持続可能な珈琲文化と社会を紡ぐ 毎日美味しいコーヒーと食パン!“100年先も続く店”を目指す、〈小川珈琲 堺町錦店〉がオープン LEARN 2022.02.10

1952年の創業以来70年、“京都の珈琲職人”としてこだわりのコーヒーを提供し続けてきた〈小川珈琲〉。2020年8月に桜新町の旗艦店〈OGAWA COFFEE LABORATORY〉、2021年7月に下北沢〈OGAWA COFFEE LABORATORY 下北沢〉と話題の店を続々とオープンした。「これからのあるべき姿を体現する場所」として、創業の地である京都でスタートする〈小川珈琲 堺町錦店〉の思いとは。

喫茶店文化を象徴するネルドリップで提供される、エシカルなコーヒー

〈小川珈琲〉がいち早くオーガニックコーヒーへの取り組みを始めたのは、地球環境を守り、持続可能な仕組みを作ることで豊かな日本の珈琲文化を未来に残すため。〈小川珈琲 堺町錦店〉は、これまでのコーヒーを通じたサステナブルな活動をさらに推進していくための新たな拠点となる。しかし、飲む側がそれを特別に意識させられることはない。“一杯のコーヒーからできること”をテーマに、あくまでも“普通に飲んでもらう美味しいコーヒー”が、エシカルなものであったらいいなという思いが詰まっている。

提供されるコーヒーは「GRANCA(グランカ)」の名を冠する8種のエシカルコーヒーのみ。濃くてマイルドなコーヒーは、飲み続けても飽きない優しい味わい。あえて、高度なテクニックが要求されるネルドリップで提供するのは、〈小川珈琲〉の新しいチャレンジ。コーヒーの個性を引き出し、クリアな味わいに仕上げられると同時に、繰り返し器具が使えるのでゴミが少なくなるという特性も。<小川珈琲 堺町錦店>のために、GOTS認証を取得したオーガニックコットンを使ったネルフィルターと、岡山の真鍮作家・Lueがハンドルを手掛けたオリジナルのネルドリッパーを開発した。こちらは店舗で購入できる。

京都産小麦から生まれた、「100年先も食べ飽きない、毎日食べられる食パン」

〈小川珈琲 堺町錦店〉のもうひとつのテーマは、“古き良き日本の喫茶店文化の再構築”。「100年先も食べ飽きない、毎日食べられる食パン」の実現を目指して、“常食”としての食パンを開発したのは、京都を代表する本格派フレンチスタイルのブーランジェリー<ル・プチメック>の創業者、西山逸成さん。食材の地産地消を掲げ、京都産小麦から食パンをつくることになった。実は、食パンには不向きだと思われていた京都産小麦に真摯に向き合い、試行錯誤を重ねた結果、独自のレシピを開発。西山さんが「これ以上のものは作れない」と胸を張る〈小川珈琲 堺町錦店〉だけの京都産小麦パンに加え、味のコントラストが楽しめる全粒粉食パンが誕生した。

提供される料理は食パンをメインにしたもの。フードメニューの監修は、〈シェルシュ〉代表の丸山智博さんが務めた。グラスフェッドバターに京都〈佐々木酒造〉の米糀をミックスした糀バターや季節のフルーツを使ったコンフィチュールなど、手間隙かけて「食パンに合うもの」を追求した。スペインの“ジョスパーチャコールオーブン”で焼き上がったパンは、表面がパリッとさくさく、中は水分が残ってもっちりふわふわ。食パンのみの購入も可能。京都産小麦パンは1/2本 600円、3本 1,200円。全粒粉食パンは1/2本 700円、3本 1,400円。

京都ならではの食材をつかった心躍る喫茶メニュー

定番のコーヒーメニューに加え、京都の伝統的な食材を使用したオリジナルのアレンジドリンクも開発。地産地消だけではなく、地元食材の新たな可能性も提案する。「自家製ミルクセーキ」は京丹波の「みずほ産桜たまご」とタヒチ産バニラのジェラートを使用。優しく懐かしいミルクの甘さを堪能できる。「オランジュショコラと八ツ橋のスムージー」はチョコレートとタヒチ産バニラのジェラートを使用。ショコラの甘さのなかに、八ツ橋のシナモンの香りとパリッとした食感が新鮮。添えられたフレッシュミントを混ぜるとチョコミントに味変。

築100年を超える京都の町家を改装した、伝統と新しさが息づく建物。

「うなぎの寝床」とも呼ばれる京町家の細長いつくりをいかしながら、エントランスの吹き抜けや、視線の先に見える坪庭など開放感たっぷり。2階にはギャラリーにもなるイベントスペースを併設。京都の伝統と新しさを感じながらゆっくりと心地よくくつろげる空間だ。

京都の新名所となりそうな〈小川珈琲 堺町錦店〉。ぜひ足を運んでみて。

〈小川珈琲 堺町錦店〉
■京都府京都市中京区堺町通錦小路上る菊屋町519-1
■075-748-1699
■7:00~20:00(19:30LO)
■無休
公式サイトはこちら
公式インスタグラムアカウントはこちら

photo: Noriko Yoshimura

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