みんなの憧れ!の焼菓子とケーキ屋さん。 “日本一”のモンブランを求めて。【丹波篠山】全国から栗好きが足を運ぶ〈小田垣商店 本店ショップ ODAGAKI mamedou 小田垣豆堂〉へ。 FOOD 2021.09.29

散歩がてらふらりと立ち寄ったり、大切な人へのギフトに選んだり、目的のおやつを求めて出かけたり。ほっと一息つきたい時間にやさしく寄り添ってくれる、話題のおやつをご紹介します!今回訪れたのは、〈小田垣商店 本店ショップ ODAGAKI mamedou 小田垣豆堂〉。松茸、黒豆と並ぶ丹波篠山の特産品の栗。やさしい香りと素朴な甘み、ぴかぴかに光る艶を持つ丹波栗は、古くから朝廷や幕府に献上されてきた最高級ブランド。その“日本一”とも称される和栗の里を訪ねて。2021年9月17日(金)発売Hanako特別編集『ケーキ、焼き菓子、おやつを買いに。』よりお届け。

和栗のやさしい甘みと風味がもたらす、圧倒的な幸福感。

山に囲まれた篠山(ささやま)盆地に広がる丹波篠山。この地で1734年に創業し、黒豆の卸店として歩んできた老舗〈小田垣商店〉。扱う最高品質の「丹波黒」は、一流の料理人を筆頭に有名和菓子店も惚れ込むほど、その大きい粒と凝縮した旨みで知られている。そんな同店が、国の登録有形文化財である本店や庭園を現代美術家・杉本博司氏と建築家・榊田倫之(ともゆき)氏が主宰する新素材研究所の設計により改修し、カフェ〈ODAGAKImamedou 小田垣豆堂〉を2021年4月にオープン。自家製の黒豆茶とともに、“日本一”と称される丹波の栗を使ったスイーツを“ご当地”で味わえると、全国から栗好きが足を運んでいる。

上品な味わいで余韻を残す「ODAGAKI モンブラン」1,400円。
上品な味わいで余韻を残す「ODAGAKI モンブラン」1,400円。

スイーツの筆頭にオンメニューするのは、いちばん人気の「ODAGAKI モンブラン」。味の要となるのは、毎年秋に収穫した栗を使って作るモンブランペースト。最高の食べごろを逃さず収穫し、特別製法で一気に味を閉じ込めることにより、一年中、和栗の風味を楽しめるという。舌にのせた瞬間、広がるのは研ぎ澄まされたようにシンプルで素朴な甘み。と同時に、すーっと心が和らいでいく不思議な感覚がやってくる。その正体をつかもうと、ひと口、またひと口とスプーンを動かす。アーモンドの焼菓子、ほんのりカスタード、生クリーム、渋皮煮、甘露煮、そして黒豆。異なる食感の存在は確かだが、和栗のやさしい甘みはふわっと口内を包み込むものの、すぐに跡形もなく消えてしまう。気づけばお皿は空に。なんと儚はかないモンブランだろうか。

渋皮栗甘露煮のクリームがトッピングされた「丹波栗のソフトクリームパフェ」1,200円。
渋皮栗甘露煮のクリームがトッピングされた「丹波栗のソフトクリームパフェ」1,200円。

「丹波栗のソフトクリームパフェ」で再トライをするも、結果は同じ。ひんやりとクールダウンした口の中に温度がまた戻ると、あのやさしい甘みは消えてしまう…。ただ、どちらも食後に訪れるのは、圧倒的な幸福感だ。“地元にある素材を、純粋に生かしただけ”というシンプルさこそ、最強。山間の小さな町で出会った、自分史上最高の“モンブラン体験”。誰かに話したくなるのも、当然だ。

〈小田垣商店 本店ショップ ODAGAKI mamedou 小田垣豆堂〉/丹波篠山

〈小田垣商店 本店ショップ ODAGAKI mamedou 小田垣豆堂〉/丹波篠山

神戸・三宮から車で約1時間。電車の場合はJR宝塚線・福知山線「篠山口」駅よりバスかタクシーで約15分。
■兵庫県丹波篠山市立町19
■079-552-0011
■11:00~16:00LO(ショップは9:30~17:30)木・年末年始休(ショップは年末年始のみ休)
■34席

(Hanako特別編集『ケーキ、焼き菓子、おやつを買いに。』掲載/photo:Kunihiro Fukumori text:Yoshie Chokki)

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