「挫折を経て、軌道修正力が養われました。」 独立して起業!不動産プランナー・岸本千佳さんは、どうやって理想を形にしたのか? LEARN 2018.07.20

不動産企画から仲介、管理までを請け負う「不動産プランナー」として活躍する岸本千佳さん。挫折を経つつも、彼女がどのようにして自分の理想を叶えたのかに迫ります。

物件から使い手まで、幸せな関係を繋ぐ仕事。

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岸本千佳/〈アッドスパイス〉代表。現在は不動産企画・仲介・管理を一括で受け、建物のプロデュースを業とする。著書に『もし京都が東京だったらマップ くらべて楽しむ「街の見方」(イースト新書Q)がある。

京都で生まれ育った岸本千佳さんにとって「町家カフェ」のようなリノベーション物件は身近なものだった。大学の建築学科に入学するも、「設計には向いていない」と挫折を経験。しかしそこで諦めずに「新しいリノベーションの仕組みを作る人になろう」と舵を取る。
「進路を考え直したことで〝軌道修正力〞が養われました。100%思い通りにいくことなんてありえないけれど、軌道修正すれば良い場所まで辿り着けると思うんです」

卒業後は東京の不動産ベンチャー企業に入社。5年後には独立し、不動産企画から仲介、管理までを請け負う〝不動産プランナー〞として活動。やがて拠点を京都に移した。
「残すべき物件がたくさんあって、同業者も多くない。拠点に京都を選ぶのは自然なことでした」

しかしいくら地元とはいえ、不動産プランナーとしてはよそ者同然。はじめは苦労した。しかし京都に戻ってから発表した著書『もし京都が東京だったらマップ』で見せた独特の着眼点などが共感を得て、徐々に大きな依頼も舞い込むようになる。

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岸本さんが手がけた「SOSAK KYOTO」のビフォー。

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木造アパートがリノベーションを経て、7組のクリエイターのシェアアトリエに生まれ変わった。

活動が軌道に乗ってきた頃、和歌山で飲食店を営む現在のパートナーと出会い、2拠点生活に。
「私にとっては良い意味で想定外の転機。仕事の観点から見ても和歌山には大きなポテンシャルを感じるんです」。楽しい街がまた増えそうだ。

岸本千佳さんのターニングポイントとは?

①設計の道を諦めた、大学時代の挫折。
建築学科に入学。浪人したぶん理想が高まっていたからこそ、「思っていたのと違う!と焦りました」と岸本さん。「でも建築に関わる仕事は設計だけじゃないということも、大学に入ったから知ることができた。この頃イメージした仕事内容に、最近やっと近づいてきたかも」

②独立して起業し、自分の理想を形に。
街の魅力を高めるため、不動産のポテンシャルを引き出し、運用計画から使い手を見つけるところまで一貫してプロデュースするように。案件の一つのシェアアトリエ「SOSAK KYOTO」は、古い木造アパートを改修して出来た。7組のクリエイターが入居している。

③結婚し和歌山へ、2拠点生活の開始。
結婚を機に和歌山にも拠点を構えることになった。「一人ではできないことも二人いればできることが2倍以上になる。和歌山でもよそ者の自分ができることを探して、豊かな暮らしを提案していきたい」という思いで、和歌山でも住宅転用事業の新しい会社を設立した。

(Hanako1159号掲載/photo : Yoshiki Okamoto text : Rio Hirai)

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