結晶化させたお花? スイーツが可愛くなる!食べられるお花の飾り『クリスタリゼ』の作り方 LEARN 2021.05.07

人気のあの料理家さんの、注目を集めるあの店の、代名詞的なあの一品。このパートは、そんな贅沢な品々を教えてもらう豪華企画。自炊の機会が増えた今だからこそ、レパートリーに新風を!今回は、内田真美さんに「クリスタリゼ」のレシピを教えてもらいました。みずみずしい花やハーブが砂糖をまとうと、ちょっとはかなげでロマンチックな表情に。“食べられる飾り”クリスタリゼが、デザートと心を豊かに彩ります。

ブローチみたいなかわいらしさ

クリスタリゼ

エディブルフラワーの定番であるビオラ(すみれの一種)とハーブを使ったクリスタリゼ。こうしてバットや皿に並べてしっかり乾燥させるのがポイント。

■材料(作りやすい分量)&道具

クリスタリゼ

・食べられる花や葉(エディブルフラワー、ハーブ、ハーブの花など)
・卵白…1個分
・グラニュー糖…適量(多い方が作りやすい)
・絵筆
・バット
・ボウル
・クッキングシート

クリスタリゼ

1.よく溶いた卵白を絵筆に含ませる。

2. 1の絵筆で花や葉、がくに薄くまんべんなく卵白を塗る。塗り残しのないよう、裏側もしっかりつける。

クリスタリゼ

3.パン粉をつける要領で、2にグラニュー糖をたっぷりつけてから、余分な砂糖を払って落とす。

クリスタリゼ

4.クッキングシートを敷いたバットに3を並べ、キッチンの隅など日陰で数時間~1日ほど干して完成。湿度の高い時季は冷蔵庫で乾燥させるとよい。

【POINT】湿気でべたつかないように密閉して保存。

クリスタリゼ

密閉容器で保存し、クッキングシートの下にシリカゲルを入れるとより良い。1週間ほど保存可能だが、退色するので、1~2日で使い切るのがおすすめ。

【アレンジレシピ1】結晶化させたお花で、可憐なデコレーション。「カマンベールチーズとクリスタリゼ」

カマンベールチーズとクリスタリゼ

横半分に切ったカマンベールの下半分にハチミツをたっぷり塗って黒胡椒を挽き、上半分を重ねてクリスタリゼを円状に飾って。すみれの青い香りとほろ苦さが、甘じょっぱい味わいのアクセントに。キリッと冷えたシャンパンによく合う。

【アレンジレシピ2】シンプルなバターサンドがこんなに華やかに。「バターサンドとクリスタリゼ」

バターサンドとクリスタリゼ

バタークリームのサブレサンドをデコレーション。コクのあるクリームと、じゃりじゃりしたクリスタリゼの食感が心地よくマッチ。「常温に少しおいてクリームをやわらかくして、クリスタリゼを埋め込むように飾ってみてください」

無心で手を動かして花の姿と香りを閉じ込める。

クリスタリゼは、卵白を塗って砂糖をまぶす製菓の伝統的技法。料理研究家の内田真美さんは、エディブルフラワーやハーブのクリスタリゼをお菓子の飾りによく活用するそう。「砂糖で結晶化させたクリスタリゼは、生の花より形や香りが長持ちします。シンプルなデザートと合わせると、クリスタリゼのかわいらしさが引き立っておすすめです」花の隅々にまで卵白を丁寧に塗るのが、きれいに仕上げるコツ。この細かくて「工作チックな作業」も気に入っていると、内田さん。

「黙々と無心になってできるのがいいんです。素材は、食べられる花ならなんでも大丈夫。私は庭で育てたハーブや野菜の花を摘んで作ることも。花摘みからセットでやると一層楽しいですよ」使う前日に作っておくと、花が一番美しい状態で飾ることができる。手作りのお菓子はもちろん、市販のケーキやアイスに添えるだけで、おもてなしや手土産にふさわしい心華やぐ一品に。ささやかな喜びが広がる花細工を、ぜひお試しあれ。

Teacher…内田真美(うちだ・まみ)

シンプルかつ洗練された料理とお菓子、スタイリングに多くのファンが。台湾通としても知られ、ガイド本も出版。新刊『私の家庭菓子』(KTC中央出版)が好評発売中。

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