今知りたい投資の6つの疑問。 お金のプロに聞いた『やさしい投資の始め方』。始めやすい金融商品は?NISAやiDeCoって? LEARN 2021.08.06

お金を増やすためには、預金よりも投資といわれる時代。興味はあるけれど、リスクへの不安もあるし、何から始めたらいいかわからないという声も。“お金のプロ”に、投資の始め方について聞いてみました。

Q.1「投資を始めるにあたり必要な心構えはありますか?」

投資は難しいイメージがあるし、何から始めたらいいのか疑問が山積み。始めるまえに準備しておくことは?

A.1「目的を明確に持ち、自分のなかのゴールを決めましょう。」

「まずは生活費の3カ月分を貯金し、貯まったらその2割ぐらいを投資に回すのがいいでしょう。ギリギリの資金で投資を始めるのは、値動きによって一喜一憂したり平常心が保ちづらくなることもあり、おすすめできません。自分のなかの目的やゴールを明確に持ったうえで始めるようにしましょう」

Q.2「始めやすい金融商品はありますか?」

株式投資、投資信託、FXなど資産運用の方法は数あるけれど、ビギナーが自分に合う商品を見つけるコツは?

A.2「自分との相性が第一優先。投資信託を視野に入れても。」

「投資は大きく3つにわけて、ローリスク・ローリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、ハイリスク・ハイリターンがありますが、初心者の方であれば、ミドルリスク・ミドルリターンな株式投資や投資信託から始めてみるのがいいと思います。迷ったらプロにお金の運用をまかせる投資信託がおすすめです」

Q.3「自分に合った金融商品を見つける方法はありますか?」

投資額やどれくらいの期間で成果を出したいかによっても選ぶポイントは変わりそう。失敗しない方法は?

A.3「少額で始めて、投資に慣れながら相性をチェック。」

「投資は習うよりも慣れることが大切だとよくいわれますが、いまは1株単位で購入できる株もあるので、まずは少額から始めてみて、自分との相性を探るのがいいと思います。慣れてきたら投資額を増やしても。株式投資は、世の中の商品、サービスへの関心やニーズが反映されるので、トレンドに敏感な女性との相性がいいです。気になる商品やサービスがあれば、まずはどこの企業がやっているのか、調べてみることから始めてみましょう」

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Q.4「リスクが大きいと聞きますが、実際はどうなのでしょうか?」

投資はリスクが大きいイメージ。元本割れなどしないかも不安。実際のところは?

A.4「多少のリスクは投資につきもの。ローリスクな投資方法もあります。」

「実際、どんな投資でもリスクがゼロというものはありませんし、元本割れしない保証もありません。ですが、ローリスクで始めてみたいというのであれば、つみたてNISAから始めてみるのがいいと思います。金融庁が商品を厳選してくれているので、商品選びに自信がないという人でも始めやすいのがポイント。自分の好きな商品を選び、積立設定をすれば、あとはプロが運用してくれるので、できるだけ手間をかけずに投資したい人やリスクを抑えたい初心者さんにも向いています」

Q.5「NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)が話題ですが、どのようなものでしょうか?」

最近、よく耳にするNISAとiDeCo。投資を始めるなら、活用したほうがいい?

A.5「税金の優遇を受けながら投資できる制度です。」

「より効率よく資産運用をするために、活用したい制度です。NISAは年間120万円までの投資から得られた利益が非課税になる制度で、20歳以上なら誰でも活用することができます。本来、投資で得たお金には利益に対して約20%の税金がかかるので大変お得。また、iDeCoは毎月一定の掛け金を支払い、その掛け金を原資として資産を増やし、老後にお金を受け取るシステムで、20歳から60歳になるまで積立ができます。所得税や住民税などの税金も優遇されるので上手に活用を」

Q.6「年金も心もとないので将来のために準備することは…」

老後に必要なお金が1人当たり2000万円といわれるなかで、将来のためにいまから準備できることは?

A.6「まずはiDeCoを始めるのもひとつの手。」

「原則、公的年金に加入している人であれば誰でも加入できるiDeCoを活用するのもひとつの手。NISA同様、投資の利益が非課税対象になるのに加え、掛け金が控除の対象になるので所得税や住民税の支払いを減らすことも可能に。ただし、iDeCoで貯めたお金は60歳まで引き出すことはできないので、無理のない範囲で活用を。公的年金だけでは不安という人のために誕生した制度なので、長期的にお金を増やすことを目的とする方に向いています」

お金を増やすために正しい知識を身につけよう。

リスクを減らし、無理なく投資を始めるための基本として覚えておきたいのが、長期投資と分散投資を行うこと。長期投資とは時間を味方につけてじっくり投資を行うこと。相場の値動きに一喜一憂せず、長い目で見ることが投資のリスク軽減に。そして、決まった金額をコツコツ投資し続ける分散投資には、時間の分散と資産の分散がある。積立投資は時間の分散で、平均購入価格を下げる効果にも期待が。

複数の投資先への資産の分散は、もし、ひとつの資産が値下がりしたとしても、ほかの資産が値上がりすることでリスクヘッジにもなる。投資はお金が増えることもあれば、もちろん減ることも。初心者であれば、月100円から投資できる投資信託への積立で投資の感覚を養うのもおすすめ。年間120万円の投資まで利益が5年間非課税対象になる一般NISAや、積立時、運用時、受け取り時(60歳以降)に税金の優遇を受けることができるiDeCoは投資の強い味方になるので活用しない手はない。知識を身につけて、無理のない範囲で投資を始めてみよう。

教えてくれた人…大竹のり子(おおたけ・のりこ)

〈エフピーウーマン〉代表取締役。編集者を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。講演やテレビ出演も多数。投資の仕組みを幅広く伝えている。

(Hanako1199号掲載/illustration : Akiko Tokunaga text : Keiko Kodera)

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