今までとは違う段階の“防災”を考えてみよう。 都市で暮らす女性のための“はじめての防災”。「在宅時間が長い今、前と準備するものは違うの?」 LEARN 2021.09.06

コロナの影響下での生活も、2年目に突入。一時的な対応で留まりそうなものもあるとはいえ、在宅勤務が定着するなど、今後も続く変化も多くありそうだ。そんな過渡期&新たなフェーズでの防災とは?

【CHECK #1】コロナ下だからこそ、自分の備えが大切になる。

防災

コロナと自然災害の複合災害によって、マンパワーに頼れなくなると、支援物資の輸送の遅れや、電気・ガス・水道などライフラインの復旧に通常より時間がかかることも考えられる。災害が起きた直後にコンビニやスーパーに走ればいいと思っていても、みんなが必要とするようなものほど、一瞬で店頭から消えてしまう。自分で用意したもので生き延びるくらいの気持ちで備えておくことが、コロナ下こそ大事なのだ。

【CHECK #2】避難所は意外と安心。ただし、行く判断は早めに!

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避難所は、コロナ以前から可能な限り衛生状態を保つよう徹底している場所なので、必要以上に恐れなくてもOK。しかし3密を回避するために受け入れ人数を3分の1ほどに減らす自治体も多くなっているため、行ったら必ず入れるとは限らない。そのため避難所に行く場合は、早めに判断して動くことが今まで以上に大切に。また1カ所だけをあてにせず、自宅周辺の徒歩圏内の避難所を3カ所くらい把握しておくと安心だ。

【CHECK #3】リモートで“いつもの場所”に変化が。よくいる場所で360度見回してみる。

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地震が起きたとき、ものは「落ちる」「倒れる」「移動する」「飛ぶ」という4つの動きをする。そのことを踏まえ、リビングや仕事場など自宅のいわゆる定位置で、座った状態の目線から360度見回してみよう。危ないなと思ったものは、自分を傷つける可能性大。高いところにあるものは下ろしたり、倒れてきそうなものは固定するなどして対策を。まずは自分がいる場所で危険なものを認知することが、防災の第一歩だ。

【CHECK #4】自宅時間に、やっておけることにトライ。

在宅避難をするときに起こりうる状況をイメージしながら、避難訓練のつもりでいろんなことを試してみよう。自宅時間が長い今こそ絶好のチャンス!

1.非常食のアレンジレシピ作成
パスタソースをパスタ以外に使ったり、インスタントラーメンを水を使わず焼きラーメンにしたり。限られた食材で飽きない工夫をして、アレンジ力アップ!

2.非常用トイレを使ってみる
備えた時点で満足して、自分が使うことまでイメージしにくいものの代表が、非常用トイレ。メーカーによって使用方法もさまざまなので、必ず試してみて。

【CHECK #5】月に2回はやっておきたい “ペットの防災訓練”。

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ペットの防災訓練?と思うかもしれないが、ペットを同伴できない避難所は多く、同伴できたとしても基本的には別の場所で過ごさなければいけない。自宅にペットを置いていかなければいけないことも十分にあり得るので、そんなときのために、普段とは違うところに餌や水を置いても自力で見つけて食べられるようにするなど、定期的に訓練をしておこう。

【家の備えの心得】

1.コロナ下では今まで以上に自分の身は自分で守る!
2.食料、衛生用品の備蓄はローリングストックに+1。
3.在宅時間が長いからこそいろんなことを試してみる。

Teachers

◆辻直美(つじ・なおみ)/病院勤務後、国際災害レスキューナースに。著書に『レスキューナースが教える新型コロナ×防災マニュアル』など。

◆Misa(ミサ)/地震ITSUMO講座認定講師。大阪府北部地震を機に、暮らしになじむ備えを考える。著書に『おしゃれ防災アイデア帖』など。

Navigator…ハナコ

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28歳、会社員。都心に近いマンションで一人暮らし。リモートワークが定着し、急遽作った仕事場をもう少し充実させたいと思案中。

(Hanako1200号掲載/illustration : naohiga photo : Wataru Kitao text : Ikuko Hyodo)

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