本読みのプロおすすめ!驚愕の展開に読む手が止まらなくなる本4選
2018.10.15

女子人気のロングセラー小説から時代漫画まで。 本読みのプロおすすめ!驚愕の展開に読む手が止まらなくなる本4選

本読みのプロがおすすめする、驚愕の展開に読む手が止まらなくなる小説・漫画とは?若い女性に人気のロングセラー小説から時代漫画まで、瀧井朝世さん、青野賢一さん、トミヤマユキコさんをナビゲーターにお迎えしてお届け!

編集部 / Hanako編集部

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1.夢野久作『死後の恋ー夢野久作傑作選』

ロシア・ロマノフ王朝の宝石にまつわる体験と自らの運命を男が語り始める表題作「死後の恋」ほか全10編。奇才が作り出す、甘く、黒く、狂気に支配された幻想的な小説世界へ旅に出よう。(新潮文庫/630円)

昨年、没後80年を迎えた夢野久作は日本の怪奇小説、探偵小説において独創
的な作品を生み出してきた作家。奇書『ドグラ・マグラ』がつとに有名だが、本書所収の「瓶詰地獄」(三一書房版は「瓶詰の地獄」)は、無人島に漂着した兄妹の悪夢のような体験を、あるトリックと倒叙で読者の手によって何度もループさせ、物語の中の兄妹に地獄の責め苦を味わわせるという傑作。

2.ジュール・シュペルヴィエル『海の上の少女ーシュペルヴィエル短篇選』

海に浮かぶ小さな村で永遠を生きる少女を見つめる表題作のほか、20の短編を収録。揺らぎながら存在する少女、幾多の動物たちが、ファンタジーの世界の案内人だ。(綱島寿秀・訳/みすず書房/2,400円)

南米・ウルグアイで生まれたフランス人詩人ジュール・シュペルヴィエルは4冊の短編集を発表しており、こちらはそこからの抜粋。大西洋のはるか沖合の村で“生きる”12歳の少女を描いた表題作の結末は、なんとも切なくそれでいて抒情的だ。このほか、童話や妖精譚、神話物語ともいえそうな作品を収録しているが、どれもその枠にとどまらない独自性を発揮している。

3.小林泰三『アリス殺し』

不思議の国を迷うアリスの夢を見る大学院生と、同じ夢を見る同級生。悪夢と現実が絡まり合い、境界のあちらとこちらで事件が起こるミステリー。続く長編『クララ殺し』も好評。(東京創元社/1,700円)

名作『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を元ネタにして、アリスの不思議な世界と現代社会を接続させてみせた、ゴスロリ+ミステリー+ダークファンタジーという仰天作。非常に論理的な本格推理ものとしても見事に成り立っている。若い女性に人気でロングセラーとなった本作、それにしても結末がブラックすぎ!もうしばし唖然茫然とするしかありません。

4.つげ義春『鬼面石/一刀両断』

盲目の剣士、落武者、影武者、忍者、醜さゆえに辛酸を舐める男など、悲哀に彩られ苦しむ男たちを描いた時代漫画を収める。貸本漫画誌に発表した5 作品を、作者自らが選んだ傑作選。(ちくま文庫/950円)

ふた目と見られぬような顔に生まれついてしまったために、差別され、蔑まれる主人公・十万の可哀想すぎる人生に、びっくりしたり、ちょっと引いたりしてしまうのだけれど、どうしてもページを繰る手が止まらない!心が美しければいつか救われるなんて甘っちょろいもんじゃない。ラストシーンも衝撃的すぎて絶句。つげ義春の容赦ない追い詰めっぷりに震えてください。

瀧井朝世(たきい・あさよ)/ライター。TBS系『王様のブランチ』本コーナーのブレーンを務める。WEB本の雑誌「作家の読書道」など連載のほか、作家インタビューや書評の寄稿も多い。

青野賢一(あおの・けんいち)/〈ビームス創造研究所〉クリエイティブディレクターとして、主に社外のクライアントワークを行う。『ミセス』『CREA』などの女性誌でも連載を持つ。

トミヤマユキコ(とみやま・ゆきこ)/ライター、研究者。少女漫画、文芸、サブカルにまつわる執筆や連載を抱える。著書に『パンケーキ・ノート─ おいしいパンケーキ案内100』がある。

(Hanako1127号掲載/text:Hikari Torisawa)

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