観光客が日常に溶け込む旅。 鳥取・若桜鉄道で片道30分の鉄道旅を。その魅力と沿線のオススメ店をご紹介! LEARN 2018.08.13

昭和初期から鳥取の山間を走り続ける若桜鉄道。2018年には新しい車両が誕生し、静かに人気を集めています。終着駅の散策も楽しい、かわいい列車で束の間の旅へ。

小さくて素敵な旅の始まり。

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鳥取駅から列車で約10分、郡家駅に着くとそこで線路が分岐する。一方はそれまで乗ってきたJR因美線、そしてもう一方が第三セクターの「若桜鉄道」だ。若桜鉄道は終着の若桜駅までわずか8駅、総距離19・2キロメートルという小さな路線。終点から先には線路が続かないため、沿線にはのどかな風景が続く。八東駅と徳丸駅の間には八東川をまたぐ小さな橋がある。川辺は列車を真横から見られる、絶好の撮影ポイントだ。

有名デザイナーが手がけたレトロモダンな地域の列車。

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2018年4月、若桜鉄道に新たな仲間が増えた。車両デザインで有名な水戸岡鋭治氏による観光列車「昭和」だ。モダンだが、1両のかわいい列車はのどかな風景によくなじむ。観光列車といっても通常運賃で乗車でき、ダイヤも普段通り。

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車内は、通学中の高校生や買い物帰りのおばあちゃんが観光客と並んで座る和やかな雰囲気。開業当時の姿を留める若桜駅をはじめ、沿線の駅舎や鉄橋は登録有形文化財。古き良き風情と新しい魅力が溶け合う若桜鉄道に、今こそ乗りたい。

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旅のお供は〈たくみ割烹店〉の「鳥取牛寿し」1,000円(税込、要予約)。柔らかく煮た肉に刻んだらっきょうがアクセント。

帰りの列車まで町散策。

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郡家駅から約30分の鉄道旅を終え、終点の若桜駅に到着。町の面積の95%以上が森林という自然豊かな若桜町には、美しい水で育った食材がたくさん。宿場の趣が残る「仮屋通り」には、地産の食材を堪能できる店が並んでいる。〈太田酒造場〉は1909年創業。半径3㎞以内の農家の酒米と地元の水で、銘酒「辨天娘」を造る。

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鳥取の酒は“燗して尚良く”がお約束。温めたら味が膨らむよう、しっかりと発酵させる。米をブレンドせず、農家別、品種別に仕込む手間にも脱帽だ。

〈太田酒造場〉
■鳥取県八頭郡若桜町若桜1223-2
■0858-82-0611
■8:00~21:00/不定休

豊かな自然の恵みにお腹いっぱい。

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築130年以上の古民家で営む〈ダイニングカフェ新〉ではおいしいトンカツが食べられる。

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平口貴一さん・亜弥さん夫妻が2011年に開業。貴一さんの父が若桜町で育てる「吉川豚」を使い、トンカツは鍋や材料を吟味し昨年完成した自慢のレシピ。

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低温調理の肉が柔らかい。ランチセット1,300円(税込)。

〈ダイニングカフェ新〉
■鳥取県八頭郡若桜町若桜298
■0858-71-0002
■10:00~17:00/月、第3日休
■24席/禁煙

若桜鉄道でゆったり自分時間を過ごそう。

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鳥取駅からJR因美線で郡家駅まで行くと若桜鉄道に乗り換えられる。毎日数本JR因美線が乗り入れ、2時間に1本ほど運行している。「昭和」は通常ダイヤに組み込まれているため不定運行。乗車の前に問い合わせするのがベター。

■0858-82-0919
■公式サイトはこちらから。

(Hanako1160号掲載:photo:Ayumi Yamamoto text:Kahoko Nishimura edit : Chiyo Sagae)

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