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2019.02.22

「サウナはオーガニックコスメです」 サウナ大使が伝授!美容効果もあるサウナの効能から入り方、楽しみ方まで。

マンガ『サ道』の作者タナカカツキさんは〝サウナ大使〟を務める大先生。すばらしきサ道の扉を開くべく、まずはサウナと水風呂の基礎知識からレッスン!

LESSON1.サウナの目的「水風呂こそが命です」

タナカカツキ/1966年大阪生まれ。マンガ家。日本サウナ・スパ協会任命の「サウナ大使」。著書は『オッス!トン子ちゃん』『サ道』、天久聖一との共著『バカドリル』など。
タナカカツキ/1966年大阪生まれ。マンガ家。日本サウナ・スパ協会任命の「サウナ大使」。著書は『オッス!トン子ちゃん』『サ道』、天久聖一との共著『バカドリル』など。

まず、サウナと聞いてイメージするのって、おっさんが終電に乗り遅れて行く場所とか、汗ダラダラ流して我慢大会みたいな感じですよね。このイメージ、実は世界で見るとかなり特殊で、日本独自なんです。サウナには正しい工程がありまして。サウナ、水風呂、サウナ、水風呂……って交互に温冷を繰り返し、最後に外気浴をしたり椅子に座ったりして気持ちよく体を休める。この一連の行為をサウナっていうんですよね。そしてサウナの醍醐味は、水風呂にストレスなく入れるようになってから。これに尽きますね。最も大切なのは水温。通常16〜18℃くらいなんですが、慣れてくると低ければ低いほど気持ちいい。何年も入っていると、僕なんか18℃はぬるくて。習慣化するとやがて、水風呂の心地よさが中毒となります。冷え性も解消できたり、効果もてきめん。最近の街のサウナには、水風呂に入りやすいように水温をどんどん上げてしまっている施設があるけど、それでは全く効果がなくなってしまいます。

LESSON2.サウナの入り方「NO我慢GOODテンポ」

温冷はテンポよく繰り返すことが大事です。サウナに入る時間は人によってマチマチだと思うんですけど、一般的におおよそ10分と考えていいと思います。5〜6分で汗が出てきて、10分ぐらい経ったら水風呂に向かうのが目安ですね。もちろん個人差もありますし、サウナ室によって温度も違いますが。全身に汗がダラダラ流れてきたら出る。我慢はいけません!出たい時に出るのが一番です。水風呂は最初冷たいのを我慢しながら入ることになりますが、慣れてきたら徐々にポカポカしてくるんです。このポカポカがまたゆっくり冷えてくるので、「ああ、もう寒いな」と感じたら出るタイミングです。寒くて暖を取りたくなる気持ちのまま少し休憩。体を拭いて、再びサウナへ。この繰り返しです。サウナ室でポンプのように開いた血管が、冷水に浸かってぎゅっと収縮するわけですよ。それを繰り返してポンプのように血を送る。脳の中に酸素が運ばれるといわゆる覚醒状態になり「ととのう」瞬間が訪れます。

LESSON3.サウナの効果「サウナはオーガニックコスメです」

フィンランドやリトアニアでは、〝サウナ=オーガニックコスメ〟と言っているのをよく耳にします。最も原始的なフィンランドのスモークサウナでは電気も使わずに、薪で石を温めることで室内を暖めて、そのまま目の前に広がる湖でクールダウン。薪のサウナは温度も柔らかく、木の香りに包まれる感覚がほかと全然違いますね。そして、熱した石に水をかけて水蒸気を発生させるロウリュを行い、白樺の枝を束ねた〝ヴィヒタ〟で体を叩くのが恒例です。植物の香りって鎮静作用があって気持ちを落ち着かせますし、叩くことによって血行も良くなる。このようにケミカルなものを使わずにすべての工程が自然体験なのです。サウナにおいて植物の成分ってやっぱり必要だと思いますね。特に、香りは気持ちを落ち着かせる上でとても重要です。ヴィヒタを使わない日本のサウナで、アロマオイルを使っているのはとても良いこと。お肌の調子もバッチリ整いますし、もう、女性にとってはいいことばかりですね。

LESSON4.サウナのスタイル「ファッション性もあるのです」

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サウナハットって見たことありますか? 日本で取り入れているところはまだ少ないんですけど、フィンランドやリトアニアではかぶることが当たり前。なぜかというと、サウナ室って上部が熱くなるんですよ。下は大体30〜40℃ぐらいでも、上は100度を超えちゃったりするので、頭部を熱から守らなければなりません。頭は脳がある大事な場所ですから。フェルト素材が一般的で、カラフルでいろいろなデザインがあります。サウナハットをかぶると、誰でもチャーミングに見えるからいいんですよ。

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リトアニアの「世界サウナ祭り」に行った時の写真を見るとわかると思うんですけど、音楽フェスのような感覚で、大自然の中、老若男女それぞれ好きな格好をしています。フィンランドではたいてい水着を着て男女一緒にサウナに入りますし、そのままBBQやご飯を食べるのがセットなんです。日本ももっと若い女性が楽しむために、サウナのファッションが広がればと思いますね。とにかく楽しむことが一番!

LESSON5.サウナの種類「国の数だけサウナがある」

サウナはもともとフィンランド語ですし、サウナ人口が最も多い国もフィンランド。とはいえこの蒸気を利用した蒸気浴は、寒い地方で体を温めるために自然と広まった健康法で、ほぼ全世界的に発生しているものなんですよね。日本での歴史も古く、長らく〝蒸し風呂〟という言い方をしてました。ロシアでは〝バーニャ〟、韓国では
〝ハンジュンマク〟とか、それぞれ微妙に内容や呼び名が異なりますが、考え方はサウナとほぼ同じ。ロウリュのプロを指す〝サウナマイスター〟の国家試験があるリトアニアでは、サウナはスピリチュアルな場。ロウリュが儀式的で、自分の願いを声
に出して言ったり、リラックスするためにサウナマイスターがお茶を出してカウンセリングしてくれる時間もあって、人が心を解放する行為から始まるんです。

サウナマイスターがロウリュ後に、タオルを勢いよく振り回し熱波を送る「アウフグース」を行うのがドイツ式。迫力のあるパフォーマンスが楽しめる。
サウナマイスターがロウリュ後に、タオルを勢いよく振り回し熱波を送る「アウフグース」を行うのがドイツ式。迫力のあるパフォーマンスが楽しめる。

ドイツでは、マイスターがロウリュの後にタオルであおいで熱波を送る〝アウフグース〟が一般的。音楽を流しながら行うことも多く、エンターテインメント性が高くてユニークです。

LESSON6.サウナの真髄「サウナとは生と死の繰り返しです」

体だけでなく心のトリートメント効果も持つサウナは、ヨガとか瞑想にも近い。フィンランドで「サウナ」という言葉は、〝生と死を交互に行き来するもの〟という意味合いもあるそうです。古来インディアンたちは、シャーマンが交信するためにサウナを使っていたという話も聞きました。こういう精神世界の話に通じるのは、温冷を繰り返すことで起こる、あの〝ととのう〟状態からですね。ちょっとしたトランス状態ですから。脳内に酸素が送られ五感はばっちり覚醒しながらも、気持ちは鎮静しているので心は穏やか。ランナーズハイのような気持ち良さは、最初は経験したことのない感覚なので戸惑いました。「何、この笑いが止まらない感じ……」みたいな。でもそれで合点がいきましたね。「だからみんな行ってたのか。サウナに通うおっさんたちはこんなに気持ちいいことをしてたのか!」って(笑)。当時サウナの情報が全然なくて、僕がサウナの良さをもっと伝えなければと思ったのがすべての始まりです。

(Hanako1147号掲載/photo : Kazue Kawase (YUKAI)text : Satoko Muroga (RCKT/Rocket Company*))

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