2022年、いまこそ行きたい神社。 【京都】海を渡って〈籠神社〉へ。宮津・天橋立のたもとで元伊勢として名を馳せる。 LEARN 2022.01.08

日本には日々の喧騒から離れて静かに心を取り戻す場所が守られている。敷地内を心地よい風が抜け、鳥の声が聞こえる神社やお寺だ。昔の人もそっと自分をかえりみたり、大事な人の健康を願った。私たちも時間に余裕ができたら大自然に抱かれた社寺へも、参拝を目的に訪れてみてはどうだろう。緊張した日々を過ごしたこの一年、2022年への希望と共に新たなる一歩を踏み出すために。今回は、京都〈籠神社〉を訪れました。

古代の信仰が今に残る奥宮 眞名井神社。

続いては歩いて15分ほどの場所にある奥宮 眞名井神社へ。まず出迎えてくれるのは境内に湧く「天の眞名井の水」。海部氏3代目の祖先、天村雲命(あめのむらくものみこと)が神々の使う霊水を黄金の鉢に入れて持ち帰り、高千穂宮、続いて眞名井原、そして倭姫命(やまとひめのみこと)により伊勢の上御井(かみのみいの)神社に移されたと伝わる御神水だ。

古くは縄文時代から人々が祈りを捧げた磐座が鎮座する境内は、昼間でも静けさが満ちる場所。2つある磐座の一方には御祭神の豊受大神を祀り、もう一方には天照大神と伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)、伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)を祀る。千数百年の時を超えて神へ祈れば、今が脈々と受け継がれる歴史の一部であると実感するはずだ。参拝の道中に様々な楽しみが待っているのは、景勝地にある神社ならでは。

天橋立のある南岸から籠神社がある北岸へは、船のほかに徒歩や自転車で渡るのもいい。モノレールやリフトで昇る南北にある展望台から天橋立を眺めたり、南岸の文殊堂の名で知られる智恩寺の門前にある「智恵の餅」を味わったり。心に余韻を残す時間を満喫したい。

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