Hanako2022年8月号「自分に優しく、人に優しく。SDGsのニュールール」特集 世界に一つのレゴ。作ったのは、プロのレゴ職人「マスター・モデル・ビルダー」のなかやまかんなさん。 LEARN 2022.06.27

6月28日発売のHanako2022年8月号「SDGsのニュールール。”自分に優しく、人に優しく”」特集の扉のページを飾ったのは、SDGsのロゴをモチーフにしたレゴ作品(写真上)。この特集のために世界に一つだけの作品を作ったのは、世界に20数人ほどしかいない、プロのレゴ職人「マスター・モデル・ビルダー」であり、〈レゴランド®・ディスカバリー・センター大阪〉に所属する、なかやまかんなさん。今回の制作にあたって考えたことや、幼稚園の頃からの夢だったという「レゴのかいしゃにはいりたい」を実現させた彼女のこれまでの軌跡を聞きました。

レゴとSDGsに共通するもの。

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「私は、自分が作ったレゴは壊して次の作品にしよう、と子供たちに言うんですね。せっかく作ったのにもったいない、という気持ちもわかるんですけど、バラしたブロックは自分や誰かが次に作るものの土台やパーツになるから。私たち生き物や地球も、毎日のように新陳代謝やスクラップ&ビルドがあって、それがバランスを保っている。ちょっと勉強っぽい言葉で言うと、”動的平衡”というのですが、SDGsが掲げる”持続可能性やサステナビリティ”もまさにそうしたサイクルから生まれるもの。そう考えると、レゴ®ブロックとSDGsって似ているんです。新しく人がやって来て、何かを作る。さらに後から新しい人が来て、前の人の作品の一部を借りて、新しいものを作る。そうした循環をイメージさせる作品にしようと。登場人物は肌の色も性別も年齢も異なる、世界中のいろんなバックグラウンドを持った人たちにしようと思って、作りました」

正解がない、ものづくりの純粋な喜び。

子供向けのワークショップ。実際になかやまさんが作る様子をモニターで表示。これはわかりやすい!
子供向けのワークショップ。実際になかやまさんが作る様子をモニターで表示。これはわかりやすい!

そんな彼女がレゴ®ブロックと出会ったのは幼少のころ。
「姉の影響で触るようになって。幼稚園生のときにすでにレゴの会社に入りたい、と思ってました。レゴ遊び以外に絵も描くし、裁縫も好きで、既存のものではなくて、新しいものを作るのが好きでした。「なかったら作ろう」精神というか。それは今の姿勢にもつながっていますね」
小3のとき、レゴ職人がいる、と知り、ますますのめりこむ。動画を見て、ロボットやラジコンカーなど、”動くレゴ作品”も作るように。
「大学選びも、レゴのスキルをあげるためには”工学”の知識が役立つ、と大阪大学の基礎工学部へ。在学中にレゴ部を創設しました」。
そして、2015年、プロのレゴ職人を決める「マスター・モデル・ビルダー」コンテストで優勝(当時、世界で13人(現在は20数人)、日本人で2人目となる、マスター・モデル・ビルダーとなる。優勝後は〈レゴランド®・ディスカバリー・センター大阪〉に所属し、毎日子供向けのワークショップを開催、外の企業からの依頼案件(「新婚さん、いらっしゃい!」(朝日放送テレビ)のセットや大阪府警の建物(!)なども)を受けたり、自身のオリジナル作品を作っている。そして、2児の母でもある。

手を動かすことの楽しさを子供たちに伝える。
手を動かすことの楽しさを子供たちに伝える。

「こどもとレゴ遊びをしていると、大人には想像もつかない視点や発想に驚かされます。また、これを作ったら怒られるとか、逆にほめられる、とか計算や正解のない自由なところも良い。純粋な、ものづくりの喜びがあるんです。現在は休止中ですが、レゴランド®・ディスカバリー・センター大阪には「大人のレゴ教室」もありますし、久しぶりの人も初めての人も、大人の方にもぜひレゴ®ブロックに触れて欲しいと思います」

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<レゴランド®・ディスカバリー・センター大阪>
■大阪府大阪市港区海岸通1丁目1−10 天保山マーケットプレース3階
■0800-100-5346
■10:00~16:00 (併設されているレゴランド®・ディスカバリー・センター大阪ショップは11:00~16:00)
■不定休(天保山マーケットプレースの休館日に準ずる)
※予告なく、営業時間が変更される場合あり。大人の方のみの入場は不可。
オフィシャルHP

(photo : Shinsaku Yasujima text : Hanako)

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