足を踏み入れたらそこは異空間。 まるで別世界!鎌倉文化人の気品溢れる生活を体感できる観光スポットとは? LEARN 2018.08.01

避暑に避寒に海水浴も楽しめるリゾート地にと、明治の末から開けていった鎌倉。ここには皇族や華族、文化人などが次々と別荘や邸宅などを建てていった。使いながら建物を維持しているから、柱のキズひとつもいい味を醸し出している。そんな先人たちが愛し、暮らした空間に足を運んでみてはいかが?

1.北鎌倉の侘び寂びを伝える昭和の茶室。〈北鎌倉 宝庵〉/北鎌倉

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昭和のジャーナリスト関口秦の茶室として、1934年に完成した数寄屋の茶室。長年公開されていなかったこの建物が、今年から茶室&リトリートとして活用され始めた。

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苔門をくぐり深緑の庵へ。看板も何もない景観保護地区で〈宝庵〉への唯一の目印。茶室まではここからさらに深緑の道を歩く。

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〈夢窓庵〉は高台寺の庵のコピー。離れ茶室〈夢窓庵〉は、実は京都・高台寺〈遺芳庵〉の設計をそっくり反転させたもの。大きな吉野窓が見事。

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プロポーション抜群の数寄屋建築。宮大工の血を引く山口文象だけに数寄屋建築のバランスは見事。広い待合、網代天井など細部にも技が。

〈北鎌倉 宝庵〉
■神奈川県鎌倉市山ノ内1415
■080-5488-1053
■完全予約制

2.女流作家の生活を垣間見る大邸宅。〈吉屋信子記念館〉/長谷

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昭和の作家・吉屋信子が晩年を過ごした邸宅をそのまま残した記念館。昭和37年改修。数寄屋建築の第一人者・吉田五十八が設計した。壁面収納の本棚やウォークインクローゼットまで備えたモダンな空間が広がる。庭園も広く、予約すれば15人までの学習施設として利用も可。

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家具も吉田五十八の設計。ダイニングにあるテーブルや椅子、リビングのソファなど家具も吉田五十八のデザインによるもの。

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照明のない棺のような寝室。執筆のため昼寝も多い吉屋は寝室の明るさを最小限にと希望。棺のような船底天井には照明がない。

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庭園を見渡す応接間&和室。来客の多かった吉屋邸では応接間の客と和室の客が同じ目線で話せるよう高低差を付けた設計に。

〈吉屋信子記念館〉
■神奈川県鎌倉市長谷1-3-6 
■0467-25-2030(生涯学習センター)
■一般公開は4・5・6・10・11月の土、5・6月の日、5・6・10・11月の1~3日、GW中 

(Hanako1158号掲載:photo : Shin-ichi Yokoyama text : Kimiko Yamada edit : Mutsumi Hidaka navigator Kayoko Shimadu, Kazuhiro Murata)

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