高校生パティシエ日本一を決める、貝印スイーツ甲子園① 【東日本ブロック】の予選を勝ち抜いた2校を紹介! LEARN 2017.12.07

2008年の開催から、優秀なパティシエの卵たちを数多く輩出してきた「貝印スイーツ甲子園」。お菓子作りに興味のある高校生3人が1つのチームを組み、時間内にオリジナルスイーツを完成させるという、高校生お菓子界の全国大会です。今年は「クリスマスケーキ」をテーマに、厳しい予選を突破した4チームが決勝へと進出。今回は、東日本ブロックを勝ち抜いた2校に突撃取材。大会を直前に控えた彼らの素の表情に迫ります!

喧嘩するほど仲がいい!?マイペースな名調!

学校名:名古屋調理師専門学校
チーム名:I’ll
メンバー:矢島麗奈、尾木駿兵、森 琴里

I’ll

作品名:キャンドルに願いを

I’ll

決勝進出を果たしたほかの3校から「ライバルは“名調”」と視線を向けられていた名古屋調理師専門学校。しかし、当の本人たちはかなりのマイペース。しかも解散の危機すらあったというなかなか波乱万丈なチームでした。

編集部:リースの形をしたクリスマスケーキ、とっても素敵よね。どういう経緯でこの形になったの?
尾木駿兵さん:(以下、尾木)一目見てクリスマスケーキとわかるものにしたかったのでリースがいいかな、と。いろいろ調べていくうちにフランスではクリスマスリースをテーブルに置いてキャンドルを立てるのが風習だと知って、それを参考にしました。
森 琴里さん:(以下、森)キャンドルの火を2人の天使が灯していて、ムードを盛り上げています。
矢島麗奈さん:(以下、矢島)こっちが“ペーちゃん”、こっちが“あおこ”です。
編集部:名前が付いているんだ!
矢島:はい、琴里が好きなアイドルの名前をつけました。もともと名前はなくて、「この子」とか適当に呼んでて、顔の表情も日によってバラバラだったんです。でも、名前をつけるようになってから、急に愛着が湧いて、だんだんかわいくなりました(笑)。

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|かわいいマジパンを作る矢島さん|

森:書類審査のときはまだ名前なかったんだよね。
矢島:そうそう。初期はめっちゃブサイクだった。今考えると、あれでよく予選通ったと思うよね(笑)。
編集部:アイドルって見られるとどんどんかわいくなるもんね!味はどうやって決めたの?
尾木:リースの緑は愛知名産の西尾の抹茶を使いました。あと、体が温まるケーキにしたかったので、香辛料とはちみつを使っているのもポイントです。

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|「バイト先もケーキ屋です」というスイーツ大好きな尾木くん。|

森:香辛料を使ったケーキってなかなかないよねって、作り始めたのはよかったんですけど、けっこうパンチが効いているので味のバランスが難しくて。はちみつもたくさん種類があるし、何を使って、どれぐらいの分量にするのか、細かく調整しながら何回も試作を重ねて。味が決まるまで1ヶ月くらいかかりました。
編集部 ひぇ〜、1ヶ月! その都度、味見もしなきゃいけないから大変よね。
森:あ、でも食べるの好きなんで平気です。休みの日はケーキ13個くらい食べることもあるので。

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|「ケーキ13個は余裕」の森さん。スイーツ店巡りが趣味だそう。|

編集部:じゅ、13個!?ゴイスー!ほかに苦労した点はある?
矢島:喧嘩ですかね。お互い意見をはっきり言うので、作っている最中でもけっこう言い合いになるんです。
編集部:えー!
森:「もうちょっと早くしてくれない?」とか言うと「こっちは今やってるんだけど!」って言葉がだんだん強くなっちゃって(笑)。解散の危機もありました。
矢島:毎日遅くまで練習してたんで、家に帰るときにはもうクタクタで。「もう辞めたい」ってポロっと言っちゃったんです。
森:予選突破したあとだよね。
編集部:ひぇ〜!わりと最近じゃない!?
矢島:はい。でも、「このタイミングで抜けたら、これまでの苦労はなんにも残んないよ」って二人に諭されて、どうにか今日までやってこれました。
編集部:めちゃくちゃいい話!
尾木:ここまでくるのに本当にいろいろと大変だったんで(笑)、決勝は悔いが残らないよう、やりきるだけです!

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((編集部メモ))
尾木くん、めっちゃイジられてるけど、チームをうまくまとめるリーダー。こちらは勝手に心の中で「尾木ママ」って呼んじゃってました。

プレッシャーを力に変えて優勝を目指す、城南!

高校名:城南高等学校
チーム名:Amitie
メンバー:森川摩保、前川春輝、松原乃綾

Amitie

作品名:Noel fraise〜rouge de bobo〜

Amitie

これまで過去8回「スイーツ甲子園」に挑戦し、今年悲願の決勝初進出となった城南高等学校。その勝因には意外なことが関係していたそう。予選のときの裏話から優勝の意気込みまで根掘り葉掘り聞いちゃいます!

編集部:岐阜の伝統人形“さるぼぼ”が乗ったケーキ「ノエル フレーズ〜ルージュ ド ボボ」、とってもかわいいわね。郷土愛を感じるわ。
前川春輝さん(以下、前川):クリスマスカラーの赤をテーマにしたケーキを作りたかったので、赤いさるぼぼはぴったりだな、と。サンタの帽子をかぶせて、クリスマスの雰囲気を演出しています。
編集部:さるぼぼ以外も真っ赤だけど、どんな味がするの?
前川:外側はいちごとフランボワーズのグラサージュなので酸味があります。中にはピスタチオをサンドしたダックワーズ、サクサクのサブレにコク深いフロマージュなどを重ねているんです。
松原乃綾さん(以下、松原):いちごの酸味とクリームチーズの相性がいいので、味にはとても自信があります。

Amitie

|「2年生から3人一緒なのでチームワークは抜群です」と松原さん。|

編集部:甘酸っぱくておいしそう〜。今回が初の決勝進出ということで、顧問の岩屋先生の喜びもひとしおだったそうだけど、ズバリ、勝因は何かしら?
前川:去年くらいまでは、地元の食材を使うっていう条件があったんですけど、今年はそうではなかったので、テーマに助けられたと思っています。正直、岐阜の食材ってスイーツに向いてないんですよ(笑)。
森川摩保さん(以下、森川):でも、岐阜名物のエゴマは使ってるよね。ダックワーズに混ぜて、プチプチっとした食感と香ばしさをプラスしました。

Amitie

|「去年は予選敗退。その悔しさをバネに頑張りました!」と森川さん。|

編集部:エゴマ、いい仕事するじゃない! 
前川:あとは、予選のときに岩屋先生がいなかったのが良かったかな(笑)。
編集部:顧問の先生がいないと不安じゃないの!?
前川:岩屋先生は僕たちにとって雲の上の存在なので、試合中にじっと見られると緊張するんですよ(苦笑)。
森川:遠くから見られていても、プレッシャー感じるよね。
松原:岩屋先生に見られているときの圧力に比べたら、有名なパティシエの方が目の前に立たれても平気なくらい(笑)。とにかく岩屋先生がいると緊張しちゃうんです。
前川:三人とも岩屋先生のことをすごく尊敬しているし、大好きなんですけど、緊張するから決勝は違うところで見ててほしい(笑)。

Amitie

|「自分たちが作ったスイーツで人を喜ばせたい!」と前川くん。|

編集部:ははは。でも、絶対付き添いに行くっておっしゃってたわよ。では岩屋先生のプレッシャー以外でケーキ作りの難しい点は?
森川:私は中央部分のムース作りを担当しているんですが、早く完成させないと全体の動きに響くので、とにかくスピーディに仕上げることが課題です。
松原:私はムースを絞るとき、穴を空けずにきれいに仕上げるのが目標。
前川:僕はグラサージュの部分を担当しているのですが、ここを失敗すると見た目が台無しになるので緊張します。普段はスポンジケーキの台を使って、ひたすらグラサージュの練習です。そうそう、岩屋先生に「練習用の型がない」と言ったら、作ってくれたこともありました。調理道具も作っちゃうし、本当にすごい人。見られたら緊張するけど、やっぱり先生を決勝に連れて行けるのは嬉しい。本番はプレッシャーに負けずに、普段通りの力が出せたらな、と思っています。

Amitie

((編集部メモ))
好きな芸能人を聞いたら「L’Arc〜en〜Ciel」と即答した松原さん。ライブに参戦するため東京まで遠征するほどなのだそう!

優勝はどのチームに!? 決勝大会の様子を見逃さないで!

〈テレビ放送予定〉
■2017年12月10日(日)16:00~ 全国テレビ東京系列各局
■2017年12月17日(日)16:00~ BSジャパン

決勝では日本を代表するトップパティシエの方々に加えて、「Hanako」編集長の田島朗も特別審査員として参加。話題性や発想力も加味して、厳しく審査をします! 緊張と高揚が入り混じった、白熱の決勝大会をお見逃しなく!

photo:Kaoru Yamada

■貝印スイーツ甲子園 公式サイトはこちら

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