エシカルな良品を発掘。 【サステナブルな愛用品。】vol.1 ファッション&インテリアスタイリスト・石井なお子さん LEARN 2021.06.14

毎日のように使うほどその効果が積み重なる、衣食住や趣味にまつわる生活用品。使い勝手やデザインが気に入っているからこそ、継続して使える逸品を拝見した。今回は、ファッション&インテリアスタイリスト・石井なお子さんのサステナブルな愛用品を教えてもらいました。

デザインのよさを大前提に都会暮らしのエコを実践。

「かわいかったり、おいしかったりしないと、使っている意味がないし、続かないと思うんです」25年以上スタイリストとしてビジュアル提案をしてきた石井なお子さんが思うサステナブルとは、エシカルな作りであるのと同時に、デザインや使用感に心躍る魅力があるかどうかが大切だとか。

「こまごました生活用品の収納に使っているフェアトレードのかご(A)や、アンティークの家具(B)、アップサイクルキャンドル(C)など、目に触れるインテリアだから、デザインが好きじゃないと、そばに置きたくはなりません。毎日使う、だし(G)やお茶(H)も、生産背景に共感を覚えるのと同時に、『何よりおいしい!』が、続く理由です」

そしてもう一つ大切と考えているのが、等身大でできること。「ストイックにサステナブルを突き詰めたら、田舎暮らしに行き着くと思います。でも、それは簡単にはできないから、都会暮らしでやれることを楽しむのが現実的。例えば着古した洋服をウエスにしたり(D)、ベランダコンポストをしたり(E)、漆を使わず即日で修復できる“現代風金継ぎ”で器を延命したり(F)、余り布でターバンを作ったり(L)といった、割合簡単な、手を動かしてできること。ものの命を永らえさせる工夫って、とてもワクワクします」

石井さんには、「社会的弱者の力になりたい」という思いもある。「積極的にフェアトレード商品(A、I)や障がい者の仕事創生につながるもの(K)を選ぶのは、公平な世の中にしたいから。発展途上国の方が作った商品にも、障がい者がデイサービスで作った商品にも、きちんと対価が払われる社会を願い、今日も愛用品を活躍させます」

Profile…石井なお子(いしい・なおこ)

石井なお子さん

ファッション&インテリアスタイリスト。1994年に独立後、雑誌や広告などで活躍。2016年より、デザインコンシャスに社会貢献をするブランド〈THINKS〉をスタート。エシカルな良品の発掘に力を注ぐ。

(Hanako1197号掲載/photo : Toru Kometani text : Kyoko Kashimura edit : Nao Yoshida)

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