あまから恋わずらい No.11 「温泉と恋」
2019.01.02

あなたはどう思う? 精神科医・星野概念のあまから恋わずらい No.11 「温泉と恋」

Hanako本誌で連載中の精神科医・星野概念さん「あまから恋わずらい」を掲載。今回は、1168号「幸せをよぶ、神社とお寺。」特集よりお届けします。

今回のテーマは、「温泉」と恋。

あまから恋わずらい No.11 「温泉と恋」

今回のHanakoの第二特集は「温泉」。今思うと恐ろしい、若気の至りの話です。中学時代はバスケ部で、毎年新潟で合宿していました。きつい練習の後は宿の温泉。疲れた体がほぐれる瞬間は最高でした。3泊目の夜、友人と湯につかりながら、エースの先輩もいたので緊張していると、壁の向こうから女子部員達の声が聞こえてきました。向こうに女子がいるという実感に、ウブな僕らがソワソワしていると、エースが「行ってこいよ」と言います。「え?」「行ってこいって。窓の外から覗けるから」「は、はい」エースに言われるまま、僕らは女子風呂に繋がる小さな庭に全裸で出ました。母親以外の裸なんて見たことない。ハッ!想いを寄せている副将もいるかもしれない。好奇心と背徳感に挟まれて圧死しそうな気分でいると、友人は早くも土の上を女子風呂方面に向かって匍匐前進しています。僕も意を決して後に続きました。そして、いざ!と顔だけ上げると、窓が曇りすぎていて何も見えない……。残念さと安心が入り交じった複雑な気持ちで、男子風呂方面に匍匐後進で戻った頃には体の前面が土まみれ。そのまま風呂に戻ると、さっきはいなかった顧問の先生が入浴していました。先生の雷のような怒りと、先輩の鮮やかなシラ切りは忘れません。未知の景色に恋焦がれた遠い思い出。懺悔のため、第一特集を参考に神社仏閣巡りに出かけてきます。

星野概念 ほしの・がいねん/精神科医として総合病院に勤務。雑誌・webでの執筆業や、音楽活動も行う。いとうせいこう氏との共著『ラブという薬』が発売中。

(Hanako1168号掲載/illustration : Misaki Tanaka text : Gainen Hoshino)

編集部
編集部 / Hanako編集部

「東銀座にある編集部からお届けします!」

編集部さんの記事一覧 →
2021年4月1日以降更新の記事内掲載商品価格は、原則税込価格となります。ただし、引用元のHanako掲載号が1195号以前の場合は、特に表示がなければ税抜価格です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。
TOPに戻る