新潟の発酵食と伝統文化を堪能できる温泉宿〈里山十帖〉の旅。~前編~
2019.03.05

茶事・陶芸・書道の古き良き文化に触れる。 新潟の発酵食と伝統文化を堪能できる温泉宿〈里山十帖〉の旅。~前編~

日本百名山の巻機山や上信越の山々を望む絶景露天風呂が魅力の宿〈里山十帖〉では、今年で三度目になる雪中茶会が2月24日に開かれました。自然豊かな里山で“茶事・陶芸・書道”の日本の古き良き伝統文化にも触れることができましたので、ぜひご覧ください。

高橋聖子 / フリーライター

「全国各地の器を巡るのが夢で、旅と食と工芸に関することを発信するのが好き。モットーはワクワクを大切生きること。」

高橋聖子
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア

最寄りは新潟県のJR大沢駅。

東京駅から新幹線で1時間40分という近さにある大沢駅。東京では見ることができない大自然のパノラマが広がっていました。ホテルまでは、駅からの送迎バスを使って向かいます。

築後150年の古民家を利用した〈里山十帖〉へ到着。

2014年5月にオープンした〈里山十帖〉は、テーマの異なる13の客室、レストラン 〈Organic&Creation早苗饗〉、ライフスタイルショップ〈THEMA〉を併設するほか、周囲の大自然を活用してあらゆる形の企画を展開し“体験”と“発見”ができる、リアルメディアの宿です。

玄関では夕食に出される山鳥をはじめ、大地の恵みをお披露目。命の尊さや、この時期に採れる旬の野菜などを直に学ぶことができます。食材は雪室(ゆきむろ)で保管しているそう。さすが雪国ならではの方法!

自然薯ってこんなに細長くてクネクネしていたんだと発見。

こちらは自然薯。名前や食べたことがあっても、どんな形なのかまで知っている人は少ないですよね。実際に見て触れることで、大きさや形などの知識も増え、自然と食への関心も高くなります。

右奥が受付。

レセプション棟は、築後150年の総欅と総漆塗りでできていて、高さも10m近くある、圧巻の吹き抜けになっています。左奥の階段を上がると、宿泊者専用のラウンジがあります。

手前は、イームズのコーヒーテーブル。

国内外の有名な家具が置かれていて、センスのいい空間が広がっています。ラウンジでは、チェックインからチェックアウトまでの間、自由にコーヒーやハーブティー、スナックなどが無料で楽しめます。

ロビー前には、ベルギー製の薪ストーブも。おしゃれなフィンユールのペリカンチェアと共にくつろげるスペースになっています。

今回は、この陶器でできた人形に祈りを込めて燃やすそう。

チェックインしたあとは、本日の雪中茶会のテーマ「賽醸茶事」についての説明から。

小正月に行われる「どんど焼き」を新潟では「賽の神」を呼び、正月飾りや書き初めなどを燃やすことで家内安全、五穀豊穣や商売繁盛などを願います。
〈里山十帖〉の今年で三年目を迎える雪中茶会は、その「賽の神」と茶事、陶芸、書道など古き良き文化に敬意を評し、新たな時代の文化を醸す祈りを込めた「賽醸茶事」をテーマにしたイベントという趣旨の説明を受けました。

ひとまず一服から。

デニムの和装と斬新な松村氏。

まずはウェルカムドリンクならぬ、ウェルカムティーで休憩。お茶を点てくれたのは、茶人・松村宗亮氏のお弟子さんたち。松村さんは、「茶の湯をもっと自由に!もっと愉しく!」をコンセプトに、2009年から横浜関内にて茶道教室SHUHALLY(守破離)を主宰。全国の百貨店やギャラリー、海外や首相公邸から招かれ多数の茶会も開催している革新的な茶人さんです。

茶碗は、陶芸家・金理有さんの作品。

先生の「作法など気にせず、お楽しみください。」という一声で、構えずに茶事に触れることができました。薄茶は、京都宇治の無農薬抹茶を使用しているそうで、自然の苦味も感じましたが、飲みやすく一安心!

ごちそうさまでした。

客室のある宿泊棟へ。

ウェルカムティーで一息ついたところで、部屋へ案内していただきました。今回宿泊した304号室は、「女性グループがわいわいできる部屋。」がテーマだとか。シングルが3つ入っているのですが、希望があれば4つまで入れることができるほど広く、床に寝そべってもおしゃべりが楽しめるように畳になっているんだとか。床でゴロゴロできるのは嬉しいですよね。

3階から見下ろした景色。

お部屋のテラスから見渡せる景色は、見渡す限り森と山しかありません!自然のリラクゼーションをたっぷりと感じられる眺めです。他には、客室露天風呂がついているお部屋もあるそう。

イベント会場、甘味処。

越後の門出和紙を使用。

1階のラウンジhito-bitoでは、冬の甘味をいただきながら、書道家万美さんのパフォーマンスを間近で拝見。万美さんはHIP HOPカルチャーのひとつ、グラフィティを書道と同じ視覚的言語芸術と捉えた“Calligraf2ity”を確立した若手女流書家です。普段なかなか書道に触れる機会が少ないせいか、客人の皆さんも興味津々!道具や書き方についての質問が飛び交っていました。

新潟の伝統野菜“かぐらなんばん”!

冬の甘味コーナーには、ピリッと辛味が効いた伝統野菜を使用した「かぐらなんばんのケーキ」、新潟で採れたさつまいもを使った「金柑とさつまいも」や、ふきのとうのスコーンなど、旬の野菜やフルーツを使ったヘルシーなスイーツが並んでいました。

イベント会場・かまくらBAR。

雪の壁にある小さな穴はキャンドルを灯すためのもの。

冬の甘味と紅茶で体を温めたあとは、かまくらBARへ。都会では見られない一面銀世界の道路!雪壁の高さは、2m以上ありましたが、今年はこれでも少ないそう!

日本酒が堪能できるかまくらBAR前へ到着。

中では、陶芸家・金理有さんが客人をおまちかね。金さんは、2011年横浜トリエンナーレへの出品をはじめ、数々の個展やグループ展で活躍する気鋭の若手作家です。ウェルカムドリンクとして先ほどいただいた薄茶の茶碗も金さんの作品です。

日本酒「巻機」は甘くて飲みやすかった。

この日のために作られたお猪口は、なんと完成したのが2日前。ようやくイメージ通りの物が焼きあがったというお猪口は、キラキラと輝く透明な輪郭が外側と中底にあり、雪の結晶をイメージし作陶されたそう。雪の多いこの地にぴったりなお猪口で、新潟の地酒を6種類ほど飲み比べしちゃいました。

ディナーの前に絶景露天風呂へ。

日本百名山の巻機山から上信越の山々を一望。

夜のイベントに備えるため、夕飯前に絶景露天風呂へ。15時~翌日朝10時までと夜中も入浴可能な露天風呂ですが、夕方前の明るい時間帯も押さえておきたいところ!

晴れている日は、こんなに美しい絶景を眺めながら入浴できちゃうんです。何度でも入りたくなる露天風呂は、夜の21:40~22:00の間に男性側と女性側の入浴場を入れ替えるので、お忘れなく。

後編では、いよいよ雪国が誇る発酵食文化を表現したオーガニック料理と雪上ステージ里山十帖の「賽の神」まつりをお届けします!


〈里山十帖〉概要
■新潟県南魚沼市大沢1209-6
■025-783-6777
■JR大沢駅から無料送迎バスあり
■公式サイトはこちら

高橋聖子

周りに灯りがほぼないため、夜の入浴は満天の星空とお月さまの下で楽しめます!まさにリアル月光浴!!

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア
TOPに戻る