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2021.08.20

第7回 つまみ食いクラシック クラシックデビューはコンサートホールより○○○がおすすめ!?〈ホテル カデンツァ 東京〉ピアニスト・石井琢磨リサイタルレポートをお届け。

3歳からヴァイオリンを始め、クラシック音楽と共に歩むこと26年。そんな筆者が、シンプルに「楽しい」「聴いてみたい」と思えるクラシック音楽の魅力をつまみ食い気分でお伝えしていくクラシック音楽入門。新しい趣味を見つけたい、癒されたい…そんなHanako女子へ捧げる連載。今回は、ピアニスト・石井琢磨さんのリサイタルのレポートと共に、サロンコンサートの魅力をお伝えします!

歴史を知ると、コンサートが楽しくなる!

@コンツェルトハウスベルリン
@コンツェルトハウスベルリン

みなさんは普段、クラシックコンサートに足を運びますか?以前とったアンケートを見ると、敷居が高い・マナーがわからない・チケットが高いなどの理由からなかなか足を運びにくいという回答が多くあった印象でした。確かに大きなコンサートホールで行われるコンサートは敷居が高いかもしれませんが、実はクラシックコンサートはホテルやサロン、カフェなど小さなスペースでカジュアルに楽しむこともできるのです。

Trio Horamiro@滋賀県長浜市〈中川能舞台〉
Trio Horamiro@滋賀県長浜市〈中川能舞台〉
@ライプツィヒ メンデルスゾーンの家
@ライプツィヒ メンデルスゾーンの家
Trio Horamiro@滋賀県長浜市〈中川能舞台〉
@ライプツィヒ メンデルスゾーンの家

ここで少しクラシックコンサートの歴史についてお話させてください…!

19世紀以前のヨーロッパではクラシック音楽は王侯貴族が楽しむためのもので一般市民にとってはあまり馴染みがない存在でした。ですが産業革命が起きた19世紀を境に、クラシック音楽のターゲットは王侯貴族だけでなく一般市民にも広がるようになりました。コンサートホールよりもはるかに狭い部屋で行われるサロンコンサートは、場所代やチケット代を安く抑えることができたため、当時の音楽界のスターの演奏をお手頃に、そしてより身近な場所で聴くことのできる素晴らしい場所でした。

現代でもその歴史は受け継がれており、実際にサロンやカフェなどで日々多くのクラシックコンサートが行われています。そこで今回は、〈ホテル カデンツァ 東京〉で2021年8月7日(土)に行われたピアニスト・石井琢磨さんのソロリサイタルのレポートと共に、サロンコンサートの魅力をお伝えします!

音と光と映像で楽しむコンサート

〈ホテル カデンツァ 東京〉
〈ホテル カデンツァ 東京〉
〈ホテル カデンツァ 東京〉
コンサートのフライヤー
コンサートのフライヤー
〈ホテル カデンツァ 東京〉
〈ホテル カデンツァ 東京〉
〈ホテル カデンツァ 東京〉
コンサートのフライヤー

会場は、東京・練馬にある〈ホテル カデンツァ 東京〉。音楽に因んだ『カデンツァ』という素敵な名前は、芥川賞作家の庄司薫先生と日本を代表するピアニスト中村紘子先生ご夫妻によって命名されたそう。水盤上のグランドピアノがあったりと、音楽がとても身近にある素敵なホテルです。ホテルのドアを抜けるとすぐにスタッフの方にコンサート会場までご案内していただき、迷うことなくたどり着くことができました!

石井琢磨さん
石井琢磨さん
石井琢磨さん
石井琢磨さん
石井琢磨さん
石井琢磨さん
石井琢磨さん
石井琢磨さん

今回のコンサートのコンセプトは『音×光×映像』。曲に合わせて舞台の照明が光り、動き、より曲に感情移入して聴くことができました。とにかく石井さんのピアノの音色が素晴らしく、生の演奏が聴けることは本当に幸せなことだなあと噛み締めました。プログラムの構成も最高でした…。(←奏者は悩みに悩んで構成を組み、センスを問われる重要ポイントでもあります。)前半は誰もが知る有名な曲たちを、後半はメジャーではない曲もありました。それは、一般的にはあまり知られていない自分の愛する作品を紹介し、聴き手であるみなさんにその魅力を知って欲しい、そしてその曲をメジャーにしていきたいという思いがあるそうです。

曲の合間合間に石井さんのMCが入り、笑ったり、感心したり、共感したりとリラックスして楽しむことができました。(神経を研ぎ澄ませて聴く大きなコンサートホールでの緊張感とは違った魅力の一つです。)また、サロンコンサートの醍醐味は、ほとんどの聴き手が演奏者の指さばきや息遣い、表情などをより近くで見て感じることができることだと思います。今回はそんなサロンコンサートの魅力を全て味わうことができたコンサートでした。

〈ホテル カデンツァ 東京〉
■東京都練馬区高松5-8 J.CITY
■03-5372-4411(代表)
■info@h-cadenza.jp

Profile…石井琢磨(いしい・たくま)

(c) Andrej Grilc-08221
(c) Andrej Grilc-08221

徳島県鳴門市出身。和田津美智代、飯田桂子、松本明、西川秀人、ペーター・エフラー、ローランド・ケラー、ジャスミンカ・スタンチュール、アンナ・マリコヴァ各氏師事。東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻を経てウィーン国立音楽大学ピアノ科に入学、同大学ピアノ科修士課程を満場一致の最優秀で卒業。現在ポストグラデュアーレコースに在籍。

2016年ジョルジュ・エネスク国際コンクール(ルーマニア・ブカレスト)ピアノ部門第二位受賞。1958年から開催され、ラドゥ・ルプーやエリザベス・レオンスカヤなどの世界的ピアニストが覇者として名を連ねる伝統あるコンクール史上、日本人ピアニスト初入賞の快挙。2013年ピアナーレ国際コンクールにて(ドイツ・フルダ)ロペス・コボス賞、エウテルぺ財団賞、クレメンテピアノ賞を受賞。2015年IKAムルハルト(ドイツ・ムルハルト)第一位及び聴衆賞、2017年ディヒラーコンクール(オーストリア・ウィーン)優勝。

■公式サイト:https://www.takumaishii.com/
■公式YouTube『TAKU-音 TV たくおん』
(石井琢磨さんは、以前こちらの記事でも紹介させていただきました♪『アラサー音楽家がおすすめ!面白くてクセになるクラシックYouTuber5選。登録者300万人超のチャンネルも。』

初心者はサロンコンサートに行こう。

サロンコンサートは、コンサートホールのコンサートと比べて演奏者と聴き手の距離が近いことから、リラックスして楽しむことができます。非日常空間であるコンサートホールのコンセプトとはうって変わり、日常の延長線上にあるコンサートということで、より人々が訪れやすいクラシックコンサートだと思います。ぜひ、ビギナーの方はサロンやカフェなどでのコンサートに足を運んでみてください!

クラシック音楽業界もコロナの大打撃を受けた業界のひとつです。長い長いクラシック音楽の歴史の中で、演奏会の形は世の中の流れと共に変化し、発展してきました。私たち音楽家もこの大変な状況を受け止め、進化していきながら、またいつか通常通り生活できる日が来ることを心から願い、自身の活動に取り組み続けていけたらと思います。今回の“つまみ食い”が、みなさんのクラシック音楽への扉を開くきっかけになりますように。次回もお楽しみに。

※マスクを着用し、声を発しないクラシックコンサートや伝統芸能は客席でリスクが少ないものとして、2020年9月19日に政府及び地方自治体によりお客様間に空席やスペースを設けずに客席を利用することが認められております。

小林 えれな
小林 えれな / Hanako.tokyo

「宇宙の街(茨城県つくば市)出身のヴァイオリン弾き。音大を卒業後、ベルリンに留学。現在はクラシックとデジタルを行き来するパラレルワーカー。」

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