島の味のオールスターを。 いま行きたい、沖縄・石垣島のいいお店。島のおいしいものが集結〈辺銀食堂〉の朝昼夜ごはん。 FOOD 2018.11.07

本島だけじゃもったいない。石垣島がますます、美味しくなってます。今回は、「石垣島ラー油」で有名な、この島に行ったら一度は訪れてみたい〈辺銀食堂〉のヒミツに迫ります!

「せっかく石垣島に来てくださっているのだから、島のものを存分に味わっていただきたいんです」

辺銀暁峰さん、愛理さん(ぺんぎん・ぎょうほう、あいり)/中国生まれの夫と東京生まれ、アメリカ育ちの妻。1999年に石垣島に移住。2人の物語は映画『ペンギン夫婦の作りかた』に。
辺銀暁峰さん、愛理さん(ぺんぎん・ぎょうほう、あいり)/中国生まれの夫と東京生まれ、アメリカ育ちの妻。1999年に石垣島に移住。2人の物語は映画『ペンギン夫婦の作りかた』に。

食いしん坊さんでなくても、石垣島に行ったら一度は訪れてみたいのが〈辺銀食堂〉だろう。食べるラー油ブームの先駆けとなった「石垣島ラー油」の生みの親、辺銀暁峰・愛理夫妻が2000年に始めた食堂である。ラー油もそうだが食堂のメニューにも、島ならではの食材がギュッと詰まっている。
「せっかく石垣島に来てくださっているのだから、島のものを存分に味わっていただきたいんです」

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辺銀食堂の魅力は、いかにも島らしい伝統料理にあるのではない。暁峰さんの故郷・中国西安でインスパイアされたものもあれば、愛理さんがパリで出会った料理をアレンジしたものもある。夫婦で世界を旅して得たアイデアが、石垣島というフィルターを通って表現されていく。「どこかでおいしいと思うものを食べたとき、ウチで作ったらもっとおいしくなるのではと思ってしまって(笑)」。

長命草、島ラッキョウ、ハンダマ、シークァーサーなど、島野菜の数々を、〈玩具ロードワークス〉の琉球張り子のペンギンが見守る。
長命草、島ラッキョウ、ハンダマ、シークァーサーなど、島野菜の数々を、〈玩具ロードワークス〉の琉球張り子のペンギンが見守る。

日本の南の端っこにある小さな食堂だけど、日本のみならず、世界の動きも見据えながら繰り広げるモードな料理の数は、石垣島でしか味わえない、独創的な味覚ワールドを展開する。かといってうわついた料理ではなく、島の人たちへの感謝と尊敬といった「思い」もちゃんと盛り込まれている。行くたびに新しい顔を見せてくれる〈辺銀食堂〉。進化し続ける味を楽しもう。

朝昼夜と、島の味のオールスターを満喫できる唯一無二の食堂。

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ランチメニュー、「石垣島産黒鶏のスリランカカレー」。スリランカ人の料理人さんが、まかないで作ってくれたカレーがおいしくて、メニューに加わった。順に混ぜていくと、どんどんおいしく。1,000円~。

ランチにはアーサ汁(すばにはつかない)、小鉢、ミニデザート、ペン茶がつく。

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ランチメニュー、「西安風やきそば」。西安の骨董市近くで食べた焼きそばからヒントを得て。ぴり辛のパンチの効いた味。揚げ焼き玉子を添えることでマイルドに。いくらでもOK。1,200円

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ディナーメニュー、「季節の島野菜の盛り合わせ」。ハンダマの干しエビサラダ、コールラビとローゼルの塩漬け、青パパイヤと島ニラ、紅芋のナムル、ナーベラーとハママーチのナムルなど。野菜満載だ。

夜はコース5,000円のみ。素材は季節によって変わります。2日前までに要予約。写真は2人前。魚か肉を選べます。

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ディナーメニュー、「ミーバイのマース煮」。高級白身魚、ミーバイの沖縄風アクアパッツァ。黒島のアーサ、島豆腐、ティラザ貝、オオタニワタリ、アダンの新芽などを添えて。ボリューム満点だ。

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ディナーメニュー、「ベルト麺」。暁峰さんの生まれ故郷、中国・陜西省あたりの伝統的な麺料理。幅広の手打ち麺、通称ベルト麺。シンプルに、塩とモンゴルスパイス、香菜でいただく。

(Hanako1136号掲載/photo:KenyaAbe text:MichikoWatanabe)

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