カカオ豆は想像以上に奥深い! 知ったら、100倍美味しくなる!「チョコレート×ウイスキー」の持つ可能性。 LEARN 2019.03.22

一言で“チョコレート”といっても、その奥深さは計り知れません。カカオ豆や製造方法にこだわるだけで、香りや味がガラリと変化するチョコレートはまさに魔法のようなもの。そんなチョコレートの新しい世界を探るべく〈Miniamal Bean to Bar Chocolate〉と〈東京ウイスキーライブラリ―〉が開催したペアリングセミナーに参加してきました。

〈Miniamal Bean to Bar chocolate〉の、特別なこだわりとは。

代表取締役社長の山下貴嗣さん。
代表取締役社長の山下貴嗣さん。

〈Minimal Bean to Bar Chocolate〉は「チョコレートを新しくする」というビジョンのもと、カカオ豆の仕入れ・加工・製造・販売までを一貫して行うスタイルが特徴。各工程を分けることが一般的であった日本のチョコレート業界において、Minimalは”Bean to Barの先駆け”として、大きな話題を呼びました。

会社設立当初、チョコレートづくりの経験がなかった代表の山下さんは、「より多くの人にこのチョコレートの存在を知ってほしい」という一心で、これまで走り抜けてきたのだそう。

製造やカカオ豆の種類によって、さまざまな風味に変化。
製造やカカオ豆の種類によって、さまざまな風味に変化。

これまで常識だった「美味しいチョコレートを作るために、良いカカオを手に入れる」ではなく、「美味しいカカオを表現するために、チョコレートという手段を選ぶこと」に取り組んでいる山下さん。現在でも、スタッフと意見を出し合いながら日々試作を重ねています。

何度も試作と試食を重ねるうちに、チョコレート好きなスタッフたちにも必ず一度はもう食べられない…という瞬間があるのだとか。しかし、これほどまでにチョコレートの可能性を突き詰めているからこそ、〈Minimal〉でしか作れない特別なチョコレートが完成しているのです。

原材料は同じでも、使用するカカオの豆や製造方法によって完成したチョコレートのフレーバーはさまざま。現在、秘伝のフレーバーノートには「バナナ」や「ブルーベリー」をはじめ、68種類のフレーバーが記載されています。

山下さんが撮影した、カカオ豆が生った木。
山下さんが撮影した、カカオ豆が生った木。

また、新しいチョコレートづくりのために、カカオ農家との関係を新構築することにも重要だと感じていた山下さん。ニカラグアやベトナムなどのカカオ生産国の農園を訪ね歩いた際に、実際にその場でチョコレートを試作して食べてもらった経験もあるのだとか。

「現地の方たちは、なんのために自分が栽培したカカオ豆を出荷しているのか知らないケースも多くて…。簡易的な方法ですが、その場でカカオと砂糖を調合して食べてもらって美味しさを知ってもらいました。初めてチョコレートを食べた瞬間の生産者の方たちの表情は、今でも忘れられないですね」と当時を振り返りながら語ってくださいました。

いよいよ、Miniamal chocolateのテイスティングタイム!

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〈Minimal Bean to Bar Chocolate〉のビジョンや、カカオ豆のことを勉強して、いよいよテイスティングスタート!

用意されたのは5種類のチョコレート。山下さんから教えていただいた“チョコレートのザクザク感”と“風味の違い”に着目しながら、食べ比べていきます。

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1番目の「’Arhuaco」は、粗挽のためザクザク食感が特徴。まるでチョコレートビスケットを食べているかのような香ばしさに驚きました。

2番目の「SEASONAL」は同じ粗挽ですが、風味が全く異なります。鼻からふわりと杏や柑橘系の果物に近い甘酸っぱい香りが抜けるため、非常に食べやすくフルーツを食べているかのような感覚でした。

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3番目の「SAVORY」はスパイス風味が聞いた清涼感のある大人の味。ハーブ系の香りと中挽の口当たりの良さが癖になります。最も、チョコレートらしさがあるのは4番目の「CLASSIC」。キウイやブルーベリーのような上質な酸味とカカオ豆の甘さを同時に楽しめるのが魅力です。

そして、今回のテイスティングで最も驚いたのは、カカオ80%使用の「HIGI CACAO」。ビターチョコレートの持つ独特の渋みに苦手意識のあった筆者ですが、今まで食べたことのない濃厚なカカオの甘さに驚きました。

山下さんに伺ったところ、甘さと美味しさの秘密はカカオ豆の油にあるのだとか。通常のビターチョコレートは発酵乾燥段階で渋みが残ったり、製造の段階で苦みが生じてしまうのに対し、「HIGI CACAO」は上質なカカオ豆の油で風味を出しているため、高いカカオ濃度ゆえの甘みや深煎の香ばしさを感じられるとのこと。

同じカカオ濃度でも、使用するカカオと製造過程でここまで差が出るとは衝撃です…!

ウイスキー×チョコレートの可能性は無限大。ペアリングスタート!

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世界各国のウイスキーが1,000本以上並ぶ、〈TOKYO Whisky LIbrary〉。

次は、チョコレートとのペアリングを楽しんでいきます。

左から、「THE CLASSIC LADDIE」「PORT CHARLOTTE」「OCTOMORE」「REMY MARTIN」。
左から、「THE CLASSIC LADDIE」「PORT CHARLOTTE」「OCTOMORE」「REMY MARTIN」。

ペアリングタイムに用意されたのは、3種類のチョコレートと4種類のウイスキー。ウイスキーを少しずつ口に含みながら、風味を確かめていきます。

「これと、これ合うよ」「この組み合わせは、風味同士がケンカしちゃうね」など、参加者からのさまざまな感想が飛び交います。

チョコレートは、「メイカーズマーク」「マッカラン」「ボウモア」の3種類。
チョコレートは、「メイカーズマーク」「マッカラン」「ボウモア」の3種類。

個人的にベストマッチだったのは、ポートシャーロット×マッカランの組み合わせ。ポートシャーロットの持つスモーキーでパンチの効いた味わいと、カカオ濃度80%という芳香さがたまりません…!

今回のセミナーを通して、チョコレートへの認識が大きく変わりました。ぜひ皆さんも、ウイスキーとのペアリングで新しいチョコレートの楽しみ方を楽しんでみてくださいね。

〈TOKYO Whisky Library〉
■場所:東京都港区南青山5-5-24 南青山サンタキアラ教会2階
■営業時間:18:00〜27:00(26:00LO)、土15:00〜日・祝日最終日15:00〜24:00(23:00LO)

〈Minimal Bean to Bar Chocolate 富士谷本店〉
■住所:東京都渋谷区富ヶ谷2-1-9
■営業時間:11:30~19:00
〈Minimal Bean to Bar Chocolate〉公式サイト

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