産地ごとのキャラクターをおさらい。 【全国】産地別・器の種類まとめ!知ると陶器市&オンライン陶器市が楽しくなる。 LEARN 2021.03.19

益子焼や有田焼など、器は産地ごとに特徴があるもの。改めてそのキャラクターをおさらいしつつ、直接買いに行けない今でも出会えるオンライン販売やいつかは訪ねたい陶器市の情報をキャッチして。

【北関東】

1.『益子焼』器ブームを牽引する、個性豊かな作家が集結。/栃木

陶土は空気を多く含み、ぽってりとした質感に。陶芸家・濱田庄司の存在により芸術としても親しまれる。街には窯元が250以上、陶器店は約50あり、春と秋の陶器市は毎年大盛況。次回のweb陶器市は4月29日から5月9日に予定。■益子町観光商工課 0285-72-8846

2.『笠間焼』重厚感のある佇まいはインテリアにも重宝。/茨城

鉄分の多い笠間の土は素焼き後に褐色化するため、釉薬を掛けて装飾する技法がよく用いられる。例年4月29日から5月5日に開催する「笠間の陶炎祭(ひまつり)」は今年、第40回を迎える。詳細はウェブサイトで公開。

https://www.himatsuri.net/

【中部地方】

1.『美濃焼』一堂に集まる陶器市で、多様なデザインを見比べて。/岐阜

ルーツは平安時代にまで遡り、茶碗の名品も多い美濃焼。黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部の基本4様式が生まれ、自由度が高く“特徴がないのが特徴”とよくいわれる。「土岐市美濃焼まつり」など、毎年春には焼き物のイベントが豊富。ウェブサイト「エンニチ」での開催も。

2.『瀬戸焼』白と青のコントラストが美しい、和食器の代表。/愛知

日本の焼き物を“せともの”と呼ぶ語源になった、大定番の和食器。青磁や白磁のような白い素地に絵付けを施した「瀬戸染付焼」、多彩な釉薬で仕上げる「赤津焼」に分類される。今年の「せともの祭」は現地とオンラインの両方を予定。

https://setomono-webshop.jp/

3.『萬古焼』土鍋や急須で楽しめる、丈夫な伝統工芸品。/三重

磁器と陶器の間である“半磁器”式で、生産しやすく耐久性に優れている。器のほかには、土鍋や急須などが萬古焼で作られていることが多い。例年開催される「四日市萬古まつり」では急須や花瓶などが並べられる。■萬古陶磁器卸商業協同組合 059-331-3496

4.『九谷焼』アートのように飾りたい、装飾の美しさ。/石川

極彩色のきらびやかな器。「呉須(ごす)」という暗い青色の顔料で線描きし、赤・黄・緑・紫・紺青の5色の絵の具を厚く盛り上げて塗る彩法で作られている。石川県能美市の九谷陶芸村では、毎年「九谷茶碗まつり」が開かれる。■九谷茶碗まつり事務局 0761-58-6656

【近畿地方】

『信楽焼』
『信楽焼』

『信楽焼』赤みがかった色に焦げなど、唯一無二のお気に入りを見つけて。/滋賀

狸の置物で知られる信楽焼。登窯で高温焼成することにより、土の中の鉄分が赤く発色する。さらに、窯の中で灰が回ることにより自然降灰釉(ビードロ釉)が付き、焦げも生成されるなど、ほかの焼き物との違いはさまざま。例年は10月に「信楽陶器まつり」を開催。

【四国地方】

『砥部焼』
『砥部焼』

『砥部焼』温かみのあるシルエットと、食卓になじむデザイン。/愛媛

白磁に藍色の染付けを施したぽってりと厚みのある器で、シンプルな絵柄が日常使いされやすい。産地である愛媛県伊予郡砥部町では、例年3月と10月に行われる窯出し市のほか、4月の「砥部焼まつり」など年中行事が盛ん。■砥部町観光協会 089-962-7288

【九州地方】

1.『小鹿田焼』素朴でシンプルな姿が脈々と守られる民芸品。/大分

飛びかんな、刷毛目、流しかけなどデザインに特徴のある小鹿田焼の技法は、一子相伝で300年以上守られている。小さな村の窯元9軒で作られる焼き物だが、近年人気が上昇中。例年10月には全ての窯元が軒を連ねる陶器市を開催。■日田市観光協会 0973-22-2036

2.『小石原焼』美しさを伴いながら、生活に寄り添う食器。/福岡

民芸運動を推進した柳宗悦が「用の美の極地」と称えた焼き物。刃先や刷毛を用い、ろくろを回しながら入れられた模様が規則的で美しい。通常は春と秋に「民陶むら祭」が開催されるほか、ウェブサイト「エンニチ」でのオンライン陶器市も2020年に続き開催される予定。

3.『有田焼』扱いやすさと美しさで器のビギナーにおすすめ。/佐賀

軽くて耐久性を備えた磁器である有田焼は、器の入門にもぴったり。白い素地には染付けが鮮やかに映え、絵画のように描かれた器が目を引く。今年は、毎年の「有田陶磁器まつり」に加え、オンラインでも開催予定。

http://www.arita-toukiichi.or.jp/

4.『波佐見焼』数をそろえやすい手軽さで、銘々皿にうってつけ。/長崎

白磁に藍色の染付けが規則的に施され、個体差も少ないので日用品としての人気が高い。手に取りやすい価格帯もうれしいポイントだ。カラフルなアイテムを作るブランド「HASAMI」はセレクトショップでも扱われる。「エンニチ」のオンライン陶器市が開催予定。

スマホで楽しむ「オンライン陶器市」も注目。

波佐見焼・有田焼・美濃焼が多数そろう「エンニチ」では、新しい陶器市の楽しみ方として、2020年に3回のオンライン陶器市を開催。自宅でお得に陶器市を体感できると話題を集めている。今年もゴールデンウィーク頃に陶器市を開催予定。

https://www.ennichi-japan.com/

(Hanako1194号掲載/illustration : Hana Akiyama text : Kahoko Nishimura)

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