A9DF693F-AD4C-4C7E-top8A4C-81157ED26A52
2018.12.23

「伊太利亜 ミラノ村からBuongiorno!」第4回 美食の国、イタリア。各地で行われる「珍」収穫祭を巡る!

人生の転機でミラノへ引越しした元築地OLによる、伊太利亜通信。街を駆けまわるのが大好きな好奇心旺盛の食いしん坊が、意外と田舎でミニサイズの愛すべきミラノから、リアルな日常をお届けします。第4回は、ミラノから足を延ばした小さな町で毎年開催される、ちょっと変わった食のお祭りをご紹介!

「サグラ(収穫祭)」に込められた食と故郷への想い。

0FCD2B2D-DAE9-4590-9407-A42B0F08433A

ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマといった日本でもよく知られた都市に加え、ハムで有名なパルマ、バルサミコ酢のモデナ、ボロニェーゼソースのボローニャ、ピッツァのナポリなど…イタリアは都市ごとにそれなりの知名度や特色があって、面白い。100km毎に個性ある都市が点在している、と言っても過言ではありません。というのも、元々はそれぞれの都市国家が統一されて出来た国なので、各地にそれぞれのお国自慢があるんです。もちろん、あまり知られていない小さな町にも。郷土愛が強く、皆が地元のうまいもの自慢をするのですが、その最たるものが「サグラ」。豪華な食材というわけではないけれど、特に収穫の秋にはその土地の食材に感謝し、町興しを兼ねてあちこちで祭りが!

1.「うなぎ祭り」うなぎで有名な町〈Comacchio(コマッキオ)〉

1B761BF9-83B3-4551-BB07-C80BD3716934

「小さなヴェネツィア」と呼ばれる町、コマッキオ。町の至るところに水路が張り巡らされ、情緒ある町並みに。アドリア海沿いに位置するため、海水が入り込んで淡水と混じり合い、うなぎが生息しやすい特別な環境が生まれるようです(野生のフラミンゴも生息)!9月末から10月中旬にかけての週末をメインに、町を挙げて「Sagra dell’Anguilla」(うなぎ祭り)が開催されます。

A488465E-FB01-4A60-82FD-1CD0A90F6949

車を使わずに行くには不便な場所で、ミラノからは電車やバスを片道3回も乗り継ぐ、体力勝負の旅。ローカル電車で田畑を走ったり、乗り過ごして引き返したりもしましたが…途中下車したフェッラーラで名物のかぼちゃパスタを食して気合いを入れ、自力でどうにか到着すると満足感もひとしお。祭りの初日に参加すべく、張り切って前乗り!

BF9FD5C9-7BFA-4E56-99A8-986483E7E285

この町のシンボルとも言える三つ足の橋に腰を下ろして開会式や実演を見守る人々を見ると、ほのぼのとします。うなぎのクッキーや缶詰、マグネットをはじめ、ここでしか手に入らないご当地グッズで溢れており、通りを歩くだけでもワクワク。マグネットハンターの私は、期待以上の品揃えに大興奮!

4A4693CD-5F1B-407F-8C20-587BB289C915

日本のうなぎ料理を伝えるべく数年前から祭りに参加しているのが、福岡の老舗うなぎ料理店で腕を振るう緒方シェフ。そのため、この小さな町で「君、日本人?今年もオガタが来るよ。」と声を掛けられること数回。あいにく緒方シェフの実演は別日でしたが、食を通じてイタリア人が遠く離れた日本を意識してくれるのは嬉しいものです。

CD76C0D5-D956-45ED-95C8-1240E8F30257

町の各レストランでうなぎ料理が常時提供されています。写真は〈Vasco e Giulia〉のうなぎリゾット。アルデンテのリゾットに細かくされたうなぎがよく馴染んでいること!レモンが添えられあっさり爽やかで食べやすい一方、うなぎの旨みを充分に味わえる一品です。よくよく考えると…お米とうなぎの組み合わせは日本でも馴染み深く、これはイタリア版「うな丼」のようなものかも?この町に来たら食べると決めていた、肝心の「うなぎの網焼き」をうっかり食べ忘れてしまったのは心残りです…。

2.「かたつむり祭り」かたつむりとチョコレートの町〈Cherasco(ケラスコ)〉

イタリアを代表する赤ワインの産地、ピエモンテ州の小さな町で9月末に開催されるのが「Festival della Lumaca」。「Lumaca」とは、イタリア版エスカルゴのことです。同じ州で開催される白トリュフ祭りはあまりにも有名なので、ここでは割愛。

ECD2B6BD-A1F9-4353-B8B4-91CB6709542C

ミラノから鈍行列車に揺られて2時間半。到着したケラスコでは、沢山のかたつむりがお出迎え。各商店が趣向を凝らしかたつむりのオブジェを飾っています。こぢんまりと可愛らしい町がますますチャーミングに。ケラスコはチョコレートでも有名で、老舗チョコレート屋のショーウィンドーがひときわ目立っていました。

695AB881-FDA3-4FDD-963B-2D87725A63B9

金曜日の夕方、祭りの始まりとともに人々が徐々に広場に。屋台では大量のかたつむりが売られ、試食コーナーも設けられています。

B31BD3F0-DAA8-4D08-B287-7CAF953CE2FA

ギターの伴奏と歌い手の声が心地よく、子供も体を揺らしてリズムをとっていたり、大人はお酒を片手におしゃべりを楽しんでいたり。ちなみに、祭りに来ない周辺住民は「かたつむりが苦手」とバレるのだとか(笑)

BA946C97-F25D-489E-ABBE-AA80B306DA38

〈Osteria La Torre〉で、かたつむり料理を堪能。にんにく、イタリアンパセリ、バターで和えたかたつむりをオーブン焼きにした「Lumache alla parigina」は、例えるならば螺貝のアヒージョのような味。いくらでも食べられそうです。

3.「りんご祭り」りんご王国、ノン渓谷の町〈Cles(クレス)〉

A9DF693F-AD4C-4C7E-8A4C-81157ED26A52

日本で北国といえば、りんご。イタリア最北の州でもりんごの生産が盛んで、10月2週目の週末にりんご祭り「Pomaria」が開催されます。農家の人と一緒にりんごの収穫を体験したり、料理教室が開かれたり、最も大きなりんごや変わったりんごを選出するコンテストがあったり。とにかく町はりんご尽くし。この地で育った日本の品種「ふじ」も売られています!

901B9C47-BD5F-49F7-926E-A6253C47F154

シナモンが効いた温かいストゥルーデル(オーストリア風アップルパイ)を産地で食べると、また格別。大人気で午前中には完売でした!昼食にどこかレストランに入る予定が、屋台が充実していてその必要がなく「km0」(地産地消)のワイン、サラミ、チーズを食べ歩き。

92FF74D4-31C8-462D-9EF0-79F2D6E1ED28

グリム童話のような雰囲気を醸す音楽隊に連れられ、イヤホンを配布された参加者が森の中を練り歩き、ポイント毎に立ち止まって大迫力のコーラスを楽しむイベントが印象的。

38FB1E04-30CE-4357-9E6F-EC2E46FBE204

軽快なものからフォークソング風のものまで、りんごにまつわる歌ばかりのシュールな感じがかなり気に入りました。今りんご祭りを思い出すと、あの森で聞いたりんごの歌が頭の中に流れるほど(笑)天気も良く、渓谷の秋景色に癒されましたよ。

~今回ご紹介したお店はこちら~

〈 Vasco e Giulia 〉
■住所:Via Ludovico Muratori 21, 44022 Comacchio FE
■営業時間:12:00~14:00、19:00-23:00(水曜日は昼のみ)
■定休日:月曜日

〈 Osteria La Torre 〉
■住所:Via Ospedale 22, 12062 Cherasco CN
■営業時間:12:30~14:30、20:00~22:30
■定休日:月曜日

静谷 麻衣
静谷 麻衣 / ライター

「いままでに訪れた国、約35カ国。イタリアに住んでからというもの、太陽が照りつける真夏の海で泳ぐことが何よりの楽しみとなりました!(Instagram @shizuraaa)」

静谷 麻衣さんの記事一覧 →
2021年4月1日以降更新の記事内掲載商品価格は、原則税込価格となります。ただし、引用元のHanako掲載号が1195号以前の場合は、特に表示がなければ税抜価格です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。
TOPに戻る