「食べられる分を食べられるだけ。」 無駄にしない食べ方と捨て方を考える。〈鴨志田農園〉園主・鴨志田 純さんに聞く、ゼロカーボンアクション。 LEARN 2021.11.20

食べ物を残すと、それがごみになる。食べられる分を食べられるだけ。それがゼロカーボンアクションになっていく。東京・三鷹で代々続く農家を営む鴨志田純さんに、無駄のない食べ方、捨て方について話を聞いた。

コンポストを活用して、生ごみを、実りある堆肥に。

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食べ物を残すと生ごみになり、燃やせばCO2を排出する。生ごみを減らすこと、それがゼロカーボンアクションになっていく。生ごみを堆肥に変えるコンポストをはじめるのもいい。ただ、コンポストは道具や管理方法、堆肥を作った後の循環可能な使い道まで考えるのが大切だ。

「だから最初はあまりあれこれ考えず、生ごみは出さない、これだけで十分です。個人がコンポストをはじめるハードルを考えたら、それより生ごみを少なくする工夫を考えてみてほしい」。そう語るのは〈鴨志田農園〉を営む鴨志田純さん。コンポストアドバイザーとしても活動中だ。

「まず必要以上に食材を買い込まないこと。普段私たちが手に取る野菜や果物は、ヘタや皮など使わずに捨てている部分がある。それを調理方法で解決できれば生ごみは減る。さらに生ごみは95〜98%が水分。乾燥させて捨てられればそれだけでいい」

鴨志田さんは更にその先を行く。CSA(地域支援型農業)にコンポストを取り入れ、農家と消費者の間で資源を循環させるシステムを作った。「消費者は野菜を買い、家庭から出た生ごみは堆肥にして畑へ。それが循環になる。最近では各自治体による共同コンポストなどもある。コンポストはごみの回収だけでなく災害時にはトイレの代用にもなるライフラインなんです。ソーシャルデザインのひとつとしてこの取り組みがもっと広まってほしいですね」

Navigator…〈鴨志田農園〉園主・鴨志田 純(かもしだ・じゅん)

東京・三鷹に農園を構える6代目園主。その傍ら、コンポストアドバイザーとして各地でセミナーやコンポストのプロジェクトも実施。生ごみの堆肥化と有機農業のシステム作りを行う。

(Hanako1202号掲載/photo : Megumi Seki text : Ami Hanashima edit : Kana Umehara)

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