2018年春ニューオープン 世界中のデザインを体感できる。香港で話題の中環〈H QUEEN’S〉をご案内！ LEARN 2018.12.03

アジア最大級のアートフェア「アートバーゼル香港」が開催されることでも有名な香港は、世界中からコレクターやキュレーターが集まる街。近年は都市開発とともに、次々とアート関連施設や新しいギャラリーが建ち始めている。中でも、香港の金融の中心地であり、高層ビルやブティック、ショッピングセンターが乱立するセントラルには、世界的にも有名なギャラリーが密集し、常に展示が行われている。

そんなセントラルのクイーンズロード（皇后大道中）に面した一等地に、今年の春オープンした26階建てのビルが〈H QUEEN’S〉。モダンで洗練されたビルの設計を手がけたのは、アジアを代表する建築家のウィリアム・リム率いるCL3。モノトーンを基調としたグランドフロアで案内モニターをチェックしたら、エレベーターでお好きな階へ。〈David Z Maison〉や〈PACE〉〈Whitestone〉など世界を代表するギャラリーが入っており、常設展として有名なアート作品を置いているギャラリーも。1階にはパステルカラーのケーキが有名なカフェ〈ViveCakeBoutique〉や人気フレンチビストロ〈La Petite wirner〉、ほかにも中華ダイニングやギリシャ料理店などが入る。ギャラリーを楽しんだ後は、一流のレストランでアート談義に花を咲かせるというのもよさそう。

1967年に開業した東京の老舗画廊〈Whitestone〉は、日本のアーティストをいち早く海外へ紹介してきた、美術業界の先駆者的存在。2015年に初の海外拠点として選ばれたのが香港。市内に2店舗ギャラリーを構えた後、今年から〈H QUEEN’S〉に移転。8階の企画展は1カ月ごとに替わり、白の空間でアート体験を楽しめる。7階は常設展。草間彌生や奈良美智、前衛美術集団「GUTAI」の白髪一雄や嶋本昭三など、日本を代表する作家の作品を見られるので初心者も訪れやすい。

〈Whitestonex〉
■11：00~19：00　月休
■H QUEEN’S 7.8F

上海でスタートし、香港とシンガポールに拠点を広げながらアジアの現代美術シーンを引っ張ってきた〈PearlLam Galleries〉。中国人アーティストのSu XiaobaiやZhu Jinshiの抽象画作品は、世界的にもファンが多い。香港には、同じくセントラルで徒歩5分圏内にあるヨーロピアン建築の「ペダービルディング」内にもうひとつのギャラリーがある。企画によっては、2カ所で同時開催をすることも。どちらもギャラリーが集まるユニークなビルなので、周遊もおすすめ。

〈PearlLam Galleries〉
■10：00〜19：00　日休
■H QUEEN’S 9F

バンコクで1997年に開業し、現在は香港以外に北京とバンコクにギャラリーがある。約8割が中国人アーティストの作品、2割はその他アジアの作品を扱う。インパクトのある立体作品も数多く展示しているので、クラシックなアートでは物足りず、パンチ強めのアート体験を求める人に訪れてほしい空間。取材時は、中国人アーティスト・ザオ・ザオによる、「1秒で描いたドローイングを1年かけて大きな絵画作品にする」というコンセプトの大型作品が多数展示されていた。

〈Tang Contemporary Art〉
■11：00〜19：00　日月祝休
■H QUEEN’S 10F

NY、ロンドン、ソウル、北京、香港に拠点を置く〈PACE〉は、言わずと知れたコンテンポラリーアートの世界トップギャラリー。映像ブースにはLEDモニターが設置され、美しい4K映像作品が楽しめる。取材時もLEDライトの作品で幻想的な空間に。近年はテクノロジーアートの新プロジェクトも始動。アメリカで行われたその第一弾企画として、日本ではおなじみのクリエイティブ集団「チームラボ」の展覧会が開催された。ここに来れば世界最先端のアートに触れられる。

〈PACE〉
■11：00〜19：00　日月祝休
■H QUEEN’S 12F

クイーンズロード（皇后大道中）に面したガラス張りのビル。各ギャラリーの企画展はHPでチェックできる。営業時間や定休日はギャラリーごとに異なるので事前に確認を。
■中環皇后大道中80號
■2343-1738

（Hanako1166号掲載／photo : Natsumi Kakuto text : Satoko Muroga coordination : Joyce Wan）