“もったいない精神” から生まれた絶品・超濃厚ポタージュ系ラーメン “新型フードロス”と闘う〈炭火焼濃厚中華そば 海富道〉のメニューに「金目鯛と白子」が登場。 LEARN 2021.10.22

神田に店を構える〈炭火焼濃厚中華そば 海富道(しーふーどう)〉では、豊洲市場の仲卸業者から仕入れた規格外・過剰在庫の魚を絶品ラーメンに変えて提供しています。この時期ならではの新メニュー「金目鯛と白子」の濃厚でやみつきになる味わいと、コロナウイルス感染拡大による新型フードロスの背景をレポートします。10月は食品ロス削減月間。おいしいラーメンを食べて、現状を見つめて、次のアクションを考えてみませんか?

どんな魚も心を込めて、炭火で焼いて無駄なくすする。

神田 海富道

ことし5月に神田にオープンしたばかりのラーメン店〈炭火焼濃厚中華そば 海富道(しーふーどう)〉。

手掛けるのは〈なかめのてっぺん〉等の鮮魚系居酒屋を展開するMUGEN(代表・内山正宏 氏)。築地市場が豊洲へ移転する前から仲卸業者の最大手・山治とタッグを組み、「もったいないプロジェクト」と称して、競りの売れ残りや規格外の食材にスポットライトを当てた〈築地もったいないプロジェクト 魚治〉を丸の内にオープンしたのは2015年のこと。

〈炭火焼濃厚中華そば 海富道〉もまた、「もったいない食材」を救出し、社会においしく還元することを目指しています。扱うのは、昨今のパンデミックによる新型フードロスの影響を受けた魚介類。通常時では人気食材のはずが、緊急事態宣言により都内の飲食店が営業を縮小せざるを得ず行き場に困る一方で、水揚げ量は変わらないため過剰在庫となっている・・・そんな状況を打破するべく、SDGsをラーメンに込めて提供するというコンセプトが生まれました。

神田 海富道

取材時(10月上旬)は7種類がオンメニュー。いずれも「炭火で焼いてまるごとすする」という新たな手法で、魚を無駄なく食す姿勢を推進しています。

今回は新商品「金目鯛と白子」をいただきました。

高級食材が捨てられてしまう理由。

神田 海富道

メニューをご紹介する前に、せっかくなので高級食材と言われる金目鯛と白子に買い手がつかない理由にも触れてみます(この時点ではまだ着丼していないので、麺が伸びる心配はありませんよ!)。

まず、こちらの立派な金目鯛のお頭。アフターコロナでも身の部分はスーパーなどで重宝されていますが、料亭や居酒屋で提供されるかぶと煮や塩焼き、あら汁などに使われていたお頭の部分は卸先の減少により行き場を失っており、市場の冷凍庫内で過剰在庫となり、ついには賞味期限切れを迎えてしまいます。

神田 海富道

冬に旬を迎える白子は秋口では時期外れとされ、また取り出すときに内臓が潰れて一部着色してしまったものは商品価値が大幅に下がってしまうのだとか。見た目が悪いとみなされてしまい、クレームにつながることを考えると、真っ白な状態でないとお店で白子ポン酢や鍋に使うのは厳しいのでしょう。

〈炭火焼濃厚中華そば 海富道〉では、そんなふたつの食材を炭火で焦げ目がつくまでじっくりと焼き上げ、特殊ペースト化。飛び魚アゴ出汁と合わせます。この手法で見た目の問題はクリア!そういえば、規格外野菜やフルーツもよくスムージーやジャムに活用されていますよね。

まるでポタージュ!とろりとした超濃厚スープ。

神田 海富道

それでは、やっとメニューのご紹介です。「金目鯛と白子」単品 1,050円、定食 1,200円。

着丼した際に、お好みでひょうたんに入った山椒で味変をしてお楽しみください、と案内がありました。

神田 海富道

見るからに濃厚で、白子感たっぷりのとろりとした口当たりのスープ。決して重すぎないけれど胃に落ちていくのがしっかりとわかります。金目鯛のうまみが凝縮した角のないまろやかな塩味と、鼻から抜ける炭の香りがたまりません!

神田 海富道

麺は140gだそうなので、お腹の減り具合に合わせてごはんをプラスしてみてくださいね。

神田 海富道

三河屋製麺のつるりとしたストレート麺が濃厚スープを程よくキャッチ。こってりしすぎない絶妙なバランス感がお見事です。

トッピングで味変も楽しめる。

神田 海富道
神田 海富道

中華そばの温度を高温に保つため、トッピング類は別皿で提供されます。

神田 海富道

素ラーメンのまま完食してしまいそうになりましたが、しっとりチャーシューや焼きねぎの香ばしさ、フレッシュな生玉ねぎの辛味、山椒の刺激が加わるとおいしさもひとしおです。スープを絡めた焼き海苔でごはんを包んでいただくのもおすすめ!

神田 海富道

辛いのがお好きな方は、プラス50円で特性辛味をオーダーすることもできます。こちらはベースのタレと合わせるそうなので、注文時にオーダーすることをお忘れなく!後からじわりとくる辛さがやみつきになりそうです。

神田 海富道

読んで字の如く「海の富を生かす道」をとことん考え尽くした一杯のために、季節ごとに通いたくなる。こんな素敵な循環がもっと増えていくと良いですね。

〈炭火焼濃厚中華そば 海富道(しーふーどう)〉
■東京都千代田区神田 鍛冶町3-3-2 床屋3ビル
■03‐6260‐8558
■11:00〜23:00LO ※要請により順次変動
■不定休
■14席
■JR(山手線、京浜東北線、中央線)神田駅北口より徒歩2分
■東京メトロ (銀座線)神田駅4番出口より徒歩1分
公式サイト

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