都内の寺院を言葉で巡ってみる。 【東京】ユニークで心に残る言葉たちに出会える寺院4選 LEARN 2022.01.24

寺院の掲示板に貼り出されている標語。ユニークで心に残る言葉だと注目されている。 名言で脚光を浴びている寺院へ出かけてみると、思いがけない言葉との出会いがあるだろう。

原宿の裏通りに佇む妙円寺。門の手前にある大きな掲示板に貼り出される、住職の手書きの言葉が注目されている寺院の一つだ。住職の本間大智さんは「違うモノの見方ができる言葉を貼り出しています。私自身で考えた言葉のほか著名人、作品からも言葉を引用しています」と語る。

ネット社会になって、より他人の意見を気にするようになったからだろうか、「お釈迦様を嫌いな人もいた『誰にも嫌われたくない』なんて思わなくていい」という言葉も。仏教を説き始めた時、お釈迦様に批判的な意見を持つ人がいたことを踏まえ、本来の自分の意見を貫き、過度に他人の目を気にしなくてもいいという意図がある。人間であれば考えてしまう損得勘定を捨て、時々は損してもいいというおおらかな気持ちでいてほしいとの思いから書かれた「損得ばかりじゃ疲れちゃう たまには損でもいいじゃない」。「諸行無常人生は逆転だらけ」は、仏教の教えにもある、どんなところにも光があるということを伝えたかったそうだ。

1.〈妙円寺(みょうえんじ)〉

1627年、円成院日光上人が草庵を建立したのが始まり。7代目住職・立正院日寛上人が本堂・客殿などを相次いで建立し、お寺を盛り立てたことから、日光上人を開山、日寛上人を中興開山としている。

〈妙円寺(みょうえんじ)〉

〈妙円寺(みょうえんじ)〉
■東京都渋谷区神宮前3-8-9
■03-3401-4490

2.〈本明寺(ほんみょうじ)〉

〈本明寺(ほんみょうじ)〉

誰も罪を犯したくないと思い生きているが、それでもさまざまな縁によっては、自分自身が加害者となっているのでは?と問いかけている。良いと思って行ったことも人によっては迷惑になっているかもしれない。

〈本明寺(ほんみょうじ)〉

〈本明寺(ほんみょうじ)〉
■東京都墨田区太平2-7-1
■03-3623-1536

3.〈林海庵(りんかいあん)〉

〈林海庵(りんかいあん)〉

唱歌として有名な「紅葉」の歌詞を、ダイバーシティ(多様性)を重んじる時代にかけたもの。異なる色をしている個々が美しいからこそ、一つになった時、さらに輝いて見えるという意味が込められている。

〈林海庵(りんかいあん)〉

〈林海庵(りんかいあん)〉
■ 東京都多摩市和田1529-10
■042-374-8671

〈蓮光寺(れんこうじ)〉

〈蓮光寺(れんこうじ)〉

生きていく上で誰しもが考える「都合よく生きたい」。でもそれは錯覚の一つ。現実に立っていないからこそ生まれる願いであり、仏教を通してそこから解放されることが本当の人間の願いなのではないだろうか。

〈蓮光寺(れんこうじ)〉

〈蓮光寺(れんこうじ)〉
■東京都葛飾区亀有1-25-31
■03-3601-2034

(Hanako1204号掲載/photo : Shinnosuke Yoshimori, Satoru Nakano text : Yuko Watari)

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