると、宸殿から庭園に抜けるのですが、目の前には池泉回遊式庭園である「有清園」が広がります。ここは極楽浄土かと見まごうような静かで穏やかな空気が庭園を包み込み、そっと心が解きほぐされていくのがわかります。

国宝「阿弥陀三尊像」の金色のお姿にただただ圧倒されつつ、手を合わせると、不思議と気持ちがシン…と静まるような慈悲深さを湛えていらっしゃいます。現在、肉眼ではなかなか見ることが難しいのですが、当時の堂内の天井には極楽浄土に舞う天女や菩薩様の姿が極彩色で描かれていたそうで、いかにこのお堂が大切にされていたのかが見てとれます。天井画は復元されてものを展示室で拝見することができますよ〜!こちらも必見です。

今回ご紹介させていただいたのは、〈三千院〉の境内の半分程。有清園の先には「あじさい苑」「金色不動明堂」「観音堂」へと、道はまだまだ続きます。また、秋の〈三千院〉は紅葉の名所でもあります。喧騒から離れ思い切り心身を癒しに”しずかな、京都”へ足を運んでみてはいかがでしょうか?それではみなさまも良い参拝を〜!

4.自分の人生をそっと見つめ直す。尼寺〈寂光院〉

〈三千院〉から徒歩30分ほどのところにある〈寂光院〉にお邪魔してまいりました。どこか懐かしさを覚える山道をしばらく進むと、静かに佇む〈寂光院〉が現れます。〈三千院〉から一度バス停まで下り、〈寂光院〉まではだだっ広い草原をのんびりお散歩気分で歩いて行きます。道のいたるところに「大原女の小径」という看板が立っており、可愛らしい石像さんが道案内してくださいますよ〜。

〈寂光院〉の草創については明確なことがわかっていないそうですが、寺伝では推古天皇2年、594年とも伝わっているのだそう。途轍もない古いお寺なんですね〜!それもそのはず、なんと開基は聖徳太子!父である用明天皇の菩提のために開創したと伝わっているのだとか。そして、この連載では初めて訪れる”尼寺”なんです!本堂の中は撮影できないため写真はありませんが、女性の住職さんがお寺の成り立ちを丁寧に説明してくださりました。

とても悲しいことに、ここ〈寂光院〉は2000年に放火のため本堂と、国の重要文化財であった御本尊「六万体地蔵菩薩」を焼失してしまいました。ですが、小松前住職の「すべて元の通り」の言葉通り、入念な調査の元5年の歳月を経て再建されました。新しい御本尊を拝ませていただきましたが、白く透き通るような穏やかなご尊顔でした。前住職は本堂の完成を見ることなくお亡くなりになられました。

境内には諸行無常の鐘が懸かっています。『平家物語』のテーマでもある”諸行無常”がシンと心に響きわたるような〈寂光院〉。今までの人生をそっと見つめる時間が流れる素晴らしい参拝となりました。

5.清らかな空間に、身も心も癒される。水の神様を祀る〈貴船神社〉

京都市街から電車やバスを乗り継いでおよそ1時間半。前日は元祖・川床発祥の老舗料理旅館〈貴船ふじや〉にて宿泊をし、川床で涼みながら山の幸に舌鼓。その〈貴船ふじや〉の目の前に〈貴船神社〉の鳥居があります。灯篭に火が灯って、夜の参道もとっても風情があります。〈貴船神社〉は伊邪那美命(イザナミ)の子どもである「高龗神(たかおかみのかみ)」が御祭神。水を司る神様です。

他の神社ではあまり見かけない場所にしめ縄を見つけました。石垣からこんこんと湧き出る御神水が葉っぱを伝い滴り落ちて、なんとも涼しげな音を奏でています。そして御神水におみくじを浮かべて占う「水占みくじ」。水におみくじを浮かべると…あら不思議!文字が浮かび上がってきます。水を司る神様を祀られている〈貴船神社〉ならではですね〜。御神水で占っていただけるなんて、なんだか贅沢な気持ちになります。また、〈貴船神社〉は”絵馬発祥の地”とも言われており、降雨を祈願する際には「黒馬」、止雨を祈願する際には「白馬」または「赤馬」を奉納していました。ですが平安時代に簡素化され、板に馬の絵を描いた「板立馬」を奉納するようになり、これが絵馬の原型になったのだそう。

そして、ここ〈貴船神社〉にきたら絶対にいただいてほしいのが「御神水ラムネ」。言わずもがな、あの御神水で作られたラムネなんです。貴船がいくら涼しいとは言っても真夏!火照ったカラダにシュワーッと水々しいラムネが染み渡り、生き返りました。

(photo&text:Junko Motoyama)

モデル・本山順子が全国の神社仏閣をナビゲート!連載『本山順子の迷子のお守り。』

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モデル・本山順子が神社仏閣、教会や寺院を国内外問わずご紹介する本連載。神社仏閣や教会の建築物の美しさや成り立ち、歴史を知ることにより、街歩きがより一層楽しいものになるはず。そんな街歩きにそっと寄り添う、お守りのようなコラムを届け。
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