「誰が食べてもおいしい」が大前提。ビーガン・スイーツ専門店〈hal okada vegan sweets lab〉の職人魂とは?
2020.09.14

16年間の“実験”から生まれた優しい甘さ! 「誰が食べてもおいしい」が大前提。ビーガン・スイーツ専門店〈hal okada vegan sweets lab〉の職人魂とは?

卵や牛乳などの動物性食材を一切使わず、100%植物由来の食材のみを使用したビーガン・スイーツのテイクアウト専門店〈hal okada vegan sweets lab〉が、東京・広尾にオープン。これまでビーガン・スイーツには、“ヘルシーだけど風味はいまいち”というイメージも正直ありましたが、それを覆す豊かな味わいが魅力です。今後はEC販売での全国発送も開始予定。同店エグゼクティブ・パティシエ・岡田春生さんに、唯一無二なおいしさのヒミツを教えてもらいました。
城 リユア
城 リユア / ライター

「東京、ときどきベトナムで、エディター&ライターとして活動中。2019年11月に、企画・責任編集を担当した書籍『ダナン&ホイアン PHOTO TRAVEL GUIDE 〜絶景プロデューサー・詩歩が巡るベトナム』が発売。」

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「16年前はケーキの土台がナンみたいになったことも……」。

広尾 hal okada vegan sweets lab
「苺のビーガン・ショートケーキ(ピース)」680円。

店がたたずむのは広尾駅から徒歩約1分、商店街の通りを一歩入った路地裏。ビーガン・パティシエとして16年間修練を積んだ岡田春生さんが手掛けるテイクアウト専門店です。

広尾 hal okada vegan sweets lab
岡田春生さん(写真右)。鎌倉の日本初ビーガン・スイーツ専門店〈halcafe 229〉オーナーパティシエなどを経て、カフェ・カンパニー株式会社に専属のエグゼクティブ・パティシエとして参画。

オープン時のメニューは、岡田さんの代表作でもある「苺のビーガン・ショートケーキ(ピース/ホール)」のみ。「ショートケーキのマズいケーキ屋さんは、何を食べてもダメだから」と、あえて潔く、自信作一つをひっさげて勝負に出ました。

広尾 hal okada vegan sweets lab
「苺のビーガン・ショートケーキ(ホール)」4,300円(写真手前)。

この秋には、「モンブラン」、「チョコレートケーキ」の順に新商品を発売し、3大シグネチャー・スイーツとなる予定です。

試練の連続だったビーガン・スイーツづくり。

広尾 hal okada vegan sweets lab
コンパクトな店内では、ビーガン・スイーツが一から手作りされています。

「食物アレルギーを持つお子さんは一生、誕生日ケーキを食べられない場合も多いのです……。最初は、そんな子たちがおいしく食べられるケーキを作りたい一心でスタートしました」と岡田さんは振り返ります。

のちに「それって、アレルギーの人だけでなく、ビーガンの人も食べられるんじゃない?」という周囲の声に気づきを得てからは、16年間ひたすらビーガン・スイーツの開発に没頭することに。

「ケーキで、誰かを助けられるなんて、考えたこともありませんでした。でも今は、これがパティシエとしての僕の生きがいになっています」(岡田さん)。

広尾 hal okada vegan sweets lab
注文は、3日前までに公式サイトで予約・決済。3日未満で購入する場合は、直接店舗に行きましょう(※在庫数によっては購入できない場合あり)。感染症対策としてキャッシュレスのみ対応中。

ビーガン・スイーツの開発は、試練の連続でした。動物性の食材ゼロを決めたはいいものの、ケーキを膨らませる卵、牛乳が入っているチョコレート、乳製品のチーズなど、当たり前の食材が使えず、一進一退の日々が続きます。

「ケーキのスポンジの代わりに乳製品フリーの食パンをスライスして使った結果、ガチガチのナンのようになってしまったこともありました……。そこから生地をマフィンに変更したり、生クリームの代わりにお豆腐系のクリームを使って甘さを出したりと、少しずつトライ&エラーを重ねて今があります」

広尾 hal okada vegan sweets lab

パティシエとしての経験と嗅覚を頼りに、「あの食材と食材を合わせたら、目指す素材になるのでは?」と試作を重ねる工程は、まるでlab(研究室)での“実験”のよう。これが、店名〈hal okada vegan sweets lab〉の由来です。

「家族みんなでケーキを食べてほしいから、おいしいが大前提」。

広尾 hal okada vegan sweets lab

試食してみると、クドくないのにコクがあり、しっかりと甘さを感じました。しかも、なんだか心がホッとする優しい甘さ……!

特段カロリーが低いわけではありませんが、何個でもぺろりと食べられちゃいそう。ちょうど、“肉よりも野菜を食べた時の方が胃への負担が軽い感覚”に似ています。身体に負担をかけない食材だけで作られた軽さとおいしさは、筆者のようにビーガンではない人も虜にしそう。

「以前は、ビーガン・スイーツは風味が劣るという感想を持つ方も多かった。それではアレルギーをもった子は食べられても、親は一緒に食べられません。僕が目指すのは、“誰もが楽しく一つのテーブルを囲むこと”だから、ビーガン以外の方も、おいしいと思えるケーキづくりが大前提なんです」(岡田さん)。

広尾 hal okada vegan sweets lab
ロゴマークは、植物由来の食材を表す空、草花をイメージしたカラフル&ポップなデザイン。

この10年で、食物アレルギーを持つ子どもは2倍に増え、その70%以上が動物性食材であることが報告されています(2014年度のアレルギー疾患に関する3歳児全都調査より)。それにともない、ビーガンフードの市場や、健康志向の食生活を送る人の数は大きくなっている昨今。岡田さんがビーガン・スイーツづくりを始めた頃に比べ、ビーガン向けの食材は格段に増えたといいます。

広尾 hal okada vegan sweets lab
ちなみに、この秋発売予定の「チョコレートケーキ」は乳製品フリーのチョコレートを使用予定。

「まだまだ使える食材はあるなと思うし、これからも、“研究”を重ねて発掘していきたいです」と語る岡田さんの目の輝きが印象的でした。

今後同店が仕掛ける新商品や季節限定ケーキ、店舗限定スイーツがたくさんの人々を”おいしい笑顔”に変えていく瞬間が、今からとても楽しみです。

〈hal okada vegan sweets lab(ハル オカダ ビーガン スイーツ ラボ)〉
■東京都渋谷区広尾5-4-18 1F
■11:00〜19:00
■水休
公式サイト

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