オープニングは駐日米国大使館でエグゼクティブ・シェフを務めたマリベス・ボラー氏がプロデュース! 日本産のお酒と料理のペアリングが楽しめる〈季苑(KION)〉が銀座にオープン。 LEARN 2021.04.22

4月5日、銀座8丁目にあるGINZA FORGEDビルの地下2階に、日本の酒と料理を提供する小さな店〈季苑(KION)〉が開業。オープニングの料理は、元駐日米国大使館でエグゼクティブ・シェフがプロデュースしています。日本のお酒と料理が味わえるお店と聞き、早速伺ってみました。

オープニングの料理はマリベス・ボラー氏がプロデュース。

近年は日本酒だけではなく、焼酎やクラフトジンなど、日本でしか作られていない国産酒の幅も広がりを見せています。〈季苑(KION)〉ではそんな日本産のお酒や食材を使いながら、日本の四季に敬意を表し、今ここにある「時」を、酒と料理で表現することをコンセプトとしています。

(写真左から)村上由氏、マリベス・ボラー氏、調理アシスタントの鈴木建也氏、ソムリエの土井隆文氏。
(写真左から)村上由氏、マリベス・ボラー氏、調理アシスタントの鈴木建也氏、ソムリエの土井隆文氏。

コンセプトメーキングとオープニングの料理監修に、オフィスK2Mの村上由氏と米国ニューヨーク出身の女性シェフ、マリベス・ボラー氏を起用。マリベス氏はニューヨークの〈ジャン・ジョルジュ・ヴォンガキッチン〉やロンドンの〈アルベール・ルー〉などの有名店で腕を磨き2014年、キャロライン・ケネディ元駐日米国大使の要請を受け、駐日米国大使館でエグゼクティブ・シェフを務めた人物です。

料理とお酒のペアリングコース7,000円のみ。

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料理は先付、三段重、小皿という今日のお料理と、料理に合わせた今日のお酒4種類ほどのコースのみ(7,700円+チャージ1,000円)。4月、5月は、マリベス氏が日本での生活の中で出会った日本各地の旬の食材と、世界のさまざまなスパイスや食のエッセンスを融合した、個性豊かな料理を、日本酒とペアリングして提供しています。

乾杯酒と先付。
乾杯酒と先付。

この日の先付は、きたあかりの手作りポテトチップスと海苔サワークリームのディップ。これにバランスの良い酸味とキレの良さが魅力の長野県宮坂醸造の「真澄 スパークリング オリジナル」をペアリングしていただきました。

料理は可愛らしい有田焼の丸い三段重で登場。

続いてなんとも愛らしい、3段の丸いお重が登場。こちらはマリベス氏が佐賀で出合った有田焼の李荘釜によるもの。このほか、小皿や酒器も日本の伝統を重んじながら、現代的なデザインのものをコーディネートしているそう。

蓋を開けるとはじめのお重として、カリフォルニアEXVオリーブオイルと鰹風味のパンナコッタ、パルメザンチーズと鰹節のクラッカーがお目見え。シャキシャキとした大根とキュウリのマリネに、なめらかで和風な味わいのパンナコッタなど、ひとくちひとくち食感の違いや味わいの違いが楽しい一品でした。

栃木県惣誉酒造の「惣誉 生もと仕込 特別純米」。
栃木県惣誉酒造の「惣誉 生もと仕込 特別純米」。

はじめのお重に合わせていただいたのが、栃木県惣誉酒造の「惣誉 生もと仕込 特別純米」。米のしっかりとしたコクが、チーズや鰹のうま味とよく合いました。

さらにお重を開けてみると中のお重として、季節のいろどり有機野菜のサラダと大豆とかぼちゃのフムスが登場。ケールやからし菜、リンゴや黒ニンジン、大豆などさまざまな大きさと食感、色の野菜のサラダに、レモンとニンニクが効いたフムスがアクセントとなっていました。

さらに別皿で海苔とチーズのスティックパイも提供されました。海苔の味わいとパルメザンのコクが、フムスともよく合います。

長野県井賀屋酒造の「石清水 Niwaringo」。
長野県井賀屋酒造の「石清水 Niwaringo」。

中のお重に合わせていただいたのが、1,000本のみしか出荷されていないという長野県井賀屋酒造の「石清水 Niwaringo」。青リンゴをかじったような味わいの微発泡な日本酒は、白濁していてとろみがありながらも、軽快な酸味が感じられ、フレッシュなサラダにもぴったりでした。

おわりの重。
おわりの重。

下段は本日のお魚のソテー、玄米おにぎり、季節野菜のソテーという、おわりの重になっています。シャクシャクとした食感の菊芋やスナップエンドウ、そら豆のホクホクと甘い味わいに、この日は北海道産のタラにシソとバジルのオリーブオイルソースを合わせていて、春らしい一品でした。ルバーブとイチゴのチャツネもアクセントに添えられていて、爽やかで甘酸っぱい味わいで味を変えられるのも面白かったです。

福井県三宅彦右衛門酒造の「早瀬浦 大吟醸 本生原酒」。
福井県三宅彦右衛門酒造の「早瀬浦 大吟醸 本生原酒」。

おわりのお重に合わせていただいたのは、福井県三宅彦右衛門酒造の「早瀬浦 大吟醸 本生原酒」。辛口でキレのある味わいが、玄米おにぎりともよく合いました。

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食後のデザートも、佐賀県の丸秀醤油のアイスとフィナンシェに味噌とハーブのクランブルを合わせた和風な一品。熟成された醤油のアイスはどこか塩キャラメルのような味わいで香ばしく、コクのある甘さでした。

日本の素敵な食材やお酒、食器など、作り手の想いが伝わってくるようなおもてなしが満載の〈季苑(KION)〉。今後は、日本各地の酒蔵や生産者、フードクリエーターとのコラボレーションを企画し、さまざまな形で酒と料理のペアリングを提案していくそうです。

〈季苑(KION)〉
■中央区銀座8-7-10 FORGED GINZA B2
■03-6263-8180
■17:30~20:00(今後変更の可能性あり)
■日休
公式サイト

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