摘みたての新茶を、最高においしく味わうには。 日本茶専門店〈一保堂〉に聞いた!この時季にしか味わえない「新茶」のおいしい淹れ方。 LEARN 2019.05.06

その年最初に出た芽を摘み取って作られたお茶が「新茶」。茶摘みの歌にもあるように立春から八十八夜の頃、つまり今がシーズン。Hanako『ひみつの鎌倉』「ポジティブおこもり」より、〈一保堂茶舗〉広報・川越順子さんをナビゲーターにお迎えして、新茶のおいしい淹れ方をお届けします。

〈一保堂〉に聞くおいしいお茶のいれ方。

1人分なら、できれば急須は小さいほうが大味にならない。バスケットが入ったものではなく茶漉しつきの急須のほうが茶葉が開きやすいので好ましいが、「あるもので気軽に楽しんで」(川越さん)。

■用意するもの
茶葉、ポット、急須、茶碗、スプー

1.沸騰した湯を茶碗にとり、湯冷ましする。

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熱々のお湯をそのまま急須に注ぐと渋みが強くなるため、ポットで沸かしたお湯を、一旦お茶碗にとり冷ます。それだけで適温(80℃)に下がり、お茶碗も温められて一石二鳥。

2.急須へ茶葉を入れる。

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京都の新茶は葉の形がツンツンした普通蒸し茶が多く、大さじ2杯がおすすめ。その分、3煎4煎と楽しめるのが良さ。静岡の深蒸し茶はもう少し少なめだったりと、茶葉によって量が異なる。

3.急須へ茶碗のお湯を注いで40秒待つ。

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茶碗にとったお湯を注ぎ、すぐふたをする。煎茶は1分待つが、新茶は40秒と短めに。茶葉の撚りがほどけるのが早く、味が出やすいため。20秒で味が違うので、ここは時計とにらめっこして。

4.最後の一滴まで注ぎ切る。

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最後の一滴がぽた、ぽたと落ちるまで注ぎ切ること。最後の一滴が最も味が濃く、おいしいエッセンスといわれる。2煎目からは急須にお湯を注いだらすぐ注ぐ。2煎3煎と楽しんで。次第に味が変化する。

初夏は“ジャパニーズティー・ヌーボー”の季節。

新茶はいわば「赤ちゃん」。5月頃から梅雨に入る前までの、初夏の一瞬だけのお茶です。煎茶はひと夏ほど熟成させますが、新茶は摘みたてのもの。若くて青くてフレッシュでみずみずしい、そんなお茶です。新茶の味は土地によっても、その年によってもまったく違います。京都は茶葉本来の味を切にした、まろやかなものが多いですね。新茶の季節は種子島から始まり京都は一番遅く、〈一保堂〉では5月中旬から登場します。ボジョレーヌーボーのように、この時季にしか味わえない新茶の魅力をぜひ味わってください。

〈一保堂茶舗〉広報・川越順子/創業1717年という京都の日本茶専門店、〈一保堂〉に15年勤務。お茶の奥深さにますます魅了される日々。

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Hanako『ひみつの鎌倉』

(Hanako1172号掲載/photo : Natsumi Kakuto text : Kyoko Kashimura, Miho Arima, Nao Yoshida edit : Nao Yoshida)

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