エシカルな良品を発掘。 【サステナブルな愛用品。】vol.2 生活用品は継続して使える逸品を。 LEARN 2021.06.19

毎日のように使うほどその効果が積み重なる、衣食住や趣味にまつわる生活用品。使い勝手やデザインが気に入っているからこそ、継続して使える逸品を拝見した。今回は、4人の方々にサステナブルな愛用品を教えてもらいました。

1.毎日続く“食”にこそ環境への配慮や生産背景を意識。/料理研究家・山戸ユカ

当たり前を見直し、“作っては捨てる”社会が変わるような、環境に配慮したもの選びをする山戸ユカさん。「添加物入りの加工品が主だったトレイルフードも見直しました。できる限り八ヶ岳周辺でとれた野菜を使い、素材の味を生かすよう作った料理を無添加でドライに。そんな今までになかったトレイルフード(A)を開発したり、一生使えるフライパン(B)を探したり、消費社会の“当然”に縛られない生活を意識しています。洗い物には、自然界で完全に分解される天然の界面活性剤を使った洗剤(C)を愛用。洗浄力が高いので使用量が少なくなり、海へのダメージも最小限に。使い続けた先にある地球への影響を、常に考えています」

山戸ユカさん

Profile…山戸ユカ(やまと・ゆか)

アウトドア好きが高じて無添加トレイルフード〈The Small Twist Trailfoods〉を開発。2013年に八ヶ岳へ移住し、循環型レストラン〈DILL eat,life.〉を開業。

2.近場の楽しみや長く愛する小物で身近な人に還元できるエコを。/〈broocH(ブローチ)〉ディレクター、ヘアスタイリスト・柳 亜矢子

海や神社が近いエリアへ引っ越したこと、コロナ禍で趣味の海外旅行へ行けないことから、より身近な環境を楽しむようになったという柳亜矢子さん。「完全無農薬のお米(A)を食べていますが、近所のお米屋さんで買うことで、地域経済にも貢献できていたらうれしいです。ネイティブアメリカンの文化で空気を浄化すると言い伝わるホワイトセージは、庭先に植えてドライにして焚き(B)、香りを楽しんでいます。インテリアは、本当に気に入ったものを厳選。木工作家の弟に作ってもらった燭台(C)は、質感の経年変化を楽しみつつ長く使いたい品。徹底したもの選びが、未来のゴミを減らすことにつながると思います」

柳 亜矢子さん

Profile…柳 亜矢子(やなぎ・あやこ)

服が似合う髪を提案。ヘアスタイルのほか、メイク術、オーガニックコスメ、映画などを紹介するインスタグラム(@ayakoyanagi)も絶大な支持を集めている。

3.エコな選択肢がないかを探してボロになるまで使うのが基本。/絵描き・イズミダ リー

「新しいものが必要になったら、“買う”選択の前に、リサイクルできるものがないか、周囲を見渡します。作業机(A)は、引っ越し時に旦那さんのお父さんから譲り受けたもので、絵を描くときに使う水入れバケツは、なんと小学校1年生から使っているものです」そんなイズミダ リーさんが、最近うれしいと感じているのが、エコ商品の選択肢が増えたこと。「製造過程から排水口に流れる使用後の水まで環境負荷の軽いエコ洗剤(B)や、リサイクル素材や生分解性素材、食品廃棄物で染めたファッションアイテム(C)など。使用感やおしゃれも楽しみながら、サステナブルの形を探っていける時代に感謝!」

イズミダ リーさん

Profile…イズミダ リー

北海道生まれ。幼少期から絵を描き始め、アメリカ留学時に絵を学ぶ。アクリル画の作品を中心に、看板や宣伝美術、ショップのショーウィンドーのペインティングなどで活躍。

4.繰り返し多様に使えるメイドインジャパンの良品たち。/古書店〈nostos books(ノストスブックス)〉店長・井上なつき

手作りを増やせたら、使い捨てを減らせたら、と始めた習慣が、定着しつつある井上なつきさん。「生産や輸送に大量のエネルギーを使う肉を控え、野菜を中心にした食生活の中で、自家製ぬか漬け(A)をスタート。買うより先に、まずは自分たちで作れないかを考えるきっかけにもなりました。必要な分だけ使える和晒さらしロール(B)は、つい使い捨ててしまうキッチンペーパーの代用品に。繰り返し使えてゴミが激減!食器洗いも、環境や作り手に優しい〈北アルプス高橋農園〉の米ぬか石けん(C)と、土に還るヘチマスポンジで。思いのある生活用品を使うことが、環境、人、社会に優しい選択になると実感しています」

井上なつきさん

Profile…井上なつき(いのうえ・なつき)

本好きが高じて、アートやデザインなどの感度の高い選書に定評のある、松陰神社の〈nostos books〉で働くことに。本を中心とした、カルチャーの発信も行う。

(Hanako1197号掲載/photo : Toru Kometani text : Kyoko Kashimura edit : Nao Yoshida)

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