精神科医・星野概念のあまから恋わずらい No.14「大銀座と恋」
2019.04.05

あなたはどう思う? 精神科医・星野概念のあまから恋わずらい No.14「大銀座と恋」

Hanako本誌で連載中の精神科医・星野概念さん「あまから恋わずらい」を掲載。今回は、1171号「ふだんづかいの大銀座」特集よりお届けします。

編集部 / Hanako編集部

「東銀座にある編集部からお届けします!」

編集部
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今回のテーマは、「大銀座」と恋。

今回のHanakoの第一特集は「大銀座」。僕が初めて銀座に恋したのは幼稚園の頃。

興味がなかった映画を観に、有楽町マリオンに嫌々連れて行かれた時のこと。入り口に差し掛かると、突然映画のポスター群の間の大きな時計が上に移動。中から音楽とともに人形達が出てきました。数分間の演奏後、人形達はお辞儀をして帰って行き、何もなかったかのように時計は元の位置へ。何これ?夢?幻視?突然のファンタジー現象に心奪われました。その後何度か銀座に行くも、毎回はこの現象に出会えませんでした。でも何度か目撃するうち、キリが良い時間に始まることが分かりました。これはきっと自分しか知らない規則性。そう考えていた僕は、いつか家族以外の大切な人と来て驚かせたいと、幼稚園児ながら考えていました。これ、その後初恋の人と…なんて話に繋がりそうですが、実は割と早めに飽き、全く忘れていました。

それが去年、マリオンの時計が2週間休むというニュースを見ました。なんだか、いるのが当たり前だった人が急に遠くに行って会えなくなるみたいな切ない気分。衝動的に、かなり久々に見に行ったマリオンの時計のパフォーマンスは昔と変わっていませんでした。でも、見た時の感情は再び瑞々しい。このノスタルジックな気持ち、当時の恋人に再会したみたいだなと一瞬思いましたが、当時は幼稚園児。恋人なんているわけなし。

星野概念 ほしの・がいねん/精神科医として総合病院に勤務。雑誌・webでの執筆業や、音楽活動も行う。いとうせいこう氏との共著『ラブという薬』が発売中。

(Hanako1171号掲載/illustration : Misaki Tanaka text : Gainen Hoshino)

編集部

銀座って誰しもが少し特別な思い出を持っているような気がします。

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