エシカルに美しく在ること。 アン ミカさん教えて！HAPPYのために心がけている3つのこと。 LEARN 2021.05.29
これからの時代の美容は、独りよがりではなく、環境にも、未来にもエシカルであることがキーワード。ポジティブに、楽しく、美しくいるために、私たちができることとは？顔の造形や立ち居振る舞い、雰囲気など、“ 美しい”と感じさせるポイントは多々あれど、本当の意味で“ 美しい”のはどんな人？人生の先輩であるアン ミカさんに、“美しく在る”ために大切なことを伺います。5月28日（金）発売 Hanako1197号「気持ちいい生活の選びかた。」よりお届け。
『相手の気持ちに寄り添える 心地よい人こそ、美しい人。』
“美しさ”の定義って、人それぞれあるけれど、アン ミカさんが本当の意味で、美しいと思う人とは？「私自身、幼い頃はコンプレックスの塊で。決して裕福ではない家庭で育ち、5人兄弟の中では小柄で、一人だけぽっちゃりしていました。さらに、顔に怪我をしたことが原因で、笑うと唇がめくれ上がってしまう後遺症に悩まされ、上手に笑うこともできず、“なんで私ばかり”と悩む日々。でもそうした“私ばかり”という被害者意識や自己憐れん憫びんって、癖がついてしまうと幸せの規模を小さくしてしまうし、変わろうという発想も生まれにくくなるんですよね。
そんなネガティブ思考でコンプレックスだらけだった私に、母が“本当の美しい人は、一緒にいて心地よい人だよ”と言って、姿勢を良くすること、相手の目を見て話すこと、口角を上げて笑顔になること、人の話をよく聞くこと……この4つの振る舞いの大切さを教えてくれました。どれもすぐ実践できるうえに、そのひとつひとつが独りよがりではなく、相手がいるから成り立つもの。相手の気持ちに寄り添う心配りや優しさこそ、美しさの根源であると幼いながらに学び、今でも『一緒にいて心地よい人＝美人』の定義は変わりません。
内面から醸し出される美しさは、人の心を動かし、平和を生むものでもあると思うんです」母から教わった口角を上げる振る舞いは口元のリハビリにもなり、ひとつひとつ実践していくことで周囲からも褒められるように。「それがコンプレックスだらけで頑かたくなだった私の心をほぐし、自信が持てるようになりました。自信って自分を信じるって書くんですよね。自分の一番の理解者は自分であるべきだから、自分を信じ、肯定してあげるのはとても大切なこと。ネガティブな感情もコンプレックスも、全てが負の要素というわけではなく、実はポジティブな要素と表裏一体。暗闇があるからこそ光に気がつけると思うんです。
ネガティブな感情も、否定すればするほど苦しくなってしまう。だから、一旦受け入れて自覚してみる。そうすれば、良い方向に変わるにはどうすればいいのかな、と方向転換しようとできる。“キレイになりたい”という感情もそう。たとえコンプレックスがあっても、そう思っている時点で、実は“美しさ”へ一歩進んでいる。あとは素直に行動に移すだけ。だからこそ、誰かをいいな、と思ったり、自分と比べてしまうことも、決して全てが悪いことではありません。大事なのは、その感じた“いいな”を口に出すこと。
例えばSNSも、ただ“いいね！”を押すだけではなく、素敵だと感じたなら素直に相手に気持ちを伝えてみる。それは相手を認めていることになるし、相手も褒められた喜びが蓄積されます。それをきっかけにコミュニケーションが生まれることも。私も素敵だなと思ったら積極的にコメントしたり、楽しいと思うこと、人のためになりそうなことは独り占めせず、どんどんシェアしたりしています。そうやってHAPPYの連鎖を繋いでいければうれしいな」
HAPPYのために心がけていることは？
1.自分に起こるハプニングは全部信頼する。
うまくいかないことは人間誰しもあると思います。そこで過去を悔やんだり、未来を憂えてもしょうがない。起こった出来事は将来、苦難を乗り越えるための予習です。学びと発見があれば、何事も失敗ではありません。悲観せず、チャンスと思って最善を尽くせば、物事が明るく見えるように。
2.喜怒哀楽の“怒哀”は翌日に持ち越さない。
毎夜、寝る前にテディ（夫）と、HAPPY・LUCKY・LOVE・PEACE・SMILE・DREAMを意味する「HLLPSD」を唱えるのがルーティン。言葉は言霊となるので、たとえネガティブな感情があったとしても翌朝まで持ち越しません。普段からも、「うれしい」「ありがとう」「助かる」は素直に伝えます。
3.自分が“心地よい”と感じるものを知る。
好き・嫌いは克服できるけれど、心地よくないと感じるものは無理して付き合う必要はなく、手放していい。それは、モノ・コトだけではなく、人間関係だってそう。五感が心地よいと感じるものを知り、素直に取り入れることは、自分を大切にしているということ。それが自分の機嫌を取ることにも。
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Profile…アン ミカ
1993 年にパリコレ参加後、モデルやタレントとして幅広く活躍。エッセイ執筆や講演活動のほか、ジュエリーやバッグなどのプロデュース業も行う。
No. 1197
