メインの、仏・オーベルニュ地方から届いた乳飲み仔羊のロースト“ペルシャード(香草パン粉焼き)”エシャロットのコンフィを添えて。
2022.03.28

あの店が銀座を選んだ理由。 名店ひしめく街・銀座にニューオープン。〈LES FRÈRES AOKI〉で感じる、本場パリの味。

地方や海外から多くの話題店が集まり、今も昔も名店ひしめく東京屈指の街・銀座。実力者たちがこの地を選ぶ理由とは…?注目の5軒のストーリーから、作り手を魅了し続ける銀座の“きらめき”を探ります。今回は「あの店が銀座を選んだ理由。」より、〈LES FRÈRES AOKI〉をご紹介します。3月28日(月)発売Hanako1207号「大銀座こそナンバーワン!」よりお届け。

昨年9月にオープンした際、食を愛する人たちの間で大きな話題を呼んだ〈レフ アオキ〉。その理由は簡単なこと。これほど銀座の街にふさわしい店はないからだ。

〈LES FRÈRES AOKI〉
店内はカウンター10席のみ。赤みのある木材・ブビンガのロングカウンターが存在感を放つ。
店内はカウンター10席のみ。赤みのある木材・ブビンガのロングカウンターが存在感を放つ。
床のタイルはルーブル美術館で使われていた歴史あるもの。
床のタイルはルーブル美術館で使われていた歴史あるもの。
〈LES FRÈRES AOKI〉
店内はカウンター10席のみ。赤みのある木材・ブビンガのロングカウンターが存在感を放つ。
床のタイルはルーブル美術館で使われていた歴史あるもの。

〈歌舞伎座〉からほど近い、東銀座の一角。ステンドグラスを嵌め込んだアンティークのドアが異国情緒を漂わせる店がある。そこがフレンチレストラン〈レフ アオキ〉。フランス語の店名“LES FRÈRES”とは「きょうだい」の意味。その名の通り、シェフの青木誠さんとサービスを担当する姉の三代子さんが長いパリ生活を経て開いた、カウンター10席の小さな店だ。実はイギリスのものという1980年代のドアも、誠さん曰く「幾重にもペンキが塗り重ねられた感じがパリを思い出すから」と、店のアイコンとなった。

〈LES FRÈRES AOKI〉
調理の臨場感もカウンターの醍醐味。
調理の臨場感もカウンターの醍醐味。
〈LES FRÈRES AOKI〉
調理の臨場感もカウンターの醍醐味。

青木家の長男は、予約が取れない銀座屈指の名店〈鮨 青木〉の親方・青木利勝さん。父である先代が店を出した時から、銀座は家族にとって身近な場所だった。誠さんは〈帝国ホテル東京〉〈ロオジエ〉というこの街を象徴する2軒でフレンチの修業を積み、1990年代半ば、25歳でパリへ。姉の三代子さんも同時期に渡仏し、三ツ星レストランなどで経験を磨く。やがて2人は現地で合流し、2006年、パリのシャンゼリゼ通りの路地裏に〈Restaurant Makoto Aoki〉をオープン。2019年秋に店を閉じるまでの13年間、多くのパリっ子たちに愛された。「母が高齢なもので、そろそろ帰国して母の近くで店をやりたいと、5年ほど前から考えていました」と三代子さん。

しかし当初、意外にも銀座は候補地ではなく、広尾や麻布十番などを探していたそう。「銀座は家賃が高そうだから避けていたほどで(笑)。たまたま紹介されたここが、路面店で大通りから少し奥まった場所という、私たちの希望に合っていた。東銀座は下町情緒のようなものが残っていて、ご近所さんも温かくて。これもご縁ですね」

日本の素材を使うと毎日新たな発見があります。

本日のディナーコース 22,000 円より、ホワイトアスパラの冷たいスープ・文旦とはまぐりの香り。アスパラの甘みに春の苦みが表情を添える。青木浩二氏の青の器で。
本日のディナーコース 22,000 円より、ホワイトアスパラの冷たいスープ・文旦とはまぐりの香り。アスパラの甘みに春の苦みが表情を添える。青木浩二氏の青の器で。
デザートの、エピスが香るブラッドオレンジのコンポートとそのジュレ。最後にノンアルのシャンパンを注ぎ、喉越しも軽やかに。
デザートの、エピスが香るブラッドオレンジのコンポートとそのジュレ。最後にノンアルのシャンパンを注ぎ、喉越しも軽やかに。
本日のディナーコース 22,000 円より、ホワイトアスパラの冷たいスープ・文旦とはまぐりの香り。アスパラの甘みに春の苦みが表情を添える。青木浩二氏の青の器で。
デザートの、エピスが香るブラッドオレンジのコンポートとそのジュレ。最後にノンアルのシャンパンを注ぎ、喉越しも軽やかに。

そして料理は、プリフィクスをカジュアル価格で提供していたパリ時代から、8皿前後で構成するコーススタイルへ。愛用の白皿から一転、色や柄の食器を選んだのも新たな試みだ。名店で培った伝統的なフランス料理の技術と、素材に向き合う誠実な姿勢はそのままに、誠さんの表現にも変化が生まれている。「トータルで23年パリにいたので、日本の食材が新鮮で面白くて。僕は素材の苦みに惹かれるのですが、たとえば菜花や文旦を使って春の苦みを作れるのは日本だからこそ。そんな発見が楽しいです」と誠さん。

銀座の華やいだお客様にいつも刺激を受けています。

パリで出会った絵を扉にしたメニュー表。ベルギーの〈アン・ドゥムルメステール〉のショープレートで。
パリで出会った絵を扉にしたメニュー表。ベルギーの〈アン・ドゥムルメステール〉のショープレートで。
〈LES FRÈRES AOKI〉のシェフ・青木誠さんとサーブを担当する姉の三代子さん。左ページ・前菜より、トマト“クードブッフ”のカルパッチョ・キャビアと季節のグリーンビーンズのビネグレット。仏名産のクードブッフ=牛の心臓という名のトマトと旬野菜が彩る春めいた一皿。(photo : MEGUMI   text : Yoko Fujimori)
〈LES FRÈRES AOKI〉のシェフ・青木誠さんとサーブを担当する姉の三代子さん。左ページ・前菜より、トマト“クードブッフ”のカルパッチョ・キャビアと季節のグリーンビーンズのビネグレット。仏名産のクードブッフ=牛の心臓という名のトマトと旬野菜が彩る春めいた一皿。(photo : MEGUMI text : Yoko Fujimori)
メインの、仏・オーベルニュ地方から届いた乳飲み仔羊のロースト“ペルシャード(香草パン粉焼き)”エシャロットのコンフィを添えて。
メインの、仏・オーベルニュ地方から届いた乳飲み仔羊のロースト“ペルシャード(香草パン粉焼き)”エシャロットのコンフィを添えて。
パリで出会った絵を扉にしたメニュー表。ベルギーの〈アン・ドゥムルメステール〉のショープレートで。
〈LES FRÈRES AOKI〉のシェフ・青木誠さんとサーブを担当する姉の三代子さん。左ページ・前菜より、トマト“クードブッフ”のカルパッチョ・キャビアと季節のグリーンビーンズのビネグレット。仏名産のクードブッフ=牛の心臓という名のトマトと旬野菜が彩る春めいた一皿。(photo : MEGUMI   text : Yoko Fujimori)
メインの、仏・オーベルニュ地方から届いた乳飲み仔羊のロースト“ペルシャード(香草パン粉焼き)”エシャロットのコンフィを添えて。

最後に、パリと銀座の違いをお2人に訊ねてみたら、「お客様が皆さんきちんとお洒落をして来てくださるところ」との答えが。「銀座という土地柄かもしれませんが、嬉しいですし、感動します。その気持ちに応えるよう頑張ろうと思いますね」オーセンティックなフランス料理の技術を誠さんの感性で昇華したフルコースと、マダム三代子さんの温かな接客。パリ時代に続き、今度は銀座の路地裏で、ゲストと“ファミリアな関係”を育んでいる。

〈LES FRÈRES AOKI〉

2021年9月7日オープン。ランチ5皿5,500円、4皿4,000円、ディナー8皿22,000円、6皿16,500円。グラスワインは白赤各3種1,300円~。予約は電話がおすすめ。
■東京都中央区銀座3-12-6
■03-6264-3959
■12:00~13:30LO、18:30~月休
■10席

(Hanako1207号掲載/photo : MEGUMI, Kiichi Fukuda text : Yoko Fujimori)

編集部
編集部 / Hanako編集部

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