募集要項を読解。 JAXAが宇宙飛行士募集!『どんな人が宇宙飛行士になれる?』13年ぶりの募集要項を読み解く。 LEARN 2022.01.15

今回の募集が話題を呼んでいるのは13年ぶりということもあるけれど、応募できる人の制限が以前よりも圧倒的に緩和されたから。宇宙を楽しむコミュニティ「そらビ」の講義で募集要項を読解した。

【インタビュー】宇宙飛行士を目指す人にインタビュー。
1.「多方面で力をつけ、宇宙に携わる人材に。」藤本萌歌さん

現在高校2年生、16歳の藤本萌歌さん。「そらビ」の宇宙飛行士部では最年少だ。宇宙飛行士を志したのは、中学卒業の頃だという。「高校に推薦で入ったので、受験の時には高校卒業後の進路についても考えました。それから、どの大学に入り、どんな道を辿って宇宙飛行士になるかを念頭に置いています」。

友人の気持ちを慮ることが得意で、クラスや部活のまとめ役になることが多かった藤本さんは今、心理学や行動科学の分野に興味があるという。「宇宙飛行士になる人はパイロットや医者などハイレベルな職種が多いなか、自分は何のスペシャリストになるかと考え、私は心の面で関わりたいなと。宇宙滞在が長くなると、人間関係でトラブルがあるとも聞きますから。宇宙飛行士でなくても宇宙に携わることがしたい」

藤本さんは天文部と弓道部に所属。天文部での活動以外に、1年生から続ける宇宙塵の研究にも力を入れている。「夏には北海道まで行き、スペースバルーンを飛ばしてきました。今は、“宇宙塵と思われるもの”の観察をする日々です」「そらビ」の宇宙飛行士部に参加し、刺激も多いという。「多種多様な人が集まっているけれど、目指すところはみんな宇宙飛行士。自分の強みや内面を振り返る作業が面白いですね」

Profile…藤本萌歌

ふじもと・もえか/都内の学校に通う。「将来は職種も多様化し、あらゆる人が宇宙に行けるはず」と、進路は文系を選択。

2.「夢を追える状況にある今、諦めたくない!」吉山 紬さん

2021年3月に宇宙飛行士の募集を知ったという吉山紬さんは、福島で牛の獣医をしている。「まだ畜産×宇宙=何になるのか、はっきりとはわかっていないのですが、挑戦するべく走り出しています」。

現在は大学院にも通い、牛の繁殖の勉強中。農家の経営を良くすることも、牛の獣医の役目なのだそうだ。「私は食糧になる動物を扱っているので、宇宙での食の問題にも貢献できるかもしれません。また、草や土について学べる環境にいることも、私の強みだと思っています」。

当初は、万全に準備した上で5年後に応募しようと思っていたが、「そらビ」の宇宙飛行士部に参加して考えが変わったという。「周りは、資格をとっていたり、13年前にも受けた人がいたりと、本気の人ばかり。私も次の募集に向けて全力を注ぐべきだと、触発されました。

でもやはり宇宙飛行士を目指す人たちなので、協調性があって『みんなで頑張ろう』という雰囲気。コミュニティを盛り上げてくれています」2児の母である吉山さんが、仕事や勉強に取り組めるのは、夫の存在が大きい。「夫は専業主夫。私が諦めそうになっても『夢を追える状況にいるのに、もったいない!』と言ってくれます。家族でチームとして頑張ろうと思えるんです」

Profile…吉山 紬

よしやま・つむぎ/福島で働く牛の獣医で、2児の母。「そらビ」宇宙飛行士部には開設当時から参加し、宇宙×畜産の道を模索している。

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